【愛着・AC 克服記録】Theory 2 愛着障害+アダルトチルドレン複合モデルで現代の精神疾患を定義し直す

コラム【愛着障害+アダルトチルドレン複合モデルで現代の精神疾患を定義し直す】(問題作です)

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 世の中の精神疾患って、症状とか、タイプ分けなどは盛んに行われていますが、「で、原因は?」と聞かれると、
「脳の機能異常の疾患です キリッ!」
「遺伝的な問題です!」
 で終わり。あまりにもわからなすぎるから、匙を投げてしまっているのです。逆に言えば、ここから僕が新しい理論を構築したとしても、匙を投げてる人は指を咥えて見ていることしかできないのです。
 でもね、喧嘩しないで仲良くやりましょうよ。アウフヘーベンしたら越えられるんですから。

 ただしこの理論は、僕 (酵母マン) という貴重な献体を隅々まで解剖してやっと見つけた理論です (n = 1)。そのため、"普遍性があるのか?" "再現性があるのか?" は誰もわかりません。これから実践する人は、いわば治験 = 人体実験のサンプルになるわけです。もしかしたら、戻ってこれないかもしれない。その覚悟がある方は、ぜひお試しください。

【 愛着障害+アダルトチルドレン複合モデルの概要
 まずは、この理論の説明文と、どうしたら解決できるかだけ、文字で書きます。その後、図で説明していきます (図は、別途コラムを設けて説明します)。

1. 愛着障害
1-1 発症原因
 愛着障害は、乳児期の親子関係、特に母と子の関係に起因して発症する。発症するかしないかを分けるのは、ただ1点、「母親が愛着障害か、否か」。母親が愛着障害でなければ、すなわち精神的に健やかな人であれば、その子どもも基本的には発症しない。一方、母親が愛着障害ならば、その子も、ほぼ確実に愛着障害を発症する。いわゆる回避型、恐れ型等のタイプ分けは養育環境等によって決まるもので、この苦しみの本質とはあまり関係がない。だから、克服の過程では、タイプが変わったりもする。乳児期に養育者が代わることで、愛着障害発症を免れるケースもある (海外の研究もある)。
 この愛着障害の最も恐ろしいところは、「乳児期に決まってしまう」こと、そして、「世代間でほぼ確実に連鎖する」こと。

1-2 症状
 症状は、端的に言えば「自分の軸を持てなくなる」こと。愛着障害を発症していない人が、"無自覚" に持っている、自分軸。愛着障害の人は、これを生まれながらにして既に失っている。自分の軸が無くなるとどうなるか?まず、「漠然とした不安」「自分の拠り所 = 存在意義の喪失」が起こる。その結果として、「何かに縋らなければ生きられない体質 = 依存体質」となる。

1-3 克服方法
 後天的に「自分の軸」を獲得すれば良い。その方法は後述していくが、アダルトチルドレン (以下 AC) を克服した人の中には、無意識にこの点の克服にも成功している人がいる。そういった人がどのような表現をするか?
「自分で自分を築いていけばいいんだ」「自分の中を何かが貫いているかんじがする」
 この方法は、克服記録 Part 8-10 あたりで説明する。
 自分軸の正体は、後ほど。

2. アダルトチルドレン (Adult Children = AC)
2-1 発症原因・メカニズム
 AC を発症するには、「愛着障害」を発症している、という前提が必要だ。ただ、AC もまた世代間連鎖することを考えれば、それはそうだよね、となる。愛着障害と AC の世代間連鎖の性質は、全く同じなのだ。
 愛着障害を発症した子どもは、乳児期から依存体質になっている。自分の拠り所 = 自分軸がないから。乳児が最初に依存するものは何か?それが「親」だ。
 依存とは、自分以外の何かによりかかって生きることだ。そのためには、「自分の意志を押し殺して、依存対象の意志に従う」ことが必要だ。だから、愛着障害の子どもは、親に依存するために、「自分の感情を殺して、親のいいなりなる」生き方を選ばざるを得ない。ここで殺した感情が、インナーチャイルドとして、成人後も成長しないまま自分の中に残り続ける。
 AC となった子どもはどうなるか?「他人に合わせるという思考回路 = 理性」だけを発達させて成長していくので、学校、クラス、部活、職場などの "環境" に自分を適応させることが、自分の存在意義となる。ここに失敗すれば、「適応障害」などに繋がる。
 AC の人が結婚して、子どもが産まれる。AC の人は、愛着障害も発症しているから、母親が愛着障害・AC だったら、その子どもも愛着障害になる。

 ここで一応、「感情」と「理性」を定義しておく。感情とは、自分が何をしたいのか?という意志で、方向は「自分 → 他」。一方、理性とは、他人が自分に要求・強制してくることに対処するための意志で、方向は「他 → 自分」。感情も理性も、適切に制御できれば、良い人間関係を築ける。

