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『冷に耐え、苦に耐え、煩に耐え、閑に耐え、激せず、躁がず、競わず、随わず、以て大事を成すべし』

四耐四不訣(曽国藩/清朝末期の政治家)

曽国藩は太平天国の乱を鎮圧した湘軍の将として有名ですね。
また李鴻章などを登用、育成し、リーダーとしても再評価され始めています。

(もちろん洪秀全も好きです)

四耐四不訣とは、事を成すために耐えるべき4つの事、してはいけない事4つを述べた戒めの言葉です。

四耐とは…
耐冷(冷に耐え-孤独や周囲の冷たさに耐え)
耐苦(苦に耐え-苦しさに耐え)
耐煩(煩に耐え-忙しさ、わずらわしさの連続に耐え)
耐閑(閑に耐え-閑職に追われた場合もそれに耐え)

四不とは…
不激(激せず-つまらないことに腹を立てず)
不躁(躁がす:さわがず-うまくいったからといって、はしゃがず)
不競(競わず-無駄な喧嘩をせず)
不随(随わず:したがわず-何でも言いなりにならず)
を指し、
こういう心得でやっていれば、大業・大成することもできるという言葉です。

曽国藩は単なる地方の名士(郷紳)であり清国に於いては非支配者層であったため決してエリートではありませんでしたが、郷勇という民兵組織を募り後の湘軍を結成、清国本軍(八旗)が大苦戦する中、太平天国の乱の鎮圧に努めました。
また、戦いの課程で部下の李鴻章を大軍を預ける将軍まで育成し、挟撃して太平天国軍を鎮圧させています。
鎮圧後も評価は低く、救国の英雄としては不遇の時代も過ごしています。

四耐四不訣は、郷紳、民兵組織から救国の英雄となった曽国藩自身の自戒でもあり、李鴻章などの優秀な部下の育成にて述べられた言葉であると云われています。

人生に於ける苦難を乗り越え、リーダーとして大事を成すために説かれた”生ける言葉”である四耐四不訣は、多様な価値観やあらゆる情報に溢れた現代に於いても重要な指針であり、自らのアイデンティティを確立させ、自律のための戒めとなる言葉だと思います。

ちなみにこれはあくまで自分自身であったり後任後進のリーダーを育成するための言葉である事がポイントですね。
決して民衆、大衆向けの言葉では無いということです。

どんな苦難苦業があっても四耐四不訣の言葉を胸に、真摯に向き合い戦って参りたいですね。