平井久仁子

39歳から7年間フィンランドのイルマヨキという町で「声に掛けられた覆いを外す」発声法を…

平井久仁子

39歳から7年間フィンランドのイルマヨキという町で「声に掛けられた覆いを外す」発声法を学びました。 フィンランドの暮らしについて、私が学んだユニークな発声法について、日々の楽しみについて書いています。 https://kantele-voice.com

最近の記事

フィンランドの夏

もうすぐ夏至がやってきますね。 フィンランドでは「ユハヌス」と呼ばれています。 5月も中旬になり、一斉にライラックが咲き始める時期になると、 「もうすぐ夏がやってくるよー」と嬉しい気分になるのですが、 夏至を迎えると「本格的な夏がはじまる!」という気持ちになります。 6月はフィンランド語で「ケサクー」と呼ばれていて、 まさにズバリ、そのままに「夏の月」です。 この時期から夏休み休暇を取る人も多く、 フィンランドの国全体に、夏休みモードが充満しはじめます。 仕事をするより

    • クルタレヒティ 黄金の葉

      今日は暖かな日になりましたね。最近は冷たい北風にさらされて、本格的な冬が来たー!と思う日も多くなりましたから、お日様の光が暖かく感じられる日は貴重です。 ということで、今日も散歩に出かけました。そして、散歩の途中でお昼ご飯を食べながら、コーヒーも楽しみました。 大きな欅の木の枝が道路をまたいで、喫茶店の二階の窓にくっつきそうなくらい枝を伸ばしています。その枝の先に落ちるのを待っている葉っぱたちが、日の光に照らされて、キラキラと輝いている様を眺めていました。 フィンランド

      • 今年もフィンランドのクリスマス伝統菓子、ヨウルトルティを焼きました。

        ワークショップを開催する時、最後の時間を振り返りの時間にしています。ワークショップ内で体験したことを参加者全員で、思い思いに話す時間です。 私はその時に、必ずお菓子とお茶を用意しています。 何かを食べながら、飲みながらの方が話しやすいと思っています。 順番に端の人から話すといった方法だと、私の場合は緊張してしまって、思ってもみなかった事を口走ってしまい、頭の中では違うのになぁと思いながらも、今更訂正できないし、なんて思いながら、自分の本当の事ではない内容で締めくくってしま

        • お花のある暮らし

          今年の10月から、毎月お花を送ってもらうクラブに入った。 その名はフェイバリットクラブ。瀬田にあるお花屋さん、フェイバリットの店主が花を選んでくれる。 届く花は、どれも私が普段は選ばないような色や種類の花の取り合わせで、尚且つ、あまり家の近所のお花屋さんでは見かけない花が入っている。 だから毎月、箱を開ける度に、どんな花が入っているのだろうとドキドキ、ワクワクする。 花が届いたら、すぐさま箱を開けて活ける。 お陰様で、いつも何かしらの花がある暮らしになった。毎日花を

        フィンランドの夏

          泥の月と死の月を越えて光の世界へ

          今日12月1日の日曜日から第一アドベントが始まった。 朝一番にアドベントクランツに光を灯す。 ここから毎週一本ずつ蝋燭の灯りが増えていく。 東京の空は冬でも明るく、太陽の光が恋しくなるわけではないけれど、この時期のフィンランドの空といったら、ねずみ色の重たい雲で覆われている日が、これでもかと飽き飽きするくらい続く。 フィンランド語で10月はLokakuuという。 Loka(泥)kuu(月)という意味がある。 そして、11月はMarraskuuという。 Marras(死

          泥の月と死の月を越えて光の世界へ

          お茶を飲みながらクリスマスを待つ

          明日の日曜日、12月1日から第一アドベントが始まります。 先日、国分寺に散歩で出かけた時に、フェアトレードのお店を発見しました。小さいけれど、素敵なものがたくさん詰まったお店でした。 私は個人商店で買い物をするのが好きです。でも段々とそういうお店が減っていますね。私が住んでいる町でも、魚屋さん、肉屋さん、八百屋さんはめっきり少なくなりました。少し前までは、いつも買いにいく魚屋さんがあって、よくおまけをしてもらってました。それが嬉しかった。どうやって料理したらいいかも、教え

          お茶を飲みながらクリスマスを待つ

          散歩道楽

          毎日隙あらば散歩に行く。 今日は大きな隙があったので、電車を乗り継ぎ、西国分寺駅からお隣の国分寺駅まで散歩した。 風が冷たいけど久しぶりの快晴で、お日様の光が眩しい。 スマホの地図は当てにしないで、だいたいこっちの方角ということだけで歩き始める。 立派な図書館と公文書館を通り過ぎて、車が行きかう道に出た。 その角に自家焙煎の喫茶店を発見。 歩いてみないと知り合えないお店に出会うのも散歩の楽しみ。 たぶんこの車の行きかう道を歩いて行けば、国分寺駅に行くのだろうけれど

          ヤドリギ

          アドベントクランツが届いた箱の中に、ヤドリギが入っていた。 去年、注文したクランツにはヤドリキを入れてくださいとお願いしたのを覚えてくれていたのだと思う。 「今年はヤドリギが多く出回っていなくて、一枝だけですが」というメッセージが添えられていた。 ピッタリの花瓶がなくて、ドレッシング入れを代用してしまった。そのままだとあまりにも素気ないので、なにかいい方法はないかな?と考えた。 裁縫箱の中に眠っていたレースのテープとリボンを思い出した。 いつか使う時が来るかもしれないと

