マガジンのカバー画像

ことばたち(詩に舞う)

20
私の詩たちが、言葉を寄せあっている場所
運営しているクリエイター

#毎日更新

【詩】18

心臓が 二日酔いしたときの
頭みたいに 重く鳴る

だけど
それを私に伝えているのは
いつだって
低い 低い 天井だった
つっかえて

左の洞窟に
ヒリヒリと
線香花火
放ち続ける

その 矢の名前は
なに?

小説を書くことのなにがむずかしいって、(16)

小説をかくことの
なにがむずかしいって

白に 言葉が 反応しないこと

電子に 文字を 打とうとすると
瞬間に とまる 空間

では 紙に書こうとすると
宇宙は いつも 間に合ってくれない

速記の検定でも とろうかしら?

して、とっても けっきょくは
まにあわないん だけど ね。

あたしと現実みたいなものだから

現実は はやくて
あたしは のろまに 間に合わなくて

現実が足一本 なくし

もっとみる

【詩】15

新幹線に 乗ると

窓に流されて
ツルツルと しっぽの方へ
すべっていった

ねぇ みて みてママ
きれい

ちいさな子
ひかり しずく
気付き

その瞳に 水を光らせて

となりの母のうなずき
雨とともに 流されたようだ

子は はたと だまりこみ
ほおづえ を つく、

【詩】14

わたしをかたちづくる
境界の ひりつく天体の
星々の 呼吸の
信じきれないままに

もてあましては
すてられずに いる

不純の 青空

あぁこの純粋しかない
平穏が
瞼を閉じよと優しくなぞる

希望をかこうと
空白のまどろみ

そんな日々に
安堵している