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クラブ別戦力評価#23 いわきFC

記事編集日:2023年2月8日

みなさん、こんにちは。
2023シーズン開幕に先立ちまして、昨年も行いました戦力評価を行っていきたいと思います。
すでに、2023年に入り、各クラブが開幕に向けてキャンプをおえるなどという状態になってきました。
「クラブ別戦力評価」の第23回は、いわきFC編です。
評価軸としては、「GK」から「FW」の各ポジション、そして「その他」として監督などのスタッフや継続性を「SS」「S」「A」「B」「C」「D」「E」の7段階評価をしていきたいと思います。

移籍市場

ここまでの、移籍市場の動きを振り返っていきましょう。
画像は、Jリーグ公式の移籍情報ページのキャプチャになります。

<考察>

 昨年、J3でJリーグに初挑戦し、一年目でJ3を制覇し、今季よりJ2に挑戦します。
 しかしながら、Jリーグ加盟初年度からここまでの活躍を見せてしまったがゆえに、多くの選手の退団もありました。

 守護神として20試合に先発した坂田選手がJ1のアビスパ福岡へ、左サイドバックの一番手であった日高選手がジェフユナイテッド千葉へと移籍することになりました。
 特に、昨年のいわきFCは多くのポジションで選手を固定していたチームであり、日高選手は34試合中32試合に先発している選手で彼の退団は痛いと言えます。

 加入選手に目を向けると、DFに関してはJ3の鳥取でレギュラーであった石田選手の他、大卒ルーキーを2人獲得しています。
 「Jから即戦力」というよりも「大卒ルーキー」という獲得方針はブレることなく貫いており、「育てて売る」というクラブ方針に変更はないようです。

 GKに関しても、鹿野選手、田中選手が残留していることに加え、J2で主力であった経験もあり、東京ヴェルディ、Vファーレン長崎、清水エスパルスでのプレー経験がある高木和選手を期限付き移籍で獲得しています。

 一方で、カテゴリーが上がる中、上位カテゴリーでのプレー経験のある選手の獲得は高木和選手と宮崎選手くらいで、しかもこの2人も前所属チームで主力であったわけではない
 加入選手10人のうち6人が大卒ルーキー、下田選手も今年プロ入りしたルーキーを鹿島から借りている状態なので、70%がJリーグでの経験がない選手となっており、完全なる「継続路線」を敷いている中、クラブ初のJ2に挑むということは不安ではあります。

評価

GK

最初にGKです。

 昨年は、20試合が坂田選手、12試合が鹿野選手という形で、メインは坂田選手でありながら併用しているというような起用法でした。

 しかし、メインであった坂田選手がJ1のアビスパ福岡へ個人昇格をし、退団となってしまいました。
 鹿野選手と三番手であった田中選手は残留しています。

 坂田選手の後釜として、東京ヴェルディより高木和選手を期限付き移籍で獲得しました。
 高木和選手はキャリアの中で36試合のJ2に出場した経験があり、昨年も前半戦は主力となっていましたが、城福監督が就任して以降は序列が低下しており、三番手としてシーズンを終えました
 坂田選手と比較した時に不安要素はありますが、昨年の前半戦はヴェルディで主力であったことを踏まえると、実力的に大きく劣ることはないでしょう。

 一方で、2022シーズンの終盤にかけて試合に出場していた選手がいないということがネガティブな印象で、J3で34試合23失点であった固い守備がどうなるのかは少し不安です。
 このようなことを踏まえ、評価は『C』としました。

DF

次にDFです。

 何よりもおおきいのは左サイドバックの一番手であった日高選手の退団です。
 ジェフユナイテッド千葉へのステップアップ移籍を決断し、リーグ戦34試合中32試合で先発出場していた絶対的な選手を一人欠くことになりました。

 サイドバックという観点ですと、昨季も圧倒的なパフォーマンスを見せた嵯峨選手が左サイドバックに挑戦しているという情報もあり、そうなると鳥取より新加入の石田選手にかかる期待値は大きくなります。
 仮に、嵯峨選手が左に挑戦するのだとすれば、右サイドバックのレギュラー筆頭格である石田選手であるだけに、いち早くいわきのサッカーに順応することが求められます

 センターバックに関しては、遠藤選手の期限付き移籍期間を延長できたため、今季の引き続き遠藤選手が所属しております。
 圧巻のパフォーマンスを見せた家泉選手も残留しており、星選手の退団はあったものの大卒ルーキーで河村選手と速水選手を獲得していることからも大きな問題はないでしょう。

 一方で、「J2での試合経験者」という観点だと、遠藤選手の1試合というのが最多で、経験値に関しては他のチームと比べた時に大きな不安要素です。
 J3で23失点と固い守備を誇っていたチームではありますが、J2のレベルを知っている選手が少ない中で挑戦するJ2というのは不安で、このようなことを踏まえ、評価は『B』としました。

