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女神さまの活躍 神様も“失敗”して成長した ことの葉綴り。百五一

天宇受賣命・猿女君


こんにちは。午後のひととき「ことの葉綴り。」に向かいます。

筑紫の日向の高千穂に降られた、天孫の邇邇芸命さまは、
海の遥かに韓国をのぞみ
朝日がまっすぐに正面から昇り、
夕日が沈むまで太陽の恵みを受ける
笠沙の御前(かささのみさき)を、たいそうお気に召されました。

そこに立派な宮殿を建てて、お住みになられました。
太い宮柱に、千木が空高くそびえる日向の宮。

邇邇芸命さまは、ある日、天宇受賣命(あめのうずめのみこと)さまを、お呼びになり、こうお話になりました。

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天宇受賣命よ、
私たちの先導をなり道案内をしてよく仕えてくれた、
猿田毘古神(さるたひこのかみ)が、
役目を終えたので、故郷へと帰りたいと言っておる。
そなた、猿田毘古神に同行して
故郷まで送ってやっていきなさい。

また、天宇受賣命よ、
そなたは、天の八衢(やちまた)で、猿田毘古神に
たった一人で向き合い、そしてその神の名と正体を
聞きだしてくれた。
その褒美として、その名を、そなたがとって自分の名とし、
猿田毘古神の名を名乗り、代々伝えてゆくのです。


かしこまりました。

猿田毘古神という男神の名前をもらった女神ということで、
天宇受賣命さまは、猿女君(さるめのきみ)と呼ばれるようになりました。
そして、代々、天孫にお仕えする身になられました

古代、名前をもらうということは、
その相手の持つ力を、そのまま得ることになると考えられていました。

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スーパーウーマン女神!


もともと、天照大御神さまからも信頼をされていた天宇受賣命さま
どんな相手の心も開かせる力があり
肌も露わに舞い踊る女神でもあり、
そこに、道開きの男神の力をもと
まさに“スーパーウーマン女神
”となられました。
ただものじゃあ、ありません。

男女雇用均等法……すでに神代にはあったのかも?(^^)
キャリアを積んでいっている感じですね。

天宇受賣命さまのご子孫たちは「猿女氏」と呼ばれ、
古代の、神祇氏族(じんぎしぞく)として、
朝廷の祭祀に、ご奉仕されていきます。
天宇受賣命さまが、高天原の天の石屋戸でご活躍された由来から、
鎮魂祭での舞や歌、大嘗祭にて奉仕されたといいます。
鎮魂祭は、「みたましずめ」「みたまふり」「たましずめのまつり」ともいまれます。
天の石戸神話を起源として、
天皇の体から離れ遊離しようとする魂を招き体に鎮め、
太陽の活力の再生を祈るおまつり
です。
猿女君がこのお祭りの演舞で、ご奉仕する姿は、
邪神・邪霊を撃退する意味があった
ともいわれています。

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そこから、天宇受賣命さまは(天細女命とも書きますが)、
芸能の女神さま
武芸全般、神楽や舞、俳優の原点、神かがりして舞う巫女
芸能上達にご利益のある神さまとして
崇敬を集めている
のですね。

高天原を統べるのも天照大御神さまも、
岩屋戸にお隠れになる前と後では、
その女神さまとしてのご神威の力強さも、輝きも
スケールも、知恵も、違っておられます。
それこそ、石屋戸から出られたことで
太陽の女神として“成長”なさったのですから。

女神さまのご活躍

なんだか、嬉しくなります(^^)

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―次回へ。


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