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まちを、あるく。

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散歩の、記録。 そして、思うことをつらつらと。
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 昔の鉄道から、まちへと歩いた春の日

昔の鉄道から、まちへと歩いた春の日

前投稿からのつづき

早春の金曜、ある列車の最後を見届けるため訪れた山陽路。
ちょうど他に見ておきたかったものもあるので…と訪れた笠岡の街、廃線跡の探索が思いのほか興味深く心惹かれるものでしたが帰宅への刻限も近づき、駅へと向かうべく進路を変え、踏切跡から「まち」へと分け入ることになりました。

踏切を渡った気分で歩を進め、まちの裏側から中へと分け入ってゆきます。

まちの裏側を流れる水路、というか

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昔の鉄道を、歩いてきた春の日

昔の鉄道を、歩いてきた春の日

先日ちょっと機会があって訪問した笠岡のまち。昔走っていたちいさな鉄道に、逢ってきました。

海の街を感じながら、駅跡を見て、残された車両を見て、乗って、潮風を感じて…。

たのしいひとときでした。

半世紀前に消えた鉄道の、その車両の実物に触れ、乗れただけでも楽しかったのですが、すぐそこに、線路跡が、見えている…。まちあるき好きな私としては、歩かない訳にはいきません。

車両が置かれている高架道路

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昔の鉄道に、逢ってきた春の日

昔の鉄道に、逢ってきた春の日

先日、とある列車が運行終了となりました。

岡山と福山を結ぶ快速電車の運行が、2022年春のダイヤ改正で消えました。この列車はその昔、新幹線が出来る前に山陽本線を広島や九州までかっ飛ばしていた電車急行列車で、新幹線開業後は運行区間を短縮したうえで一部が快速列車として運行を継続、その後は「都市的列車サービスの提供」を目指して大増発され、車両も京阪神の新快速用ハイグレード車を用いるようになり、その車両

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生きることの、文化。

生きることの、文化。

 「今日は伏日か」
 韓国文化に触れることが多くなってから、夏になると、出てくる話題。伏日とは、日本でいう「土用の丑の日」の、陰陽五行説に基づく中華系文化圏版で、韓国では夏に三度(初伏・中伏・末伏)あり、この日は様々なことを慎み、滋養を蓄える日とされており、日本の丑の日と同様に栄養の付くものを食べるそうです。韓国では昔からドジョウは滋養食として認知され鍋料理(チュオタン)として提供する店も多く、ま

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原点に、かえって。

原点に、かえって。

2019年2月5日。新年、明けましておめでとうございます。

旧正月(旧暦の元旦)は、雲ひとつない快晴で始まりました。
なんだか朝から、気持ちが良く…。

中華圏や韓国、そして東南アジアなど、伝統行事は旧暦で行うところが大半。ということで個人的に、二度目の迎春を祝ってみました。

どうやら日・韓・中とも、正月には何かしらで餅を食べる風習があるようなので(中華圏は餃子だという話もありますが南部ではそ

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街が、消えゆくとき。

街が、消えゆくとき。

 ツイッターのタイムラインを眺めていたら、リツイートで回ってきたこの投稿が、目につきました。

 ツイ主は、こう語ります。
「文化遺産である清渓川乙支路産業団地を保存してください。ここに住宅団地(高層マンション街)って、何故ですか?!」

 清渓川と言えば、今はソウルを代表する観光スポットであり、近年の都市再開発の世界的先進事例となっている都市河川。

 今はこんな、デートスポットみたいになってい

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何故か1泊することになった釜山 その5

何故か1泊することになった釜山 その5

 前編からカナリ間が空いてしましましたが、交通機関トラブルから予定が変わり1泊することになって色々と見ることができた2017年の釜山の街のことを、つらつらと書いているシリーズ。忘れないうちに、書いていきましょう。

 そんなこんなで1泊して朝を迎え、釜山の現代史が積み重なった「山の街」を見てきた午前。帰国便の時間もあり、あまりゆっくりもしていられずバスで麓に降りてきました。午前中に見たのは旧日本人

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住民が望んだものとは

住民が望んだものとは

ソウル最後のタルトンネ(貧民街)住民、再開発プランに反発|中央日報

 ネットを彷徨っていたら、この記事にあたりました。
 ソウル市蘆原区中渓洞104番地。ソウル最後のタルトンネ(貧民窟)と言われるこの地にも、再開発の話は以前からありました。
(104マウルについては別に記事を書いていますのでご参照ください)
https://note.mu/ktnh/n/n2b7f64dc40d9

 さてこのタ

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何故か1泊することになった釜山 その4

何故か1泊することになった釜山 その4

 何故か想定外に1泊することになった昨年の釜山の旅の旅行記。かなり間が空いてしまいましたが、二日目の様子をまとめてみます。
(初日の行程は下記の各記事に)
https://note.mu/ktnh/n/n402bfbf9a2b7
https://note.mu/ktnh/n/n8865b22ca28a
https://note.mu/ktnh/n/ne7aa523481e5

 ホテルの窓から、朝

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歩いて、見える、表情いろいろ。

歩いて、見える、表情いろいろ。

 何気なく歩く、その街。何気なく歩く、人たち。何気ないけど、面白いよなぁ、と思うのです。

 ごく普通の、街角。

 まちなかの、小川。

 飲み屋連なる、裏路地。

 これらの地点、ただ歩いているだけなら「ふ~ん」という状況で終わるかもしれません。まあ、それなりに、割とよくある光景です。
 しかし「ここの市は街路樹剪定が『坊主派』なんですよね~」とか、「この小川は数年前まで蓋をされてた『抜け道』

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嗚呼、金瓜石…

嗚呼、金瓜石…

 ちょっとショックなニュースが、Twitterのタイムラインに流れてきました。

 金瓜石!あの静かな山村だった金瓜石の街並みが、ペイントされている…、と悲しくなっていたのですが、どうやら私の思っていた場所とは違うようで。

 このたびペイントされてインスタ映えスポットぽくなったのは、金瓜石エリアのうち祈堂老街という集落で、ここは日本統治時代に金鉱で栄えた金瓜石・九份のうち、台湾人が中心となり造営

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はじめての台北 -地下鉄からの路地裏-

はじめての台北 -地下鉄からの路地裏-

さて、つらつらと書いております「はじめての台湾」紀行ですが、少し途切れましたが続きをば。

 地下鉄で郊外から都心部へと移動し、日本とは違う雰囲気を味わっていたのですが折角なら「日本にない規格」の路線にも乗ってみよう、ということでブラウンライン・文山内湖線へ。

 この規格、フランスで開発されたVAL方式で、ゴムタイヤを使う中型電車規格。日本の新交通システムや札幌の地下鉄と似た規格ですが、それらを

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何故か1泊することになった釜山 その3

何故か1泊することになった釜山 その3

 何故か想定外に1泊することになった昨年の釜山の旅。まちの歴史を見ておこうと、色々と廻ってみることにして、やって来たのが釜山鎮の街。
釜山鎮までの様子はコチラに。
https://note.mu/ktnh/n/n402bfbf9a2b7
https://note.mu/ktnh/n/n8865b22ca28a

さてこの釜山鎮の街は、紡績工場の立地だけでなく、鉄道のターミナルでもありました。

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