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京都サンガF.C. 補強診断〜チーム別補強診断#12〜

こんにちは。
Jリーグも開幕してから数ヶ月が経ち、すでに前半戦が終わり、チーム状況を見直しての目標の再設定が行われています。
そこで、「チーム別補強診断」シリーズでは、2022シーズン開幕に向けた各チームの補強に関して、現時点までの成績などを踏まえ評価を行っていきたいと思います。
その上で、各選手の補強診断を『S』から『D』の5段階で評価をし、最後はチーム全体の総括も行おうと考えています。
これまでのシリーズ同様、上位カテゴリーから、北から行います。
第11回となる今回は、京都サンガF.C.編です。
なお、すべての情報は6月16日時点となるので、ご了承ください。
また、試合出場などのスタッツは、transfermarktを引用します。

補強動向

改めて、今オフの京都さんがF.C.の補強動向を振り返っていきましょう。

なお、この表は以前の記事『2022Jリーグチーム別考察#14 ~京都サンガF.C.編~』に記載されている表になります。
この表に記載されていない移籍情報は以下の通りです。
【OUT】
 松原修平 →北海道コンサドーレ札幌(完全移籍)

*松原選手は今季加入した上での移籍ですので、今回の記事で言及する予定はありません。

試合結果

選手個人個人の試合での出場データなどをみる前に、まずはチームとしてのここまでの成績を見ていきましょう。

J1リーグ

ルヴァンカップ

天皇杯

個人スタッツ

それでは、ここからはオフの移籍市場で加入した選手をポジション順に(GKから)見てきましょう。

①上福元直人(←徳島ヴォルティス)

試合スタッツ

・Jリーグ

・ルヴァンカップ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 東京ヴェルディの守護神としてJ2で活躍した後、昨季は、J1の徳島ヴォルティスで守護神として活躍しましたが、チームのJ2降格に伴い、新天地を求めました。
 京都サンガとしては、昨季は若原選手がスタメンとなっていましたが、まだ若い選手でJ1での経験がないという面を含め、J1での実績があることや、実力が折り紙付きであることからも、「主力候補」としての獲得と言えるでしょう。

考察

 開幕戦からスタメン出場を果たすと、3試合を除きリーグ戦でスタメン出場を果たしています。第3節のジュビロ戦で前半に退場処分を受けると、その後リーグ戦2試合は出場機会がありませんでしたが、その後はまたレギュラーに返り咲きを果たしています。
 シーズン途中からウッド選手も合流し、激しいポジション争いの中でも主力の座を掴みつづていることは非常にポジティブなものでしょう。

評価

 評価は『A』としました。
 主力候補としての獲得で主力して出場機会を掴んでいることは、「期待通り」と言えるでしょう。しかし、昨季主力の若原選手に加え、ウッド選手も加入し、非常に激しいポジション争いの中で、主力の座を手放さず、高いセーブ率を記録しているなど、活躍ぶりは期待値を上回っているでしょう。

②マイケル・ウッド(←アルメレ・シティFC)

試合スタッツ

・Jリーグ

・ルヴァンカップ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 ニュージーランド出身の選手で、A代表の他、年代別代表で東京五輪にも参戦していた選手で、196cmと非常に大柄な選手です。
 イングランドやオランダでプレーをしており、オランダのアルメレ・シティFCでプレーをしており、オランダの2部リーグに相当するケウケン・カンピウーン・ディヴィジでは、負傷離脱などでの試合を除き、全試合(12試合)に出場しており、Jリーグでも主力の座を掴むことを期待されていると言えるでしょう。
 年齢を見ても、若原選手と1歳差であり、この年齢の近い2人でハイレベルなポジション争いを将来的に繰り広げることを期待されているでしょう。

考察

 Jリーグでは、控えやベンチ外となっており、出場はルヴァンカップ2試合と天皇杯の3試合のみで、現状は3番手と言えるでしょう。
 守護神の上福元選手の他、若原選手とのポジション争いにも敗れてしまっており、現状はかなり期待はずれと言えます。

評価

 評価は『D』としました。
 新型コロナウイルスのプロトコルにより、合流が遅れてしまったと言う部分はありますが、一方で現役のNZ代表でオランダ2部で主力であったことから期待値が非常に高い選手でしたが、全く試合に絡めていません

③アピアタウィア久(←ベガルタ仙台)