 親の毒性は関係無いのか?発症メカニズムとしては、関係がない。毒性が強い親 = 「毒親 (どくおや)」育ちでも、毒性は低いが愛情もない親  = 「塩親 (しおおや)」でも、根本は変わらない。ただ、毒親育ちの場合は、解毒の作業が大変になる。(注: [塩親] 愛の無い対応 = 塩対応、からの酵母マンの造語)。

2-2 症状
A. 依存体質
 細かく説明する必要もないが、「何かに縋らなければ生きられない」状態。仕事、恋人、家族、創作活動、支援活動、宗教。これらに依存している = 無くなったら自分という存在が保てない状況は、全て AC の産物。親の過干渉・過保護もまた、AC の依存体質の産物。
 もし、AC 同士が親密な関係を築けば、それは共依存、となる。
 また、依存対象に過剰に適応しようとして、過度なストレスが生物学的限界を超えれば、「うつ病 (急性)」を発症する。躁と鬱を繰り返す「双極性障害」は、自分の中に拠り所が無いために、安定していられない状態。自分軸を獲得しない限りは、一生治らない。
 何かに依存して自分の不安・飢餓感を満たすという点では「摂食障害」「過食症」が挙げられる。「浪費癖」もそう。根本原因は、同じ。

B. 自己の内部における感情と理性の分離
 AC の人は、幼少期に感情を成長させることを止めてしまっているため、自己の内部に、未成長の感情 (子ども) と、他に合わせるためだけに成長した理性 (大人) が共存している。このため、理性による抑制が解除されるような状態では、未発達な感情部分が露出する。アルコール摂取時の性格の豹変、家庭内での性格の豹変 (DV・虐待)、がその顕著な例。
 一方、自分の感情を常に抑制して、そのことにすら無自覚になるので、「自分が何をしたいのかわからない」状態になる。「無気力」、「生きる気力が出ない」「慢性的うつ病」とはこの状態。
 AC の人は、内部で断裂が生じている自分を、どのように周囲に適応させるのか?方法は2つ。1つは、自分の感情に従った行動をすること。しかし、自分の感情は抑圧されていて機能しないためできない。そのため、2つ目の手段として、他に合わせるためだけに行動する。「対人不安」「社会不安障害」などの人間関係の恐怖症は、"他人の意志" に自分の意識が囚われている状態。しかし、この辺りでとどまっているなら、まだ良い。この、理性主導の適応すらうまくいかなければ?今度は、「周囲の状態を自分に合わせる = 自分の認識を歪めて、自分の心理状態を現実世界に投影してしまう」という方に傾かざるを得ない。「過度な思い込み」「妄想」「幻聴」がその例。
 また、感情と理性の断絶が甚だしいと、「離人症」のように自分をメタ視点で観察する感覚に陥ったり、「解離性同一障害」や「二重人格」のように、互いが認識をすることすらできなくなる。「多重人格」とは、それぞれ1つだったはずの感情や理性すらも内部分裂している状態。
 この理論に従えば、「統合失調症」「境界性パーソナリティ障害」「自己愛性人格障害」すら記述可能になる。要はこれまで挙げてきた症状がミックスされた病気、と考えることができる。症状が、てんでバラバラな統合失調症も、その根本原因が愛着障害・アダルトチルドレンにあるならば、治療法は薬物投与ではなく、自己の内部の処理という方に意識が向いていく。


2-3. 克服方法
 AC は根本的に愛着障害に起因しているため、AC の完全克服には、愛着障害の克服も必須。しかし、AC の諸問題を全て解決しない限りは、愛着障害を克服する準備が整わない。ここでは、AC の諸問題の解決法に絞って説明する。

A. 愛着障害・AC であることの自覚 ー 認知行動療法
 あらゆる "心の問題" に関わる精神疾患が、愛着障害・AC に起因することを、しっかり自覚し、自分の内部に意識を向けるのが最初の段階。そこで有効な方法が「認知行動療法」。詳細は別途コラムで記載するが、とにかく "気づいていく"、これが愛着障害・AC 克服の過程だ。

B. 感情と理性の分離の認識、および現実的問題の対処法
ー 「今、ここにいる」法 ー

 認識行動療法を経て、自分が愛着障害・AC であることを自覚したら、次は自分の内部で分離が起きていることを認識する。
 ここで習得したい技術が「今、ここにいる」法。今後の克服の過程は、かなり感情面・身体面の負荷が大きくなったり、過去の出来事に意識が飛んで辛くなる。それを対処するための方法。詳細は、克服記録に記述してあるが、呼吸を整えて、現実に戻ってくる。

C. 解毒作業の準備 (毒親育ちには必須、塩親育ちは適宜)
 克服作業に入る前段階として、「トラウマへの対処法」を身につける必要がある。虐待・性被害等、思い出すこと自体が精神的苦痛を伴い、限界で耐えられないならば、まずはその弱毒化などの行程が必要だろう。
 ここは、僕 (酵母マン) にはわかりません。僕は塩親育ちだからです。ごめんなさい。ただ、克服の過程では、こういった傷に直面するので、かなりの覚悟が必要になります。こういった技術は臨床心理士や精神科医の方々のほうが豊富な知識をお持ちだと思うので、そちらを参照。

