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運命の出会い 神様も失敗して成長した 大国主神⑤ ことのは綴り 其の二十

「人生に失敗がないと 人生を失敗する」
こんにちわ。更新復帰9回目。再び、大国主神さまの「ヒーローズ・ジャーニー」の物語をご紹介します。


心優しき賢き、元祖“いじめられっ子”大国主神さまこと、大穴牟遅神さま(おほなむじのかみ)は、兄神たちに二度も殺されますが、母神に助けられました。

そして愛する息子を救うために、母神は、「お前は、ご先祖である須佐之男命さまのいる根の堅洲国(ねのかたすくに)へ行きなさい。須佐之男命さまはたいそうえらい神様です。きっとあなたを助けてくださり考えてくださるでしょう」
「はい」大穴牟遅神さまは、一人で遥か遠くの根の堅洲国へと向かいます。

やがて、この世とあの世の境となる、黄泉比良坂(よもつひらさか)にたどり着きます。
ここからは現世とは違います。黄泉の国ともいわれています。
須佐之男命さまがいる根の堅洲国は、底の国、妣(はは)の国ともよばれ、一度この坂を下ると、この世に戻ってくることができないかもしれません。

意を決したように、大穴牟遅神さまは、この世を超えてあの世の坂を、さらにどんどんどんどんくだっていきました。

やがて、根の堅洲国にある立派な宮殿にたどり着きました。
そこに現れたのは、キリっとした美しい姫神!

美しい!!!
大国主神さまは、一目見るなり、その姫神に恋をします。
姫神も、大国主神さまのことを、じ~っと見つめています。
なんて素敵なの💛💛 
2柱の神は、お互いに一目惚れをして、恋におちたのです。

「私は、大穴牟遅神といいます。母に言われて、須佐之男命様のところに参りました」
「そうですか。よくいらっしゃましたね。私は、須佐之男命の娘の須勢理比売(すせりひめ)といいます」

そう、この姫神様は須佐之男命の娘御の姫神様でした。気性の激しいお父様譲りの凛としたクールビューティー的な美人さんでした。

出会った瞬間に恋に落ちた若き2柱の神は。すぐに結ばれます。

大穴牟遅神にとっての「運命の相手」だったのですね。

これまで兄神たちに、ひどい目に合わされていた人生まっくら闇の青年だった大穴牟遅神さま。ようやく人生の春が訪れたのでしょうか。

娘の須勢理比売から、「父上、とても立派で、麗しい大穴牟遅神さまがいらっしゃいましたよ」と、聞かされた須佐之男命さま。
きっと、母神から「うちの息子をよろしくお願いします」と伝えられていたのでしょう。

根の堅洲国を司り、須勢理比売の父でもある須佐之男命さまも宮殿からお出ましになり、娘の後ろにたたずむ青年・大穴牟遅神さまを見て、こういわれました。
「おう、これは葦原色許男神(あしはらしこおのかみ……これも大国主命さまの呼び名の一つです)葦原の国(うつしよ)一のイケメン、色男じゃないか! 気に入ったぞ」

須佐之男命さまは、大穴牟遅神さまがこれまで味わってこられた苦難や、また兎を助けた心優しい繊細な性格と薬の知恵をもつ賢い青年であることをご存じでした。
「この青年は、私の後継者にふさわしく優しいやつだ。だが、強さ、雄々しさ、逞しさがたりない。ぜひ、ここにいる間に、それを身に着けてほしいものだ」


そして、須佐之男命さまは、大穴牟遅神さまに、数々の試練を与えて鍛えようと決めました。

八十神たちの狂気めいた凄惨ないじめから、ようやく逃げ出してきたのに……。
ええ~一難さってまた一難
せっかく運命の恋に落ちたのに……
大穴牟遅神さまは、その難関を乗り越えていけるのか?
荒ぶる神からヒーロー神へとなられた須佐之男命様から与えられた試練も
それはそれは、命がけの難題となるのです。
「ヒーローズ・ジャーニ」の物語は、さらに続いていきます。

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