試合スタッツ

・Jリーグ

・ルヴァンカップ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 流通経済大学から当時J1のベガルタ仙台に加入すると、一年目から安定した出場機会を掴み、若い、経験不足ゆえに、致命的なミスもありましたが、仙台で合計41試合に出場しました。
 チームのj2降格に伴い、今季よりJ1に昇格した京都サンガに加入しました。J2とJ1では攻撃陣の特徴が大きく異なるため、J1経験のある選手がDFにいるかいないかと言うのは非常に大きいです。
 バイス選手の退団をあったので、J1経験者として守備の要になることを期待されていると言えるでしょう。

考察

 開幕戦よりスタメン出場すると、第6節から第10節は5試合連続でスタメンを外れますが、他の多くの試合ではスタメン出場を果たしており、しっかりと主力になっていると言えます。
 出てない試合の方がチームが勝利しているのは若干気になりますが、それでも、加入一年目から主力となっていることは評価できるでしょう。

評価

 評価は『B』としました。
 主力となることを期待されての獲得ですので、ここまでの試合出場、パフォーマンスは期待通りと言えるでしょう。
 現状は、「主力」ではありますが、「欠かせない選手」であるかと言えばそうではなく、そうなることが目標になるでしょう。

④メンデス(←ヴァンフォーレ甲府)

試合スタッツ

・Jリーグ

・ルヴァンカップ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 栃木SCやヴァンフォーレ甲府でJ2での経験を積んできた選手で、一時は所属クラブがない状態に陥りましたが、それでも昨年のヴァンフォーレ甲府では主力として君臨し、J2屈指のDFとなりました。
 身体能力が高い選手で、バイス選手が退団してしまった中で、よりスピードの優れるメンデス選手が後釜となるでしょう。4バックの際には「準主力」、スリーバックだと「主力」となることが期待されているでしょう。

考察

 開幕から5試合連続でスタメン出場をはたしましたが、その後は控えとなることが多く、スタメン出場の機会が大きく減っています。
 ルヴァンカップや天皇杯でも出場機会を掴んでいますが、それでも、「準主力」級の活躍と言えるでしょう。一方で、自身初のJ1の舞台と言うことを考えると、及第点と言えるでしょう。

評価

 評価は『B』としました。
 自身初のJ1となる中で、半分以上の試合に絡んでおり、多くの試合でメンバー入りしている現状は、当初期待されたいた期待値以上とは言い難いですが、期待値以下でもなく、及第点といえるでしょう。

⑤井上黎生人(←ファジアーノ岡山)

試合スタッツ

・Jリーグ

・ルヴァンカップ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 プロ入りはJ3のガイナーレ鳥取でしたが、J3屈指のDFになると、J2のファジアーノ岡山へ。今度は、岡山でJ2屈指のDFになり、J1に昇格した京都サンガに移籍しました
 J2屈指のDFで、他人能力に優れている他、ビルドアップ能力にも優れている選手です。
 今季は、同時にメンデス選手、アピアタウィア選手も加入しており、これらの選手とポジション争いをする中で、まずは「準主力」としての獲得が期待されているでしょう。

考察

 リーグ開幕直後は、なかなか試合に絡むことができていませんでしたが、それでも第6節のヴィッセル神戸戦でリーグ戦初スタメンを果たすと、その後は5試合連続でスタメン出場を果たすなど、徐々にチームの中で立ち位置を掴んできました。
 また、リーグ戦第12節の北海道コンサドーレ札幌戦、ルヴァンカップのグループリーグの柏レイソル戦2試合では守備的MFで出場しており、徐々に新境地を開拓している印象です。

評価

 評価は『B』としました。
 当初、活躍を期待されていた「準主力」としての活躍はできており、加えて守備的MFとして新境地を開拓したことを考えると、「期待値通り」と言えるでしょう。

⑥白井康介(←北海道コンサドーレ札幌)

試合スタッツ

・Jリーグ

・ルヴァンカップ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 昨季は、期限付き移籍で京都サンガに加入しており、今季より完全移籍に移行しました。
 昨年は、34試合にメンバー入りしましたが、スタメン出場は11試合のみと、狩猟とは言えませんでした。今季は、昨季同様、飯田選手とポジション争いをすることが求められているでしょう

考察

 昨季は、飯田選手とのポジション争いに敗れてしまい、右サイドバックとしてのスタメン出場の機会は7試合のみと厳しい結果になってしまいました。今季は、飯田選手がほとんどの試合でベンチ外となっている中で、白井選手が多くの試合でスタメン出場を果たしています