MF

次にMFです。

 昨季のリーグ戦全34試合に先発出場しコンビを組んでいた宮本選手と山下選手のコンビが今年もともに残留しているのは大きなポジティブな要素です。
 一方で、試合数が34から42に増えるJ2の中でフィールドプレーヤーが全試合フル出場するのは難しく(2022シーズンは一人だけ)控え候補や若手の台頭が求められるポジションです。
 特に、鹿島ユースから来た下田選手や拓殖大学より加入した鏑木選手の台頭には期待が高まります。
 
 このポジションは、主力に関して大きな問題はないものの「層の薄さ」が大きな問題になっているポジションです。

 右サイドハーフは岩渕選手が、左サイドハーフは山口選手が残留しており、どちらも多くの出場機会を掴んでいた選手の残留に成功しました。
 また、岡山より加入した宮崎選手は新潟、金沢、岡山でのJ2経験がありJ2での経験が豊富な選手で、そのような選手が少ない今年のいわきにおいて重要な役割を担うかもしれません

 MFに関しては、総じて戦力値の維持を図ることができた印象でポジティブな印象です。他方、経験値やボランチの層の薄さに関しては依然として懸念点で、総合して『C』評価にしました。

FW

次に「FW」です。

 FWに関しては、主力選手などは軒並み残留させることができました。

 有馬選手と有田選手という若い2人の主軸は残留しており、谷村選手も残留しております。
 後半戦にかけて出場機会を減らしてきた古川選手がFC大阪に期限付き移籍していますが、個人的には報徳学園高校より加入した坂本選手がブレイク候補だと思っています。

 坂本選手は、プロ加入決定前に練習参加した際に、得点を決め首脳陣を唸らせたというエピソードがある選手で、まだまだ無名の選手ではありますが、一気にブレイクし主力2人の間にわって入って行っても不思議ではありません

 昨季のJ3では、72得点と圧倒的な得点力を保持したチームでした。J2とカテゴリーが上がる今季であっても得点源の選手は残留しており、「得点力が課題」というふうにはならないのではないでしょうか。
 一方で、他のポジション同様J2経験のある選手が少なく、J3で通用した攻撃陣がどの程度J2で通用するのかに関しては不安点で、総合評価は『C』としました。

その他

最後に「その他」です。

 今期も引き続き村主監督が指揮を取ります。
 「いわきFCのスタイル」というものがJFL時代から確立しているチームであり、J3での戦いとなった昨季もそのスタイルを全面に押し出したサッカーでJ3を席巻しました。

 J2の舞台へと戦いを移す中、多くの選手が残留しておりそのスタイルの継続性という観点ではポジティブな印象です。

 一方で、村主監督/選手の実績という点では総じて不安要素であり、評価は平均値の『B』としました。

フォーメーション

フォーメーションは昨年に引き続き、4-4-2を予想しています。

 GKは、昨季の主力であった坂田選手が退団しており、昨季二番手の鹿野選手とヴェルディから加入した高木和選手の一騎討ちとなりそうです。
 高木和選手は昨季の前半戦はヴェルディの主力であったということもあり、実力は折り紙付きですが、加入初年度ということもあり鹿野選手とほぼほぼ横一線のポジション争いになりそうです。

 サイドバックは、左サイドバックの日高選手が千葉へ移籍してしまったということもあり、昨季の不動の右サイドバックであった嵯峨選手が左サイドバックに挑戦しているという報道もあります。
 そのため、左サイドバックには嵯峨選手を、右サイドバックには昨季の鳥取の主力であった石田選手を入れています。

 センターバックは、昨季多くの出場機会をえた2人をそのままの組み合わせで入れています。
 特に、家泉選手のパフォーマンスは圧巻で、「家泉+α」という組み合わせになりそうですが、加入選手が大卒ルーキー2人であることも考え、遠藤選手を入れています。

 ボランチに関しては、昨年全試合にスタメン出場した2人が残留しており、このままの組み合わせにしています。
 下田選手や鏑木選手はボランチの選手で、潜在能力は確かですがいずれもルーキーであり、いきなり絶対的主力を脅かすにはいかないのではないでしょうか。

 サイドハーフに関しては、出場機会を得ていた選手が軒並み残留しております。
 一方で、加入選手の宮崎選手は他の選手と比べると圧倒的なJ2での実績があり左右両サイドでプレーできることを踏まえても、右サイドに岩渕選手、左サイドに宮崎選手を入れてみました
 山口選手や芳賀選手、永井選手がこのサイドハーフのライバル候補です。

 最前線は、有田選手と有馬選手という鉄板のコンビがいずれも残留しており、この2人がベースにはなりそうです。
 また、報徳学園高校より加入した坂本選手は将来性豊かな選手で、無名な選手ではあるものの今年の「ブレイク候補」と言えそうです。

まとめ

これまでの評価をまとめます。

目標

 現実的な目標は、「J2 トップハーフ」になるでしょう。
 昨年のJ3に続いて、J2初挑戦となる今期は昨年のようにうまくいかないかもしれません。
 しかし、初挑戦となるJ2ですが、チームとしてのスタイルがはっきりとしているチームであるだけに、上位進出する潜在能力はありそうです。

最後に

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