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養育里親の歩み(その2)
2)明治~昭和戦前明治政府は前の時代の施策を引き継いでおり、江戸の町にあっては庶民の福利は御用商人が委員となっていた町会所(明治5年に営繕会議所に改編)に委ねられていた。窮民対策として治安の維持の面から救護所(養育院の前身)を設けており、そこでは親と一緒に保護されることもあれば、捨て子として保護される場面もあった。
東京府養育院にあっては、明治10年「幼童縁組並びに雇預」制度によって乳幼児につ
児童養護施設入所児童の当事者心理を学ぶ(その2)
忘れがたい物語私には16年間の施設生活でこの「家庭引取り」をめぐってある忘れがたい物語があります。私は自分の親の名前も顔も知らずに施設で成長しました。小学校3~4年生までは重症の夜尿児童でした。どんなに注意をしていても夜尿が治らず困っていました。同じ夜尿児童にT君がいて当時は「おねしょ組」といって一つ布団で寝ることになっていました。冬の冷たい布団にビニールシートを敷き、「今日こそがんばろう!」と励
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家庭引き取りをについて
児童養護施設で暮らしている児童の心の中(当事者心理)がもし、覗けるならばそこにはどんな想いがあるでしょうか。想像してみてください。
私は複数の児童養護施設職員と自立援助ホーム長の経験が通算約25年間、加えて2歳から高校卒業までの約16年間を児童養護施設で生活した当事者体験があります。合計およそ40年以上の施設職員及び施設生活経験者になります。その経験を基に施設入所児童の心