D. 感情と理性の分離の解消 ーノート療法・親の追体験ー
 克服に向かう覚悟ができたら、感情と理性の分離の解消に向かう。ここが一番辛い。
 有効な方法は、ノート療法。詳細は別途コラム or 克服記録に記述するが、「実際に手でペンを握って、ノートに書く」ことそのものが重要。ノートに書くことで、理性主導になった自分の思考回路から抜け出して、感情側の主張の場を提供する。スタイルとしては、二者の対話。心の中に第三者を設定して、どちらかを評価するのではなく、感情と理性が互いにしっかり理解しあう。

 もう一つ重要なことが、「親への憎悪の解消」。
 ここで躓くために、多くの AC が克服が進まない。親への文句をいくらたれても、克服はできない。もし、親との物理的距離が近い場合 (同居・頻繁に会う等)、まずは一時的にでも離れたほうが良い。親への憎悪は、ノートにどこまでも、延々と書き続ける。手が疲れて書く気がなくなるまで。そうすると、「憎悪しているだけでは何も進まない」ことに気づく。
 その次は、「親の追体験」。親自身も愛着障害・AC だから、出生歴、学歴、恋愛歴などの断片的情報があれば、親を追体験できる。ノート療法で感情と理性の溝が埋まって一体化が進んでいれば、この作業はとても苦しい。親の苦難の人生への感情移入と、途中から登場する子供の自分のモブ感に、感情がピークに達してしまう。とても人前ではできない作業だ。これを経ると憎悪が薄れ、親への感情は「哀れみ・悲しみ」に変わる。

E. あらゆる依存関係の精算
 親との精神的確執が対処できたら、現在の自分の依存状態に目を向ける。恐らく、あらゆる物事に依存していることに気づく。それらとの関係を現実世界で断つ必要はないが、自分の中で一旦精算することが大事。
 「あぁ、自分は、この依存しているものが無くなるのを恐れるから、必死にしがみついているんだ」
 このような意識に至れば、精神的に他人によりかかっている状態から離れ、「自分は何にもつながっていないのだ」という状態に至る。
 この時の感情は「何かに対する飢え」と「虚無感」。とにかく、何でもいいから、自分を愛してほしい。自分に存在理由を与えてほしい。でも、ここで逃げたら、少しでも嘘をついたら、地獄に逆戻り。飢えと孤独をただただ、耐える。

 ここまでが、AC 克服。
 ここまでの作業を、どこまで突き詰めてできるか、過去の自分をどこまで成仏させられるか。それが、この後発見する「自分軸」の有り難さに直結する。逃げても甘えても、ダメ。

3. 「自分軸」とは何か?
 端的に言えば、「自分の人生を歩む時間軸」だ。
 なぜ、今ここに自分がいるのか?今までの依存体質ならば、他に存在意義を求めなければ解消できなかった。それは、「自分軸」という概念すらなかったから。
 しかし、今の質問に、「自分軸」という観点から返答するとどうなるか?
 それは、「今ここに自分が存在するのは、少し前の自分がいたから」

 それはそうだ。でも、今までは気づけなかった。

 ここに気づければ、「生きる」という感覚も自然と理解できる。
 「現在の自分が存在するから、将来の自分の姿がある。現在の選択が、将来の自分の姿を決める。」
 これが自分軸 = 時間軸の正体だ。

 つまり、愛着障害・アダルトチルドレンを克服した状態というのは、「自分の将来について考えられるようになる」ということ。この時点では、自分の周囲の状況が好転したわけでもないし、親の強毒的な態度も変わらないし、発達障害や自閉症などの "身体の問題" 由来の辛さが変わったわけでもない (僕はどうやら、ADHD のようです。乗り越えちゃったら、頭が止まらなくなって、文章書くのが楽しくてたまらない笑)。でも、自分の中に "軸" を作ることはできた。

 ここからは、自分の未来を築いていく人生です。最初は対人コミュニケーションのスキルも低いし、自分の意志を表明していく技術も拙い。でも、この先はどれだけ躓いても、自分の軸を確立できているから、戻ってこれる。戻ってこれる場所があれば、積極的に外に出ていける。心が辛くなっても、それを独力で対処できる技術も身に着けている。生きる力が湧き出て止まらない、そんな人生を送りませんか?
 皆さん、自分で自分を救ってください。

 ちなみにいうと、精神疾患を患っている状態の本質は、「自分の時間軸が過去に向いている状態」といえます。昔の辛い経験、黒歴史、トラウマ、家系の問題など、過去の問題にばかり目が向いて、自分自身が未来を向いて進めていなかったわけです。この方向転換。180度向きを変えれば、人生楽になるんです。

そういえば、愛着障害の人が本質的に飢えている "愛情" はどうなったのか?
その謎の解明と理論の証明も済んでいます。
そのうちちゃんとまとめますが、Twitter 版を見ればわかります。

 愛着障害・アダルトチルドレン複合理論の詳細なメカニズムは別途コラムに譲りますが、克服理論の骨子は以上です。


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