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自分の話ばかり

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自分の話ばかりするひとは嫌われます。
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#映画

イラストレーターになっていた

イラストレーターになっていた

僕はイラストレーターになっていた。

開業届を出して、確定申告もしている。それほどたくさんの仕事ができているわけではないが、日本だけではなく、海外からも問い合わせのメールがやって来るようになって、フランスではまんが家デビューもしたし、中国ではアーティスト・エージェンシーに所属することにもなった(*1)。自主企画ではあるけれど、個展も何度か開催できた。さすがにもう、誰が見ても「イラストレーター」と呼

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好きにさせてくれ

好きにさせてくれ

映画館に通うようになったのは、高校生になってからだ。劇場に通う習慣のある家庭ではなかった。小学生のころまでは、父に『ゴジラ』や『ドラえもん』を見に連れていってもらったけれど、家族が自分の意思で自分の見たい映画を見に行っているところを、僕は一度も見たことがない。好きな作家が映画について書いているのを読み、好きな芸人が映画についてラジオで話しているのを聴き、大人になって彼らに出会ったときのことを思った

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みんな無駄だった

みんな無駄だった

「イラストレーターになっていた」では、この10年あまりのいきさつを駆け足で振り返った。書きながら思い出すさまざまなエピソードを、どこまで実際に書くか。あったことを都合よく省略(編集)してストーリー化することには、多かれ少なかれ欺瞞を感じてしかたがないが、枝葉をバッサリいかなければ、テキストは延々とつづいてしまう。そんなに長くはしたくない。関係者が読んだら、「こいつ、自分のいいように書きやがって」と

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MY FAVORITE MOVIES

MY FAVORITE MOVIES

ジャン=リュック・ゴダール『勝手にしやがれ』(1960)
アニエス・ヴァルダ『5時から7時までのクレオ』(1962)
フェデリコ・フェリーニ『8 1/2』(1963)
スタンリー・キューブリック『2001年宇宙の旅』(1968)
ジョン・シュレシンジャー『真夜中のカーボーイ』(1969)
テリー・ギリアム/テリー・ジョーンズ『モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル』(1975)
ウディ・ア

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