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桃太郎の鬼退治の元!? 神話は今も生きている ことの葉綴り。二三七

第七代孝霊天皇(こうれいてんのう)

こんにちは。曇りから雨もぱらついて肌寒い金曜日。今日も「ことの葉綴り。」に向かいます。。

神話の“知られていない神さま”こと『欠史八代』と呼ばれる、系譜の続き。今日も漢字が多そうです(苦笑)
初代、神武天皇 畝傍山
「欠史八代」
第二代、綏靖天皇(すいぜいてんのう) 末っ子
第三代、安寧天皇(あんねいてんのう) 長子
第四代、懿徳天皇(いとくてんのう) 次男
第五代、孝昭天皇(こうしょうてんのう)長男
第六代、孝安天皇(こうあんてんのう) 次男

そして孝安天皇の次男の大倭根子日子賦斗邇命(おほやまとねこひこふとにのみこと)は都を、黒田(奈良県の磯城郡田原町)の「盧戸宮(いほとのみや)」に遷されてを皇位を継承し、天下を治められました。
第七代、孝霊天皇(こうれいてんのう)です。
正式な漢字は、孝靈天皇です。

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四人の妻と八人の御子

孝霊天皇は、十市(とをちの)の縣主の祖である、大目の娘である
細比賣命(ほそひめのみこと)を皇后に娶り、生まれた御子は、
大倭根子日子國玖琉命(おほやまとねこひこくにくるのみこと)一柱です。

大倭根子日子(おほやまとねこひこ)は、前回も出てきました。その意味は「この大きな大和の国の根っこ、根幹、天孫の御子」です。


この孝霊天皇は、皇后のほかにもお后(きさき)さまを娶ります。

春日の千千速眞若比賣(ちちはやまわかひめ)を后に娶り、誕生したのが、千千速比賣命(ちちはやひめのみこと)一柱。

また、意富夜麻登玖邇阿礼比賣命(おおやまとくにあれひめのみこと)を娶ります。

漢字は違いますが、おほやまととありますね。
これ、大倭国に霊性を持って出生した媛(ひめ)という意味だとか。

そして、この比賣からは、四柱の御子が誕生します。

最初に、夜麻登登母母曾比賣(やまととももそびめのみこと)。

次に、日子刺肩別命(ひこさしかたわけのみこと)

三番目には、比古伊佐勢理毘古命(ひこいさせりびこのみこと)。またの名を、大吉備津日子命(おほきびつひこのみこと)

四番目に、倭飛羽矢若屋比賣(やまととびはやわかやにめのみこと)。


さらに、四番目の妻も娶っています!
阿禮比賣(あれひめのみこと)の弟(いろと)妹の、蠅伊呂杼(はへいろど)を娶り、その妻も御子を産んでいます。
一人目、日子寤間命(ひこさめまのみこと)
次に、若日子建吉備日子命(わかひこたけきびひこのみこと)

と、いうわけで
皇后に、一柱の御子
二番目の后にも、一柱の御子
三番目の妻に、四柱の御子
四番目の妻に、二柱の御子と

合計、八柱の御子が誕生しました。
その中で、男の御子は、五柱、女王は三柱になります。

この八柱の御子で、次の皇位を継承されたのは、
もう、おわかりですよね。

はい、長子である、大倭根子日子國玖琉命(おほやまとねこひこくにくるのみこと)です

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吉備の國へ

そして、八柱の中に、吉備(きび)の字がつく御子が二人いますね。
二番目の后の、三番目の御子……ややこしいですね(苦笑)
大吉備津日子命(おほきびつひこのみこと)と、
四番目の妻の、二人目の御子、若日子建吉備日子命(わかひこたけきびひこのみこと)

この二柱の御子は、共に力を合わせて協力をして天命にあたりました


針間(播磨)の氷河(ひかわ)の前(さき)に、
忌瓮(いはびべ)を居ゑて、針間を道の口として吉備國を言向け和したまひき。

兵庫県の播磨の国の加古川の畔で、清浄な瓶を置いて、神さまをお祀りして、これからの行旅の無事を祈ってから、
そして、播磨を旅の入り繰りとして、吉備の國へ向かい、言霊により、天命を伝えながら平定をしていったのです。

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兄弟仲良く、吉備津神社の神に

それゆえ、大吉備津日子命(おほきびつひこのみこと)
これは、吉備の立派な男性という意味なのですが、この御子が
吉備の上の道の「臣」の祖となります。

もう一人の、若日子建吉備日子命(わかひこたけきびひこのみこと)は、吉備の下つ道の「臣(おみ)」となり、笠臣の祖となります。

母が違っても、天孫の御子として、力を合わせてご自身の使命を果たされたのですね。

岡山県の岡山市に、山陽道屈指の古社「吉備津神社」があります。

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そこのご祭神は、
大吉備津彦命(おほきびつひこのみこと)と、異母兄弟の若日子建吉備津日子命(きびつひこのみこと)と、その子ども、吉備武彦命(キビツダケヒコノミコト)をはじめ、一族の神々が、吉備の国の開拓の大祖神としてお祀りされています。

この平定に際に、温羅(うら、おんら、うんら)という鬼を討ったという伝説から生まれたのが、あの「桃太郎」の鬼退治の物語なのです。

ね? 神話は今も、生きているのです。

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―次回へ


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