評価

 評価は『A』としました。
 昨季の出場試合ベースで考えると、今季もあまり多くの出場試合が見込まれる状況ではなかったと思いますが、完全に主力となり、チームにとって欠かせない選手となりました。この働きは期待値以上と言えるでしょう。

⑦金子大毅(←浦和レッズ)

試合スタッツ

・Jリーグ

・ルヴァンカップ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 湘南ベルマーレでプロ入りし、現在は京都サンガを率いる曹貴裁監督の元、湘南スタイルを体現する泥臭いボランチとして多くの試合に出場しました。
 昨季は、浦和レッズにステップアップ移籍を果たしましたが、あまり出場機会を掴むことができず、恩師とも言える曹貴裁監督率いる京都サンガへ移籍しました。
 曹貴裁監督のサッカーを知っているということに加え、J1経験のある選手として多くの試合に出場することが求められているでしょう。一方、川崎選手、武田選手など昨季の主力選手は残留しているので、「主力」ではなく「準主力」程度の出場機会が期待値でしょう。

考察

 開幕戦の浦和レッズ戦は、契約の関係でベンチ入りが叶いませんでしたが、一方で、第2節で新天地デビューを果たすと、その後は、リーグ戦で半分程度の試合でスタメン出場を果たしています。
 ルヴァンカップでも8試合中7試合に先発出場しており、「準主力」として求められている活躍は十分に果たしていると言えそうです。

評価

 評価は『B』としました。
 しっかりと、「準主力」としての活躍を果たしており、求められている最低限のタスクはこなしていると言えるでしょう。一方で、スタメン出場の機会は半分程度で、期待値以上かと言えばそうではないでしょう。

⑧田中和樹(←法政大学)

試合スタッツ

・Jリーグ

・ルヴァンカップ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 最前線でのプレーや、左ウイングでのプレーを得意としている選手で、法政大学時代は、スタメン出場の機会は少なかったですが、それでもジョーカーとして貴重な役回りを果たしていました
 FC東京のU23でJ3リーグ3試合に出場経験があり、Jリーグデビューは18歳だが、プロ入りは22歳という少し珍しい経歴の持ち主です。
 タイプとしては、マルティノス選手に近いような選手であり、一年目から主力などというよりは、ジョーカーとして出場機会を掴みたいです。

考察

 リーグ戦でのメンバー入りの機会はありませんが、それでもルヴァンカップや天皇杯では多くの試合に出場しており、大卒一年目として最低限の成績を残していると言えるでしょう。
 今後は、リーグ戦でジョーカーとして出場機会を得たいところです。

評価

 評価は『B』としました。
 大卒一年目としてここまでの成績は「最低限」と言えるでしょう。特段素晴らしいわけでも、ダメなわけでもなく、「The 及第点」と言えそうです。

⑨マルティノス(←モンテディオ山形)

試合スタッツ

・Jリーグ

・ルヴァンカップ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 浦和レッズ、ベガルタ仙台、モンテディオ山形とJリーグでも10試合程度の出場経験がある選手で、Jリーグ屈指の個を持った選手と言えます。
 ベガルタ仙台退団の経緯など、何かと問題が多い選手ではありますが、昨年8月にJ2のモンテディオ山形に加入すると、13試合に出場し1ゴール3アシストを記録し、「サッカーの楽しみを思い出した」(本人談)といい、J1の京都へ移籍し、1年半ぶりにJ1復帰となりました。
 J1でも十分に通用する「個」を持った言える選手ですので、途中出場から違いを生むなどという面も含め、「準主力」程度の出場が期待されていると言えそうです。

考察

 リーグ戦では、第7節と第8節で連続で途中出場を果たしましたが、そのほかの試合では出場できておらず、ベンチ入りすら叶っていません。
 ルヴァンカップでも3試合に出場していますが、スタメンは1試合のみで、年齢的な面やルヴァンカップで敗退した現状を考えると、非常に厳しい状況と言えそうです。

評価

 評価は『D』としました。
 素行面にいろいろありますが、規律を重んじる曹貴裁監督の元、更正し、J1での実績、経験もある選手ですので、J1残留を果たす上での重要なピースになるかに思いましたが、現状は期待はずれと言えます。

⑩大前元紀(←ザスパクサツ群馬)

