シェア
栗原ちひろ
2019年1月25日 20:54
大まかに言うと東京のどこかの場末、バーの居抜き物件に住み着いたふたりの男の子が、探偵と助手という設定を使ったり使わなかったりしてダラダラ暮らすだけの短編連作です。設定だけ把握していれば、どれも一話だけで読めます。キャラ設定砂倉渓一(24)……さくらけいいち。探偵。前髪長めの黒髪、長身。手足が長く視線が鋭いので喧嘩に強そうに見えるが、実際には切羽詰まるとすぐ気絶する。失踪癖と流血癖がある。三
2019年2月15日 13:49
「ああ~~いいにおいする、ご飯作ってるの、みはる」からんころん、古い扉につけたベルが鳴り、のんびりした砂倉の声が響く。ここは細長いスナックの居抜き物件。汚くも楽しい、さくらと僕の探偵事務所だ。僕は小さな台所で湯を沸かしながら言う。「うん、チョコレートラーメン。もうできるからそこに座って? さくら」すぐにカウンターの向こう側に肌色の男が座り、僕は顔を上げた。視線の先には従兄弟