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『なんだ、けっきょく最後は言葉じゃないか。』有名コピーライターが教える、コミュニケーション能力の鍛え方

なーんだ、言葉ね。そっかそっか。

ふむふむ。……うーむ。

言葉って、たくさん失敗する。死ぬまで正解が見つからないんじゃないかってくらい。

いったいどうしたら、達者になれるのでしょうか。

上達するには、言葉のプロに教えてもらうのが良いのかも。相手に余白を想像させる、そんな言葉を生み出すプロ、コピーライターの方とか、どうでしょう。

ということで今回は、大手広告代理店の電通で活躍されてきた、クリエーティブディレクターでコピーライターの伊藤公一さんの著書、『なんだ、けっきょく最後は言葉じゃないか。』をご紹介します。


コピーライターに向けた1冊。だけど……?


内容としては、伊藤さんが中堅コピーライター向けに行った講義をまとめたものです。コピーライティングの技術とか。

しかし、読み進めていくと、コミュニケーションを必要とするすべての人に役立つヒントがいっぱい。「伝わる言葉」を掘り下げるということは、その先にいる相手を想像して、「共感を生む技術を磨く」ということだもんね。

もうね、もくじを眺めるだけでも「早く読みたい!」ってなるんです。するすると懐に入る言葉選びはさすがだなぁ。第1章はこんな感じ。

1.だからあなたの言葉は伝わらない
 ・今、言葉はちょっと元気がない
 ・それでも言葉をあきらめるわけにはいかない
 ・言葉でうまく伝えられないと何が困るの?
 ・前提として、人はあなたの言葉を聞いていない
 ・まずは基本の型を身に着けよう
 ・相手の心に届く言葉を書くのにどんな能力がいるの?
 ・誰に向かって書いています?
 ・絞ることで、狭くなるのでは?
 ・慣用句のジレンマ

「前提として、人はあなたの言葉を聞いていない」から、印象に残ったところをご紹介しておきますね。

「インフォメーション」と「コミュニケーション」を意識せよ


言葉力を伸ばすための、基本中の基本の考え方って何だと思いますか。それは、インフォメーションとコミュニケーションの違いを理解すること。ここをしっかり理解しておかないと!なんですって。

■インフォメーション
 情報を相手に正確に伝えることを目的にしている
■コミュニケーション
 伝えたうえで、相手の心を動かすことを目的にしている

たとえば、マンションのごみ出しルールの張り紙は「インフォメーション」。正確な情報を伝えるために「いつ、どこに、何を、どのように捨てればよいのか」を簡潔に言葉にする必要があります。

一方で、ゴミ出しルールを守ってください!という張り紙は「コミュニケーション」。ルールを守っていない人の反省を促して、行動を改めてもらうような言葉を紡がなくてはいけません。

言葉を扱うときは、この違いを明確にすることで、伝えたい人に、しっかりと届く言葉を紡げそうです。



こんな感じで、なんとなくわかった気になっていた、言葉についてのアレコレを言語化してくれている1冊。ふだんから、言葉を大切にしたいなと思っている人。きっと、色々と気づきがあるはずです。ぜひ。


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