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日々掌編短編小説(そよかぜの千夜一夜物語)

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2020年1月1日から、ほぼ毎日掌編小説を執筆中。東南アジア小説をはじめ、興味のあるあらゆるジャンルをネタにして作品を発表しています。ちなみにこちらには「書き下ろし」としてしばら… もっと読む
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#擬人化

眠れない夜に 第1165話・5.23

「今日は午前中からでもよいかな」こうしておいらはまだお昼にもなっていないのに昼寝をするこ…

この経験に学べ 第1163話・5.17

「見た目で判断してはいけないんだ」私はこの日まで鳩は大人しいものだと思っていた。平和の象…

これからの家族のかたち 第1160話・5.5

「何?」恐る恐る声のするほうを見ようとするが、それはできない。自身に向けられる視線も日増…

レベルアップしたいこと 第1153話・4.22

「考えただけでも鳥肌が立つ」私自身にレベルアップがなされたのか、ある日を境に奇跡的なこと…

仕事について話そう 第1142話・4.4

「ライラックが奇麗で素敵な街だったわね」「お前また北海道の話か、まあ楽しかったけどな」そ…

猫のいるしあわせ 第1140話・3.31

「本来ならこのまま帰るのだが...…」自分ははそう思いつつも、今日は帰らない。なんとなく帰…

習慣にしていること 第1133話・3.19

「さてと」ここで目をつぶる。5秒ほど無心になった。そして目を開ける。その直後に働いた直感で行き先を決めるのだ。だが目を開けると現実を前に次の言葉が浮かばない。 「そうか」直後に小さくため息をつく。周囲は金網に囲まれており、上も同様に金網の中である。つまり外に出ることが許されないという現実を直視しなければならなかった。それは事実上の軟禁状態である。 「なぜだ!」思わず声を荒げた。荒げたところでこの金網の外に出ることができない。ただ幸いなことに金網には電流を通すような過激な仕掛

イチオシのおいしい一品 第1101話・2.8

「うーん、どこか旅行に行こうか?例えば海外とかさ」のデートを楽しむ男女がいる。それをいつ…

今こんな気分 第1096話・2.2

「ふう、帰らんわけにはいかないし」とくたびれた表情の人が目の前を横切っている。それを冷静…

新天地へ 第1039話・12.2

「気晴らしに美味しいものを食べような」師走が始まり、イルミネーションが光り輝く夜のデート…

オリジナル星座を考える 第961話・9.12

「夜空には、月以外の天体がたくさんあるのに......」  夜空を見てその場で横たわりながら思…

自転車を漕いでいると月から 第960話・9.11

「すっかり遅くなったなあ」すでに夜となっていた中を、家に向かって自転車を漕いでいく。ここ…

動物海苔巻き 第943話・8.25

「え、いったいどうなっているの?」ある白い動物は意識が戻ると、首から下が、何か黒いものに…

死を覚悟して突撃する 第938話・8.20

「お、しまった、出口はどこだ」大きなハエは、間違えて人の家の中に入った。「お、あそこ、あそこだ」すぐに窓の隙間を見つけたハエは、そこに向かって猛スピードで飛ぶ。 「危ない危ない。ただでさえ俺たちハエは嫌われもの。ここは都会だ。どこの家にも水洗トイレがあるからな、中には糞がねえし、いる意味は全くねえ」  こうして窓のサッシのところまできたハエ。ふと目の前には自らとは似て非なる一匹の蚊が外から突っ込んできた。「おいおい、慌ただしいぜ」ハエはそうつぶやくが、蚊には聞こえずそのまま