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クラブ別戦力評価#15 ヴィッセル神戸

記事編集日:2023年1月31日

みなさん、こんにちは。
本日より、2023シーズン開幕に先立ちまして、昨年も行いました戦力評価を行っていきたいと思います。
すでに、2023年に入り、各クラブが新体制発表、キャンプインなどという状態になってきました。
「クラブ別戦力評価」の第15回は、ヴィッセル神戸編です。
評価軸としては、「GK」から「FW」の各ポジション、そして「その他」として監督などのスタッフや継続性を「SS」「S」「A」「B」「C」「D」「E」の7段階評価をしていきたいと思います。

移籍市場

ここまでの、移籍市場の動きを振り返っていきましょう。
画像は、Jリーグ公式の移籍情報ページのキャプチャになります。

<考察>

 このオフの神戸は、少し心配になるくらいスロースターターでした。
 飯倉選手の契約満了や小林選手のセルティック移籍などは早めに決定したものの、年内の加入が新卒選手と本多選手、井出選手のみもすると、例年大物選手を獲得する神戸にしては非常に静かなオフを過ごしました。

 小林選手が退団したセンターバックには、夏より期限付き移籍で加入していたマテウス選手を完全移籍に移行することに成功しました。
 その他の退団選手のうち、主力級と呼べる選手は少なかったということもあり、即戦力級を大量に補強するというよりは、若手を多く獲得する方針へ舵をきりました。

 一方で、セカンドGKであった飯倉選手が対談したGKは、ブラジル人のウーゴ・ソウザ選手の獲得に迫っていたようですが最終的には破談しました。
 別のブラジル人GKがキャンプに参加しているという情報もありますが、この記事を執筆している段階での公式発表はありませんので、そこの人数は懸念点です。

評価

GK

最初にGKです。

 昨季もレギュラーであった前川選手が今季も所属しており、第一候補は間違いなく前川選手です。

 昨季の終盤戦に出場した坪井選手や、控えGKとして豊富な経験のある廣永選手も在籍していますが、いずれの選手もJ1での経験という面では不安要素が残ります。
 くわえて、ウーゴ・ソウザ選手の獲得にクラブが動いていたというように、現状の戦力値でクラブが満足しているのかといえばそうではなく、新たなブラジル人GKの獲得が公式発表されていない現時点では評価を低くせざるを得ないのではないでしょうか。

 そのため、評価は『C』としました。

DF

 DF面での大きな動きで言うと、小林選手がスコットランドへ移籍した他、槙野選手が引退を決断したことで、人数的な不安が多くなっています。
 昨夏に加入し、瞬く間に主力になったマテウス選手を完全移籍に移行できたことは、非常にポジティブな印象ですが、昨季はボランチでの出場も多かった大崎選手を最終ラインに持ってこないと回らないのではないでしょうか。

 また、ベテランの本多選手は昨季まで櫻内選手が担っていたような役回りになりそうです。

 昨季の失点数は41と上位とも十分に渡り合える成績であったことも踏まえると、DFの実力的な不安は少ないでしょう。
 一方で、人数的な不安は残りますので評価は平均値の『B』としました。

MF

 次に、MFです。

 昨夏に橋本選手がスペインに移籍していますが、そもそも昨季はサンペール選手が負傷離脱していたこともあったので、人数的にとても不安というわけではありません。

 負傷離脱明けとなるサンペール選手に関しては、どの程度のコンディションに戻ってきているかが不明であることが懸念点ですが、ボランチのポジションには昨季はガンバ大阪でプレーした齋藤選手を獲得しており、戦力値的には問題ないでしょう。

 また、山口選手も健在で、サンペール不在時は齋藤選手とダブルボランチを組みそうです。

 ベテランのイニエスタ選手は、今季も在籍していますが、おそらく現役ラストイヤーになることや年齢的な面も踏まえると、シーズンを通して良いパフォーマンスを維持するのは至難の業で、若手の台頭が期待されます。

 泉選手や浦選手など将来性豊かな若手選手も多く獲得していますが、現在は徳島でプレーする櫻井選手がそうであったように初年度が燻銀の活躍をすることは考えにくく、不安が残るスカッドであると言えます。

 退団選手に目を向けると、郷家選手の退団は非常に大きいです。
 中盤のポジションであればどこでもこなすことのできるマルチプレーヤーでしたが、器用さがゆえになかなか主力に定着することはできず、今季より仙台に”復帰”することとなってしまいました。
 ある種、「便利屋」としての起用法が可能であった選手であるだけに、退団は非常に痛手と言えるでしょう。

 他にも、主力になり切ることができなかった井上選手や小林選手が退団、移籍しています。が、獲得選手のほとんどがルーキー(井出選手はサイド)ということを考えると、戦力値はマイナスと言えるでしょう。
 このようなことを踏まえ、評価は『C』としました。

FW

次にFWです。

 前述したように、昨季の失点数は41でこの数値だけ見れば残留争いをするような値ではありません。
 一方で、得点数「35」は非常に少なく、マリノスやフロンターレとはダブルスコアほどの差です。

