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日々掌編短編小説(そよかぜの千夜一夜物語)

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2020年1月1日から、ほぼ毎日掌編小説を執筆中。東南アジア小説をはじめ、興味のあるあらゆるジャンルをネタにして作品を発表しています。ちなみにこちらには「書き下ろし」としてしばら… もっと読む
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2023年5月の記事一覧

はじめての仕事 第1170話・5.31

「気持ちをわかってくれてありがとう」会議が終わった時、隣の席にいた課長の一言。僕は思わず…

子どもに教えられたこと 第1169話・5.30

「またか」スーパーのレジに向かい必要な購入しようとしたとき、私はすぐにわかった。いま視線…

わたしの旅行記 第1168話・5.29

「また太ってしまうことを覚悟の上」ある女性はそう言いながら食べ物を探している。その人は初…

おいしいお店 第1167話・5.25

「だけど」私は食後に部屋に戻ってつぶやいた。「すしが食べたい!」思わず私は部屋でつぶやく…

私の朝ごはん 第1166話・5.24

「ふぁあああ!さて今日は何を食べようか」私の朝は早い。まだ暗いうちに目が覚める。わかりや…

眠れない夜に 第1165話・5.23

「今日は午前中からでもよいかな」こうしておいらはまだお昼にもなっていないのに昼寝をするこ…

山であそぶ 第1164話・5.20

「セピア色かな、ふう」久しぶりに朝からシャワーを浴びる。しかしこれは頭の中の妄想であった。なぜならば今朝は高山の山小屋にいたから。  俺は山登りをしている。ここは3000メートル級の山の上。山小屋の中で持参した寝袋で目が覚めようとしたときに勝手に感じた妄想だ。山小屋から外を見る。もはや標高が高すぎるためか草木が生えていない。砂と岩だけの世界だ。これをさきほど無意識のうちに見たのであろう。だからセピア色などというキーワードが出たとしか言いようがない。 「さて、頂上まであとわず

この経験に学べ 第1163話・5.17

「見た目で判断してはいけないんだ」私はこの日まで鳩は大人しいものだと思っていた。平和の象…

忘れられない先生 第1162話・5.16

 その瞬間、僕は固まったのは言うまでもない。普段は起きているのかわからないような風貌の先…

AIの活かし方 第1161話・5.10

「次世代のベニザケを生み出すにはどうしたら?」僕はすぐ横に控えているAIに尋ねてみた。この…

これからの家族のかたち 第1160話・5.5

「何?」恐る恐る声のするほうを見ようとするが、それはできない。自身に向けられる視線も日増…

わたしのキャリア 第1159話・5.4

「私の発表どうだった?」おいらに突然聞こえた声、おいらは最初、別の人に話しかけてきたのだ…

つくってみた 第1158話・5.3

「必ず歩いてやる」私は目の前の信じられない状況を見てつぶやいた。目の前は不思議な状況にな…

子どもの成長記録 第1157話・5.2

「ゆっくりと立ち上がるよ」両足の二本はどうにか地に着いた。あとは手を床から上げれば立ち上がれる。「そして歩かないといけないんだ」そう心に誓いながら起き上がろうとする。だがここで今回も躊躇した。 「いったい、これは?」生後間もなく1年がたつ。それは事実だ。なのになぜこんなに知能があるのだろう。周りの状況をほぼ把握している。  だが正直わからない。これはあたかも前世の大人だった時の記憶?のようなものがそのまま今の体に宿ってしまったようなのだ。 「いつからこんなに記憶が」それはお