          アドベントクランツが届きました

          待ちになったアドベントクランツが今年も届きました。 クランツが届くと、私の心は一気にクリスマスという気分になるのです。 クランツを眺めていると、心がすっきりとしてきて、神聖な気持ちになります。 今年のクランツの蝋燭をオフホワイトにしてもらいました。 より緑が鮮やかに際立って、フィンランドの森を思い出させてくれます。 フィンランドのクリスマスは、あたたかなクリスマスでした。 外気は闇に包まれますが、毎週クランツの蝋燭に火を灯すたび、心の内にはあたたかな光が増していくよう

          アドベントクランツが届きました

          世界の美しさをポケットに詰める

          風の強い日、私は散歩に出かけた。 神社の脇には小川が流れている。その小川を遡って歩いていくと、泉が湧いている。 東京にも、まだ小さな自然が残っている。 頭の上の方で、ぱらぱらと音がした。何だろうと思って足もとを見ると、ドングリだった。 私の足元には無数のドングリがころがっている。無心になってどんぐりを拾う。 ジャンバーのポケットがドングリでいっぱいになった。 それはまるで、木の実をこれでもかと頬張ったリスみたいだ。

          世界の美しさをポケットに詰める

          やっぱりまだ猫は飼えない

          私のメールアドレスにMOMOという文字が入っているので、たまに「ミハエル・エンデのモモが好きなんですか?」と聞かれることがあります。 メールアドレスのMOMOは、かつて私が飼っていた猫の名前です。 写真を探したのですが、ももが生きていた頃はスマホなど普及していた頃ではなく、デジカメもポピュラーではなかったと記憶しています。 この絵は、昼寝をしているももを私がスケッチしたものです。 「私は絵が苦手で」と話したら、絵手紙を描いている友人が、「葉書サイズくらいなら気軽に描け

          やっぱりまだ猫は飼えない

          毎日同じような物を食べているフィンランドの食事

          フィンランドへ初めて行ったとき、ホテルの部屋に置いてあった新聞を手に取りました。もちろん私はフィンランド語が解らないので、読むことはできないのですが、英語と少しのドイツ語がわかるので、その二つの言語から推測できる単語をいくつ見つけることができるかという好奇心から新聞を開いたのでした。 結果は、一つも見つけることができませんでした。それくらい、これから勉強の為に住もうとしている国は、私の日常からは遠く離れた国という事です。 食事の習慣も日本とは随分と違っていました。 フィン

          毎日同じような物を食べているフィンランドの食事

          あなたの好きな音は何ですか?

          この秋、私は「耳をひらく」という講座を行いました。 その講座が始まる3日前くらいに、講座参加者の皆さんに宛てて、「あなたの今一番好きな音をひとつ選んで来てください。」とメールをお送りしました。 上記の写真は、皆さんの好きな音を紙に書いて頂いたものです。 様々な音が紹介されました。 どうしてその音が好きなのかも聞かせて頂きました。 その音に因んだ素敵な思いでがあったり、その人が大切に思っていることが垣間見えたり、その人の今の関心が向かっている方向が分かったり、 名前

          あなたの好きな音は何ですか?

          夫婦二人だけの旅行でも家族旅行と言うのだろうか?

          「今年の家族旅行はどこに行こうか?」と夫が私に訊ねる。 私達には子供がいないので、夫の使う家族旅行という言葉に違和感があった。夫と妻という構成員でも家族という言葉は適応されるのだろうか?と、私は疑問に思ってきた。そして、この私の素朴な疑問を夫に話してみた。 夫曰く、家族という解釈は自分たちで決めたらよいと思っている事、子供がいなくても、自分はあなたと二人だけの家族だと思っているから、家族という言葉を使うのだという。 それに、家族旅行と言った方が、ただの旅行とは違って、一

          夫婦二人だけの旅行でも家族旅行と言うのだろうか?

          見つける人より、見つけてもらう人になりたい

          夕方、仕事を終えて電車に乗った。 あの女の人の隣が空いている!と思って席に座ると、その女性の隣に座っている人から声を掛けられた。 へっ?と思って、その声の方を見ると、なんと夫だった。私は思わず、「あっ!」と声を上げてしまった。 お隣の女性が気を利かせてくれて、席を夫と変わってくれて、私たちは隣同士に並んで座ることができた。 思い返すと帰りの電車で偶然に夫と出会う事なんて今まで一回もなかったように思う。それに、夫から先に私を見つけてもらうことも無いように思う。 二人で

          見つける人より、見つけてもらう人になりたい

          席を譲ってもらいました

          昨日、混んだ電車に乗っていました。 二駅目で降りるので、扉に近い所に居たかったのですが、乗ってくる人の勢いに抗う事ができず、波に押されて落ち着いたところは座席の真ん中あたり、つり革につかまりながら、暮れゆく空を眺めていました。 一駅過ぎたところで、目の前に座っていた男性(10代後半だと思われる)がスマホから顔を上げたタイミングで私と目が合いました。 そうしたら「どうぞ」と言って、私に席を譲ってくれたのです。 私の両隣に立っている人を見ても健康そうな20代の人だったので、

          席を譲ってもらいました