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【待ちの姿勢では仕事は来ない】仕事をもらうためにライターがすべきこと12選(2013年12月号特集)


まずは名刺から

 まず名刺を作りましょう。パソコンで制作してもいいですが、地味な会社のシンプルな名刺みたいなのはいただけません。渡した人の印象に残らないと。
 名前は本名でいいですが、できれば写真も添え、「とにかく早い」などキャッチコピー的なセールスワードを入れます。
 裏面に得意なジャンルや自分の趣味を書いておくと、意外なところから仕事が舞い込むかもしれません。

ブログやSNSは必要?

 もちろん、必要です。「旅行ライター睦月のお仕事」といったブログがあれば、関係者が見るかもしれませんし、名刺に書いたアドレスを見て訪問してくれるかもしれません。

 その際、プライベートのブログとは分けておくほうが得策です。見る人も、余計なことまで読まされなくて済みます。
 なお、必要なスキルがある人には、ブログよりホームページをお勧めします。

公言するという方法

 家族や友人など、会う人ごとに「ライターになりました」「ライター始めました」と公言し、「お金はないけど暇はあります。どんな仕事でもたいていのことはこなします」とPRしましょう。飲み会などの集まりにはなるべく参加し、名刺をまきます。
 そして、仕事が舞い込んだら、断らない。可能な限り対応する。ただし、怪しい仕事は除きます。

守備範囲を伝える

 「何が得意か」と聞かれたとき、「なんでもできます」と答えるのは、印象としては「なんにもできない」と言ったのと変わりません。具体的に、得意分野を伝えましょう。

 得意分野といっても、他人より少し詳しいといった程度でかまいません。今までやってきた仕事、趣味、特技などでもOKです。掃除も育児も他人より詳しければ、それも守備範囲になり得ます。

特徴を出す

 「仕事は早く、丁寧で、人間的にも温和でトラブルは少なく……」と長所がたくさんあるのはいいですが、全部伝えようとすると印象はぼけます。
 それより、「とにかく仕事が早い」のようにポイントを絞り、一点で売り込む。要は、企画が持ち上がったとき、編集者が「○○さんに頼もう」と思いだすようにしておくこと、そして、名ばかりではなく、実力も伴っていることです。

どこに売り込むか

 雑誌、新聞、WEBサイトなど文章が載っているものはすべてチェックしたいですが、自分が好きな雑誌やジャンルを狙ったほうがPRもしやすいでしょう。
 しかし、映画、音楽、旅行、アニメ関係は人気も高く、専門ライターも多いようです。また、女性誌は閉鎖的で外部のライターを受け入れないという噂も。これ以外の媒体で、ライターが仕事していそうな媒体を狙うのがいいようです。

ライター募集を探す

 巻末などで「ライター募集」というかたちで売り込みを受け付けている雑誌もあります。WEBやSNSにも「ライター募集」はあります。
 WEBには、ライター募集に特化したマッチングサイトもあり、そこに登録して仕事を待つという手もあります。
 ただ、登録すると2000字100円といった激安の仕事が来ますが、それはお断りしましょう。

売り込みの方法とは?

 今の時代ですと、メールということになります。FAXや郵送でもいいです。ただ、ホームページやブログに誘導したいならメールのほうがいいでしょう。

 メールの場合、最初から資料を添付する場合と、「詳しいプロフィールをお送りください」と言われてから送る場合とがありますが、どちらでもかまいません。アポなしで会いに行くのはNGです。会ってはくれても歓迎はされません。

実績があれば話は早い

 売り込みをするとき、過去に手掛けた実績があると強みになります。「A誌の○○コーナーを担当している」のように書き、その現物、またはコピー、あるいはURLなどを添えれば話は早い。

 実績はWEBでの仕事でもいいですが、WEBより新聞・雑誌、新聞・雑誌より書籍のほうが評価は高くなります。
 出版社や編集プロダクションでの編集経験のある人は、これも相当の強みになります。編集経験者であれば編集の知識もありますし、企画も立てられますから、もしかしたらライター実績よりものを言うかもしれません。

企画ごと売り込む

 ある程度の実績を積んだら、企画ごと売り込むという手もあります。「このページを書かせてください」ではなく、「こんなページはどうですか。よろしかったら私書きますよ」と売り込むわけです。
 編集者としては願ったり叶ったりでしょう(その分、企画だけ盗まれる可能性もなくはないですが)。

ただし、いくつか条件があります。
※予算も含め、実現可能なもの。
※過去に実現済みでないもの。
※ニーズに合った新しいもの。
これをやるには、日頃から相手のことをよく研究しておく必要がありますね。

未経験者の売り込み

 ライターの仕事をまったくやったことがない、出版関係の仕事をしたこともないという人が売り込む場合は、実績にかわる何かを用意しなくてはなりません。
 というと、作文コンクールで入賞した経歴とか、趣味でやっているエッセイ同人誌とかを見せたくなるかもしれませんが、まず効果はありません。文章の種類が全然違うからですね。

 それより、売り込みをする雑誌の一ページを見て、サンプル原稿を作って添えましょう。その際、文体や表記、トーンはその雑誌の流儀に合わせます。
 よく知っている媒体、愛読している媒体のほうがやりやすいかもしれません。

次につながる断り方

 売り込みをすると、思わぬときに思わぬ話が舞い込んできたりしますが、初回は絶対に断ってはいけません。なんの実績もないあなたに依頼してくるぐらいですから、よほどいい人か、それとも困っているかでしょう。いずれにしても、期待には応えないといけません。

 ただ、今の能力ではまず無理と思ったら、素直に「○○についてはあまり詳しくないのですが」と言っておきましょう。
 やむを得ず断る場合は、以下の三点をセットにして丁重にお断りします。

  1. 本当はやりたかった企画である。

  2. しかし、今はできない事情がある。

  3. 次の機会にぜひお願いします

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※本記事は「公募ガイド2013年12月号」の記事を再掲載したものです。

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