 一概に「FWのせい」ということはできませんが、それでも得点を取れなかったのは事実であり、奮起が求められます。
 が、今期に向けての主な構成に変化はありません。

 扶養離脱によりほとんど試合に絡めなかった藤本選手はボージャン選手が退団した一方で、主力級の獲得はセレッソから加入したパトリッキ選手のみです。

 川崎選手も加入していますが、ポルトガルのセカンドチームであったことや、そもそも海外移籍前にJリーグで飛び抜けた活躍をしていたわけではないということもあり、難しいのではないでしょうか。

 大迫、武藤と名前は非常に目立ちますが、問題は結果を残せるかであり、それに汰木選手かパトリッキ選手を加えた3トップが基本軸であるとは思いますが、昨季の成績を見ると評価は低くせざるを得ません

 このようなことを踏まえ、評価は『C』としました。

その他

最後に「その他」です。

 監督が変わりまくっていた神戸ですが最終的には吉田監督に落ち着き、2023シーズンを迎えます。
 一方で、監督決定のタイミングが非常に遅かったことを見ても、多くの候補の中で右往左往していたのではないかなという印象を受けます。
 クラブとして補強は控えめになったオフであり、楽天がどうなるのかなど懸念点は尽きませんが、これまでのほうしんを見ても、方針が二転三転しているような感じは否めず、フタッフ陣や経営陣を含めた「その他」の評価は低評価の『C』にしました。

フォーメーション

最終的に、吉田監督が続投となりましたので、昨季の基本フォーメーションでもある4-3-3で予想しています。

 GKに関しては、セカンドGKの飯倉選手が退団しているもののその後釜の獲得には失敗した模様で、よっぽどのことがない限りレギュラーは前川選手であろうと考えます。

 右サイドバックは、山川選手と飯野選手が争う形です。
 「守備力の山川」「攻撃力の飯野」という構図がわかりやすいと思いますが、基本的には対戦相手などにより使い分けると考えるのが妥当ではないでしょうか。
 一方で、飯野選手はウイングでの起用も可能なため、この図のレギュラーには山川選手を入れています。

 次に、センターバックです。
 昨季は、小林、菊池、マテウスで回していることが多かったポジションですが、小林選手の海外移籍や槙野選手が引退をしました。一方で、マテウス選手に関しては、完全移籍に移行できましたので、菊池選手とマテウス選手という組み合わせが濃厚ではないでしょうか。
 控えには、昨季はボランチでの起用機会も多かった大崎選手を回すことになるでしょう。それでもなお、人数的には不安がのこります。

 左サイドバックは、昨季と同様に酒井選手と初瀬選手の2人がおり、この二人が争う形だとは思いますが、実績・実力共に酒井選手に分があると考えました。

 サンペール選手のコンディションがわからないため、ワンアンカーではなくダブルボランチを予想しています。そのコンディションがわからないサンペール選手は一旦除いて考えると、ダブルボランチは山口選手と齋藤選手の組み合わせになりそうです。
 マリノスから昨季鳴り物入りで加入した扇原選手はなかなか序列を上げることができず厳しいシーズンを過ごしましたが、サンペール選手の復帰、齋藤選手の加入で今季も同様に厳しい立ち回りとなってしまいそうです。

 トップ下には、一応、イニエスタ選手を入れていますが年齢的なものもありシーズンを通してフル稼働というのは厳しく若手の台頭が期待されます
 現在の所属選手ですと、佐々木選手や中坂選手がその候補になりますがいずれの選手もそこまでの力を発揮できておらず台頭が待たれる状況で、こう見ると郷家選手の退団が非常に痛手です。

 右ウイングは武藤選手を軸にしつつも、元ガンバ大阪の川崎選手が控え候補でしょう。
 ただ、前述したように川崎選手にはJ1での目立った実績があるわけではないこともあり武藤選手一番手と考えるのが自然です。

 左ウイングに関しては、一応パトリッキ選手をファーストチョイスとしていますが、昨季の汰木選手のパフォーマンスも良く、どちらがレギュラーでもおかしくありません。
 今季のヴィッセル神戸中で一番レギュラーが読めないポジションです。
 また、新加入の井出選手は左右どちらでもプレー可能であり、昨季の郷家選手のような立ち回りを期待されているかもしれません。

 最前線の大迫選手のレギュラーは硬いとして、小田選手が退団してしまいました。
 一方で、韓国での実績を引き下げて加入したムゴシャ選手は期待はずれと言える結果になってしまっており、「2年目の奮起」に期待がかかります。

まとめ

これまでの評価をまとめます。

目標

 現実的な目標は、「一桁順位」になるでしょう。
 「ACL出場権」「リーグ優勝」「アジア制覇」と大きな目標を掲げているチームではありますが、なかなか低迷しており、クラブとしてのベクトルも顕在化してこない現状ではどうしても高い目標を掲げることはできません。
 来年移行、楽天がどうなるのかも含め、今季は我慢の一年となりそうです。

最後に

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