試合スタッツ

・Jリーグ

・ルヴァンカップ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 かつては、ドイツでのプレー経験もあり、J1での大宮アルディージャでも活躍していましたが、大宮を契約満了で退団した後は、J2のザスパクサツ群馬で2年間プレーしました。
 2年間で70試合以上に出場しており、しっかりと主力として試合に絡みました。その活躍や、J1でのプレー経験があることなどを評価されたJ1の京都サンガに移籍をしました。
 一方で、主力級の選手を多くチームに残した京都サンガですので、まずは、昨季レギュラーであったウタカ選手などとポジションを争い、「準主力」での活躍が期待されているでしょう。

考察

 開幕戦の浦和戦で途中出場で京都サンガデビューを果たすと、第2節から第10節までは出場機会がないどころか、ベンチ入りすらできていませんでした。しかしながら、ルヴァンカップを中心に多くの出場機会を掴んでいます
 一方で、リーグ戦では4試合に出場(いずれも途中出場)となっており、「準主力」としての活躍ができているかと言えばそうではない印象です。

評価

 評価は『C』としました。
 「準主力」の活躍が期待されていた中で、この程度のプレー機会はあまり芳しくなく、どうしても期待通りとは言えません。一方で、ルヴァンカップで多くの出場機会を掴んでいるということは、『D』ではなく、『C』評価にしました。

⑪豊川雄太(←セレッソ大阪)

試合スタッツ

・Jリーグ

・ルヴァンカップ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 鹿島やセレッソ、ベルギーでもプレーしていた選手で、セレッソでは、大久保選手や加藤選手、アダム・タガート選手との激しいポジション争いに勝つことはできず、多くの出場機会を得ることはできませんでした
 しかしながら、持っている実力派折り紙付きで、ファジアーノ岡山でのJ2経験に加え、鹿島、セレッソでのJ1経験や年代別日本代表経験のある選手ですので、多くの出場機会を得れば素晴らしい結果を残す可能性もあります。
 J1に上がってきた京都サンガとしては、得点源のウタカ選手、イスマイラ選手のナイジェリア人コンビに加え、新たな得点源として「準主力」としての働きが期待されているでしょう。

考察

 開幕から3試合連続でスタメン出場を果たしましたが、第6節以降は脳震盪による離脱もありましたが、第13節まで出場時間を掴むことができませんでした。
 その後も、スタメン出場はなく、なかなかスタメンで起用されるまでには至っていません。主力のウタカ選手の調子がいいというのもあるとは思いますが、それでも途中出場を中心にもう少し出場機会を伸ばしてほしいと思います。

評価

 評価は『C』としました。
 働きぶりだけを見れば『D』でもいいのかと思いましたが、脳震盪による離脱という止むを得ない事情があったことを踏まえると、『C』が妥当かなと思います。

⑫山崎凌吾(←名古屋グランパス)

試合スタッツ

・Jリーグ

・ルヴァンカップ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 名古屋グランパスから加入した山崎選手ですが、名古屋グランパスに所属する前には、湘南ベルマーレに所属しており、曹貴裁監督と共闘した経験もあります。そのため、曹貴裁イズムを熟知している選手の一人と言えるでしょう。
 豊川選手と同様に従来の得点パターンではなく、新しい得点源となることが期待されており、同じく「準主力」程度の活躍が期待されているでしょう。

考察

 リーグ戦では、8試合にベンチ入りしており、7試合に出場していますが、FWととしてほしい「得点」という形での結果を残すことはできていません
 先日の天皇杯で2得点を挙げたことはポジティブな印象ですが、ここまでの働きぶりは期待値通りとはいかないでしょう。

評価

 評価は『C』としました。
 多くの試合で途中出場から試合に絡んできており、チームの中で存在感は見せていると思います。一方で、FWとして大事な「得点」という形での結果がないことは懸念点でしょう。

全体評価

それでは、全選手の評価を振り返っていきましょう。

上福元直人 A
マイケル・ウッド D
アピアタウィア久 B
メンデス B
井上黎生人 B
白井康介 A
金子大毅 B
田中和樹 B
マルティノス D
大前元紀 C
豊川雄太 C
山崎凌吾 C

以上のことを踏まえた総合評価は以下のとおりです。

全体評価は「C」としました。
 ひさしぶりにJ1の舞台に挑む京都サンガですが、J1での残留を果たすために多くの選手を獲得しました。一部の選手は主力となり、試合に絡んでいる一方、ほとんど試合に絡めていない選手もいるということで評価は低くせざるを得ず、『C』としました。

最後に

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