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麦本三歩シリーズが大ヒット中!『君の膵臓をたべたい』作者・住野よるのおすすめ小説5選

春ですね!

10代~20代の読書好き界隈で、今もっとも購入されているのではというくらいの盛り上がりを見せる、住野よるさんの『麦本三歩の好きなもの』。

表紙の可愛さに惹かれて、この作品で初めて住野よる作品に触れた方も多いのでは。今回は、これから「住野よる作品を読んでみたい!」という方に向けて、おすすめの作品を集めました。

学生さんは、来週から新学期の方も多いと思います。ドキドキワクワクの新生活、住野よるさんの作品で、文学でも青春しましょうー!

『君の膵臓を食べたい』青春の痛みがあふれるデビュー作

「僕は、本当は君になりたかった」
人を認められる人間に、人に認められる人間に。
人を愛せる人間に、人に愛される人間に。

住野よるの代表作といえば、コレ。一度聞いたら忘れられない、インパクトのあるタイトル。住野よるを知らない人でも、このタイトルだけは聞いたことがあるって人も多いのでは。

朝井リョウさんの『桐島、部活やめるってよ』もそうですが、タイトルの力ってすごい。作家さんの名前にピンと来なくても「あぁ、あの作品を書いた人ね!」って伝わることが多いもん。そりゃ、ラノベのタイトルも長くなるわけだ。

物語は、主人公の「僕」と、クラスメイトの山内桜良を中心に進みます。ある日「僕」が、病院で桜良の落とし物「共病文庫」と書かれた本を拾う。中身は桜良の日記。そこには、桜良が膵臓の病気で、余命わずかだと書かれていて――。というお話。

「はいはい、お涙頂戴の闘病ものでしょ?」と思っている人にこそ、読んでほしい。全部読み終わったとき、きっと次の住野よる作品が読みたくなっているはず。

わたしも、話題になりだした頃「お涙頂戴の闘病ものだったら苦手だなぁ」と思いつつ読んだのですが。ラストが衝撃的すぎて!「はぁ……あぁ……あれ、伏線だったのね」って魂が抜けそうになった。

ちなみに、浜辺美波ちゃんと北村拓海くんの映画版も、透明感にあふれていて素敵でした。小説版と違って、大人になった僕とクラスメイトたちが出てくるので、原作の別エンディングみたいな感じで良かったです。

Amazon Primeに登録すれば見放題なので、ぜひチェックしてみて。


『また、同じ夢を見ていた』住野構文が定まりだした2作目

先生、頭がおかしくなっちゃったので、今日の体育休ませてください。

冒頭から、ガツンとくる1行。

「これは、なかなか癖の強い主人公だぞ」と身構えたのもつかの間、気づいたら最後までするすると読んでしまう不思議な1冊です。

主人公の小柳奈ノ花は、小学生。

先生に向かって「人生とは、素晴らしい映画みたいなものよ」なんて言う気取った態度のせいで、同年代の友人はいない。でも、彼女には、学校以外の場所に素敵な友人がいるのです。高校生の南さんに、大人の女性のアバズレさん。そして、ひとりで暮らしているおばあさん。

違う年代の友人と関わる中で「幸せとは何か?」を考える奈ノ花の成長物語です。でね、ここが住野よるポイントなんだけど、物語全体に仕掛けがしてあるの。全部読むと、「あれ?あーっ!そういうこと?」ってなります。この伏線感が気持ちいい。

2作目にして、文体やリズムにはっきりと個性が出ていて、ここでファンになった人も多いと思う。タイトルじゃないけど、住野よるさんの作品は、読んでいると夢心地になる。読後感が、寝起きのぼーっとした気分に似てる。


『よるのばけもの』周りに流されず、自分の心と向き合う物語


タイトル通り、主人公が夜になると化け物になるお話。

ある日、主人公の安達くんが学校に忘れ物をしたことに気づき、化け物の姿で夜中、学校に向かうことに。そこで、クラスメイトでいじめられっ子の矢野さつきに遭遇し、正体がばれてしまって――。というお話。

この作品を読んだとき、住野さんは、なんて繊細な心理描写をする方なんだろうと思った。わたしの周りには、「住野よるさんの作品が好き」というと「ちょっと苦手」と言ってくる大人が多いんですが。

住野よるさんの作品を好きになるかは、自分が思春期に受けた痛みを、心の引き出しにしまっておきたいか、消化してしまいたいかどうかでわかれるのかな、と思う。

思春期の自分を思い出したくない人は、たぶん、読んでいて辛くなるんじゃないかな。でも、思春期のモヤモヤを消化したいタイプの人には、とてもハマる作家さんだと思うのです。

そして、まさに今、思春期真っただ中で悩んでいる人にも、救いになる描写がきっと見つかると思う。


『か「」く「」し「」ご「」と「』ザ・青春!なのにファンタジー?


これ、わたしは住野よるさんの作品の中で一番好き!

ということで、すでに個別におすすめ記事を投稿しているので、ぜひそちらを読んでほしい。もう、装丁も内容も、すべてがザ・青春!なのにファンタジー!この不思議な青春小説は、住野よるさんだからこそ描けたと思う。

住野よる作品では、絶対に読んでほしい1冊です。


『青くて痛くて脆い』吉沢亮×杉咲花で映画化!大学生は必読!


昨年の夏に映画化されたばかりなので、記憶に新しい人が多いかも。

これはもう、これまでの作品の「住野感」を存分に感じられるお話だし、構成だし、文句なしおすすめの作品です。大学のサークルを巡るお話なんですが、大学生のときに出合いたかった。


人生を謳歌するための武器集めのように、住野よる作品を読んでほしい


以上、住野よるさんの作品を5つご紹介しました。思春期、隣で静かに寄り添ってくれる、友達のような作品が多いです。

学生時代、自分の琴線に触れる言葉にたくさん出合うこと。それは、辛いことがあったとき、跳ね返すための武器集めのようなものだと、大人になった今、つくづく感じています。住野よるさんの作品には、そんな武器がたくさん隠れていると思うので、ぜひ!今悩んでいる、苦しい人には読んでほしい。


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