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日々掌編短編小説(そよかぜの千夜一夜物語)

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2020年1月1日から、ほぼ毎日掌編小説を執筆中。東南アジア小説をはじめ、興味のあるあらゆるジャンルをネタにして作品を発表しています。ちなみにこちらには「書き下ろし」としてしばら… もっと読む
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2022年11月の記事一覧

最近の一枚 第1037話・11.30

「一枚は描けそうかのう」スケッチレベルだが絵を描き終えたときには、夕暮れが迫っていたが、…

泊まってよかった宿 第1036話・11.29

 私はしばらく湖畔を眺めると、無意識にこう思った。「そうだ絵を描いてみたい」と。「絵を描…

男子宝石 第1035話・11.28

「宝石を俺に?」「そうよ?」  この日はつきあい始めた彼女との初デート。今日は俺の誕生日…

404美術館 第1034話・11.27

「ここか」長い時間をかけて、いろいろ学びなおすことにした私は、最初にとあるビルの前に来た…

私の学び直し 第1033話・11.25

「知っていると思ってたの。ごめんなさい。本当にごめんなさい」と、女は何度も謝るとそのまま…

部活の思い出 第1032話・11.24

「も、もういいですよ、コ、コーチ」一回りも年上のコーチであるが、私に何度も謝るしぐさが可…

推しの芸人 第1031話・11.23

「やっぱ、そんなのやめよう」と蒲生久美子が何かつぶやきながらスマホを叩くように操作しているのを、横にいたパートナーの伊豆萌は不思議な表情で眺めている。 「久美子さん、さっきから何しているのですか?」萌の声にようやく気付く久美子。「ああ、萌ちゃんごめんね。ちょっと集中していたみたい」そういうと久美子はスマホの操作をやめて萌のところに行き、慌てて萌の両手を握る。 「あ、久美子さん」久美子に手をつながれると、萌は体をゆっくりと久美子の方に近づけた。表情がうっとりとする。 「萌ちゃ

バイリンガル餃子 第1030話・11.22

「焼き餃子か」台湾系華僑の李はラーメン屋の入口に貼っているメニューの餃子の写真を見て不満…

カメラのたのしみ方 第1029話・11.21

「フィクションよりノンフィクションが好きかな」と、友達に言われた時から、私は悩んでしまっ…

ノンフィクションが好き 第1028話・11.20

 部長が先頭になって会場となっている宴会場に向かって歩く。ぞろぞろとメンバーがついていく…

社員紹介 第1027話・11.19

「さすがだな。ここまで再現力が高いとは」藤井は満足げに、会社経営者向けセミナー会場を後に…

再現してみた 第1026話・11.18

「私に発表させてください」そういって彼女は席を立つ。 「え、本気か?今再現するのか!」僕…

みらいの校則 第1025話・11.17

「タイトルはともかく、サブタイトルは、まあそんなものはいらないな」校長は1枚の紙に書いて…

ネタが思いつかない 第1024話・11.16

「だめだ」何もネタが浮かばない。何も浮かず時間だけがすぎる。だがそういうとこに限って時間がない。なんと厳しい状況なのだ。 「どうにか頭を」と言って目をつぶった。  しばらくの瞑想状態から目を開けると、見たことのない世界が広がっている。体が宙に浮いていて上にも下にもブルー色したモミジの形をしたものがあった。 「おお、これは素晴らしい」思わず息をのみ、その世界をしばらく泳ぐように彷徨う。  しばらくするとあることに気づく。「きれいだがネタにはならないよ」と思った瞬間、急に