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VUCA時代に求められるスキルは中国古典で学ぼう(『詩経』邶風・匏有苦葉篇)

今回取り上げるのは『詩経』邶風・匏有苦葉篇からの言葉。

深きときは厲し、浅きときは掲す
(読み:フカきときはレイし、アサきときはケイす)

『詩経』邶風・匏有苦葉篇

川が深いときは衣全体をまくり、川が浅いときは裾だけをまくって渡る、という意味。

歴史や時代の流れは川に例えられますが、川を渡るのにも色々な方法があります。

深ければ服が濡れないように気をつけなければなりませんし、浅ければ靴を脱いで裾をまくるだけで良いかもしれません。

いつの時代も、その時々の流れに応じた在り方というものがあります。

つまり、世の中の変化に合わせて適切な態度を取りなさい、ということですね。


今の時代は変化の早い激動の時代です。

その予測困難な様から、以下の頭文字を取ってVUCA(ブーカ)時代とも呼ばれます。

  • Volatility(変動性)

  • Uncertainty(不確実性)

  • Complexity(複雑性)

  • Ambiguity(曖昧性)

AIの発展やコロナの影響などにより、今まで当たり前だった価値観や手法は通用しなくなってきています。

特に仕事周りでの変化は著しく、AIの進化に伴って新しい職業が生まれたり、リモート勤務も働き方の一つとして定着しました。

今では転職も当たり前ですし、在学中から起業したりインターンに参加したりする学生さんも増えてきています。

新たな時代の大きな流れがきているのです。

そんな時代に大事なことは、状況の変化に応じて柔軟に対応するスキルです。

技術の発展は凄まじく、昨日まで当たり前だったことが明日は古くなっているかもしれません。

状況が目まぐるしく切り替わるため、これまでの手法や考え方にこだわっていては時代の流れに置いて行かれてしまいます。

決まりきった答えも存在しないため、私たちはその場その場で適切な対応を検討して行動しなければなりません。

そのためには、目の前の状況を正確に把握する力と、これまでの常識にこだわらない柔軟な思考が大切になってくるのです。

深きときは厲し、浅きときは掲す
(読み:フカきときはレイし、アサきときはケイす)

『詩経』邶風・匏有苦葉篇

目の前の川は深いのか、それとも浅いのか?

服が濡れないようにするためにはどうしたらよいか?

これからは、そういった状況を観察して柔軟に対応するスキルが求められてくるのだと思います。

今こそ、中国古典から多くのことを学ぶことができるのではないでしょうか?


中国古典が初めてという方には、分かりやすい現代語訳・原文・解説で楽しく読める「ビギナーズ・クラシックス」シリーズがおすすめです。


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