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太陽神の再生 天照大御神様の復活を願ひ⑤ことの葉綴り。其の百七

神宮の月次祭

おはようございます。六月十五日、
天照大御神さまがお祀りされている伊勢の神宮では、「月次祭(つきなみさい)」が執り行われます。
このご神事は、12月にもおこなわれ、10月の「神嘗祭」とともに
神宮でももっとも由緒深く「三節祭」と呼ばれます。

夜の10時、午前2時の二度、
浄闇の中、「由貴大御饌(ゆきのおおみけ)」の儀
翌日の正午には、「奉幣の儀」というご神事がとり行われ、
神宮の祭主の黒田清子さまと神職さん方が
皇室の弥栄、
五穀豊穣、
国家の隆昌
そして、国民の平安がお祈りされます

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伊勢の神宮に、天照大御神さまに
気持ちを寄せて手を合わせたいです。

あ~早く、伊勢の神宮にお参りしたいです!

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八百万神さまのチームワーク

さて、天照大御神さまの「天の石屋戸」物語の続きです。

裸で狂喜乱舞の舞をされていた、天宇受賣命さまは、
天の石屋戸から、少し顔を出された天照大御神さまにこう仰いました。

天照大御神さま~~! 
実はですね、あなた様よりも貴い神さまがおいでになられて~。
もうみんな大喜びで、嬉しくなって
笑いながら、歌い踊り遊んでいるんですよ~。


天宇受賣命さまは、知恵の神の思金神さまから、
もし天照大御神さまに「何をしているか?」と聞かれたら、ときっと頼まれていたのでしょうね。

石屋戸の向こうから天照大御神さまが、天宇受賣命さまの言葉に耳をすましている間のことです。
天児屋命(あめのこやねのみこと)さまと
布刀玉命(ふとだまのみこと)さまは、
一本のお榊に吊るした、大きな「八尺の鏡」を、
天照大御神さまの方へと差し出した
のです。

「八尺の鏡」に、石屋戸にいらっしゃる天照大御神さまの美しいお姿が少しだけ、映っています。

あの、光り輝く方が、私よりも貴い日の神さまなのかしら?

いっそう不思議に思われた天照大御神さま。
もう少しその新しい日の神さまのお姿を見たい、
その正体を確かめようとされて、
そろそろと、徐々にお身体を、天の石屋戸からお出しになります。
そして、「八尺の鏡」を、のぞきこまれます

その時です。
天の石屋戸の近くに隠れて立っていた、
力持ちの天手力男神(あめのたぢからをのかみ)さまが
天照大御神さまの御手を取ると、
次の瞬間、すぐに
天照大御神さまを石屋戸の外へと引き出した
のです!!!

うわお~~~~
やった~~

八百万の神さまたちから、一斉に大歓声があがりました。

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光の世界が復活!

なぜなら、天照大御神さまが石屋戸からお出になった瞬間
高天原にも葦原中つ国にも、
輝かしい煌めく神聖な、まばゆい朝日が昇った
のです。

光の世界が再生しました!!

天手力男神(あめのたぢからをのかみ)さまは、
急ぎ、石屋戸を固く閉ざします。
そして、布刀玉命(ふとだまのみこと)さまが、
その石屋戸に、しめ縄を張り
「太陽の天照大御神さま、これより、もう二度と石屋戸に戻ってはいけませんよ」
と、優しく仰いました。

神社でよく目にする。「しめ縄」は、「ここから先は入ってはいけない」という「境」を示しますね。
それも、この神話からきているのですね。

ようやく、天上界・地上界にも
太陽の光がさんさんと降り注いだのです。

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八百万の神さまのお気持ち

では、なぜ、思金神さまをはじめ、八百万の神さまたちは、
お祭りをして「八尺の鏡」を、天照大御神さまに差し出したのでしょう?

それは……
弟神の暴虐で、傷つき、心も“引っ込んで”しまわれて、自信もなくされていた天照大御神さま。
そのご様子では、太陽の姫神である、ご自身の本来の役割、使命を発揮もできません。

八百万の神さまたちは、みんなで、「お祭り」をして、偉大なる太陽神として、自分たちが、どれほど崇めているか、
太陽神の天照大御神さまが、この世界に「在る」ことだけで
どれほど、幸せなのか。
それを石屋戸からお出ましになり、「八尺の鏡」に、ご自身を映し出されることで……。

天照大御神さま、あなたご自身が、もっとも貴い太陽の偉大な神さまなのですよ。
再生、再誕、成長し、復活なさってください!!

という、高天原の八百万の神さまたち、
みんなの願いであり、
祈りだったのです。

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この「お祭り」をとりおこなうことも、
神さまみんなで役割を分担して、
心を一つに、一致団結
し、
天照大御神さまの再生を成し遂げたことで、
八百万の神さまたちも、成長されたのです。

この「お祭り」により、高天原も葦原中つ国も
闇から光を取り戻し
天照大御神さまも、
八百万の神さまも
最大のピンチを乗り越えられた
のです。


天照大御神さまの、天の石屋戸の物語は、
暗闇になった世界のカオス・混沌から
みんなで力を合わせての
祭による秩序を作り出していく

高天原の国造りが成就する物語でもあったのです。

ここに、天照大御神さまは、傷つきやすい美しい姫神様から
天上も地上も、あまねく照らし輝かせ
高天原を統べる、太陽神へと変容されたのです。

一方、高天原で、好き放題の傍若無人のふるまいをした
弟神・須佐之男命さまは、八百万の神さまたちにより
追放されることになりました。

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―次回へ


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