【いだてん第10話「真夏の夜の夢」~「NIPPON」表記と熊本県人の頑固さに迫る~】
2月末にJリーグが開幕し、3月9日には野球の日本代表がメキシコとの強化試合など、
いよいよオフの時期が明けて、スポーツが楽しみになってくる季節になってきました。
スポーツの集大成の場といえば、オリンピックと言えるでしょう。
実はオリンピックでの日本の表記、今では「JAPAN」ですが、初めて参加したストックホルムオリンピックは「NIPPON」だったそうです。
普通、オリンピックでの日本の表記は「JAPAN」で、選手のユニホームにも「JPN」と略称が書かれているのをテレビでもよく見かけると思います。
なぜ表記が「NIPPON」になったのか?
そこには熊本県人の「肥後もっこす」とも言える、頑固な一面が関係していました。
ストックホルムオリンピックが始まる前の練習の様子を描いた、大河ドラマいだてんの第10話「真夏の夜の夢」を紹介しながら、その真相に迫りたいと思います。
「日本」表記にこだわる金栗四三
注目の場面はドラマが終わる5分ほど前のシーンです。
オリンピック開催事務局から「入場式のプラカードには何と書いたらいいか」と問い合わせがありました。
大森監督や嘉納治五郎オリンピック日本団長も、国際大会であるため、世界の人々に分かるように《JAPAN》としたほうがいいと提案します。
しかし、金栗四三が意義を唱えます。
「日本は日本です。そのまま漢字で《日本》と書いたらいいでしょう!」
大森監督は以下のように返答しました。
「オイ、オイ、それじゃ日本人の他は誰も読めないではないか。やはり英語で《JAPAN》としたほうが無難だろう?」
しかし四三はさらに反論します。
「JAPANなんてのはイギリス人が勝手につけた名前です。私たち日本人がわざわざヘンテコな名で自分の国を呼ぶことはないでしょう」
「このときこそ、日本という本当の文字と呼び名を使い、世界の人々に知らせる必要があるんじゃないですか」
金栗はこの時、もしJAPANという表記ならプラカードを持つという自分の役割をやめます、とまで訴えでたそうです。
「日本」という言葉に相当な思い入れがあったことが分かります。
結局、嘉納団長が中間を取って《NIPPON》と表記することになりました。
しかし、ローマ字表記のプラカードを使ったのはこの時だけで、アントワープ大会以後は全て《JAPAN》に。
金栗四三の熊本県人ならではの頑固さが表記を変えた、といっても過言ではないでしょう。
熊本県人は愛国心の強い県民性??
これは私の感覚で、学術的な根拠は無いのですが、熊本県は愛国心の強い風土があるのではないかと思っています。
実は熊本県の社会科の先生は、よく北方領土の授業を取り上げて行うことが多い傾向があります。
熊本県と北方領土(北海道)では、地理的な距離があるにも関わらず、です。
熊本県の授業の研究発表でも、北方領土をどう授業化するか、ということに関しての議論が多いです。
他県民の私からすると、何故北方領土をわざわざ取り上げるのかな?と疑問でしたが、
熊本、という土地は自分の住んでいる土地を誇りに思う文化が根強いのではないか、だから北方領土を取り上げて授業をするのではないかと思いました。
金栗四三もきっと、誇りに思っている日本を、《JAPAN》という、日本人ではない他の外国人がつけたネーミングに憤慨するものがあったのでしょう。
ドラマをみながら、金栗四三と今の熊本県民の共通点を見いだせた回でした。
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