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席を譲ってもらいました


昨日、混んだ電車に乗っていました。

二駅目で降りるので、扉に近い所に居たかったのですが、乗ってくる人の勢いに抗う事ができず、波に押されて落ち着いたところは座席の真ん中あたり、つり革につかまりながら、暮れゆく空を眺めていました。

一駅過ぎたところで、目の前に座っていた男性(10代後半だと思われる)がスマホから顔を上げたタイミングで私と目が合いました。
そうしたら「どうぞ」と言って、私に席を譲ってくれたのです。

私の両隣に立っている人を見ても健康そうな20代の人だったので、これは確実に私に席を譲っているのだと確信しました。

彼の親切を無下に断る理由もないと思ったので、素直に、「ありがとうございます」と言って座らせて頂きました。

今まで人に席を譲ったことは多々あれど、人から席を譲られたのは初めてのことで、とうとう私もそんな年頃に見られるようになったのかと思いました。

自宅に帰り、玄関で急いで靴を脱ぎながら、2階のリビングに居る夫に向かって、
「電車で席を譲ってもらっちゃった!」と声を掛けると、
「体の具合でも悪くなっちゃたの?」と階段の手摺から顔を出して、心配そうに私の様子を気遣う夫の顔が見えました。

「いやいや、そうじゃないけど。。。」と私が答えると、

「良かったね。人の優しさが感じられて」と夫。

イヤー!本当にそうだなと、夫のその言葉を聞いて、しみじみ思いました。

実を言えば、駅から家に戻る道すがら、自分ではまだ若いつもりでいたけれど、人からは年寄りに見られているのかな?とか、そんなに私の顔が疲れて見えていたのかしら?とか、そんなことをうじうじ気にしながら歩いていたのですが、夫の一言で、気持ちがパッと晴れました。

私の体の具合を心配してくれた夫の優しさにも感謝。

そして、人から優しくされる自分でありたいとも思うようになりました。

年を取るということは、人の優しさを受け取る機会が増える嬉しい年頃かもしれません。


#一駅ぶんのおどろき

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