聞き上手は、簡単にはなれない

聞き上手ってのありますよね。

ですが

その実、聞き上手はほとんどいません。

もちろん、理由があります。

人間は承認欲求が強く
話すのが好きなので、聞き役にまわれる人は少ない。

それに、無理して聞き役にまわって
しんどくなったり
ストレスになったり
人間関係が嫌になったりする人と
精神科の外来で会うこともあります。

なぜ、聞き上手がほとんどいないのか。
以下に愚見を述べます。

①承認欲求を乗り越えられないから
人は、自分を見てもらいたい生き物です

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マズロー欲求段階でも
承認欲求は高い位置にある。

Instagram、Twitter、フェイスブック、ラインのタイムライン
SNSでは、承認欲求世界の塊ですよね。

あれだけ、みんな自分に興味をもってほしいのですよ。

自分のモーニングルーティン、こだわり、行きつけの店、料理、ファッション、仕事のスケジュール、使っているコスメ、

自分を見てほしい、気づいてほしい、認めてほしい、興味をもってほしい、関心を向けてほしい、、、

別に悪い事ではない。

子供の頃から、大人に自分を注意を向かせたい。そんな感情は人間の本能なのでしょう

でね。

そんな中、聞き役にまわれるってことは
この承認欲求という欲求を乗り越えてる
余裕がある人
圧倒的自信がある人

という事になります。

例えば、
モデルのように美しいプロポーションをもつ人や
彫刻のような整った顔をもつ人等は
小さい頃から、他人から圧倒的に承認されている事があります。

どこに行っても「かっこいい!」「かわいい~」「美しい、、」と他者に認められる事が当たり前で育つという経験。

そういう人は、他者に認めてほしいという欲求が満たされるので
余裕ができるんですよ。ガツガツしなくても良いんです。
それに、圧倒的な自信につながってるので
別に自分の話を聞いてほしい!とか認めてほしい!といった欲求は落ち着くのですよ。

が、それでも
承認欲求を乗り越えれる人なんてのは
一握りでしょう。

みんな、
何かしらコンプレックスがあり
消したい過去があったり
自信がないものです。

容姿が良くても、人間は欲深い生き物です

頭が良い事や、スポーツが万能である事や、アートのセンスがある事や

それらを自分で克服して、
自分に自信をもった人がはじめて、
相手の話を聞く余裕をもつのです。

ね? そういう人は、ほんとに少なくて当たり前。

みんな話を聞いていても、自分のコンプレックスやらが邪魔してやっぱり聞いてられなくなったりするのです。

②圧倒的な経験値がいるから

よく聞き上手と「傾聴」を間違う人がいます。

傾聴は、その人の話を邪魔せずに聞くに徹するだけで良いのでまだスキルとしては簡単です。

簡単っていうのは、言い方を変えると「質」を問われていないからです。

が、聞き上手ってのは「質」がかなり問われます。

例えば、サラリーマンしか経験していない人間は実業家の話を聞く事はできません。

コンテクスト(文脈)が共有できないからです。

働く場所というプラットフォームを、与えられた環境で従事するtypeと

自分の理想の働く場所というプラットフォームを、自ら創造するtypeの

言葉の文脈が一緒である事はありません。各々、悩む内容は全く違う。

やからこそ、実業家は実業家のコミュニティに属する事が多いのです。

お互いリスクをとって、文字通り命がけで勝負している者同士であるから、そこではじめて「文脈が共有」されるのです。

つまり、いくら相手の話を聞こうとしても「できない」のですよ

実業家とサラリーマンは例えですが、このように聞き上手になるには

たくさんの世界の常識やら、知識やらというのを経験している必要があります。

夜の商売の常識、違法業種の常識、暴力団の常識、精神疾患の常識、病院や学校という閉鎖組織の常識、実業家の常識、法曹関係の常識、芸能の常識、

ありとあらゆる経験をしている人間であるからこそ、はじめて

人の話を、<聞ける>のです

さっきも言いましたが、聞くってのは「うん、うん」とただ聞く事ではありません。

相手が何を話したいのか? 何を聞いてほしいのか?

その心情を読み取り、適切な質問や、対応や、発言を切り返す事です

これは、かなりの質を問われます。

みなさんも話をしていて経験ありませんか?

「う~ん。なんか違うなあ。。そういう意味じゃないんやけどなあ(;'∀')」

と文脈が伝わらない。言いたい事が伝わっていない。

1つ1つ意味を説明しないといけない。。

という事で

聞き上手には、やはり圧倒的な経験がいります。

そういう本質を考えずに、「聞き上手になろう」なんて言葉が横行するのは

いただけませんね





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