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男子宝石 第1035話・11.28

「宝石を俺に?」「そうよ?」
 この日はつきあい始めた彼女との初デート。今日は俺の誕生日なので彼女がプレゼントに小さな箱をくれた。

「でも、宝石って」俺は戸惑うが、彼女は素敵な笑顔を見せ。
「男子に宝石は変って言いたいのね。でも女子が宝石を身に着けるのは16世紀の後半以降。それ以前は男子の方が宝石を身に着けていたのよ」さすがは歴史が好きな彼女、宝石の由来を自信たっぷりに語る。

「そ、そうじゃあ」俺は彼女からのプレゼントをありがたく貰う。
「あ、開けてもいいかな」彼女は黙ったまま大きくうなづく。俺はさっそく箱の中を開ける。

「あれ、これは?」俺はダイヤとかそういう宝石を連想したが、その石は近くの河原にありそうな石だ。
「うん、だってまだ本当の宝石買うお金ないもん」と彼女が視線を落として小さくつぶやく。

 俺はその宝石を手にしながら「いいよ。気持ちが大事なんだ。これは俺にとっては宝石だ」そういうと彼女は顔を赤らめた。

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シリーズ 日々掌編短編小説 1035/1000

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