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優れた審神者 武内宿禰 神話は今も生きている ことの葉綴り。二四三

五天皇に二四四年、お仕えした?

おはようございます。秋晴れの空が嬉しいですね。そして今日も「ことの葉綴り。」に向かいます。

『欠史八代』と呼ばれる“知られていない”天皇の系譜をご紹介している中で、皇位を継承されていない御子たちが有名人シリーズの続きです。(^^)

第八代の孝元天皇(こうげんてんのう)の御子、比古布都押之信命(ひこふつおしのまことのみこと)のお孫さんが、
建内宿禰(たけしうちのすくね)こと、武内宿禰でした。
建内宿禰(たけしうちのすくね)には、九人の子どもがいて、紀(き)、葛城(かつらぎ)、平群(へぐり)、巨勢(こせ)、蘇我(そが)氏をはじめ、二十八氏の祖先となります。

とはいえ、建内宿禰(たけのうちのすくね)自身は、御子でもなく、皇位を継承したわけでもありません
その系譜が、『古事記』に入っていること自体「異例」なんだとか。
解説文には、「その子孫が権勢をほしいままにしたからであろう」とあります。『古事記』倉野憲司校注、岩波文庫より

では建内宿禰(たけしうちのすくね)は、なぜこれほど重宝されたのか? 

神話の物語の、さらに先に登場するのですが、
景行天皇(けいこうてんのう)、成務天皇(せいむてんのう)、仲哀天皇(ちゅうあいてんのう)、応神天皇(おうじんてんのう)、仁徳天皇(にんとくてんのう)の、五天皇にお仕えしたとあります。で、一説には、二百四十四年にわたりお仕えしたとの伝説があります。
なかでも、知られているのは、仲哀天皇の妻で、神功皇后(じんぐうこうごう)の功臣で、審神者であったこと。

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ご神託を受ける審神者(さにわ)

審神者、「さにわ」とは、清場(さやには)の約で、本来は、神さまをお祭りして託宣を承るために、清められた場所「沙庭」、斎場のことでした。
斎場の意味から、「沙庭」において、ご神託を掌るために、神祭を掌り、沙庭において、承ったご神託を判断するもの。また、斎場で琴を弾くものを「さにわびと」というようになりました。

神話の物語の後の御代にも、出てきますが、仲哀天皇の時代、天皇が琴を弾いて、武内宿禰(たけしのうちすくね、建内宿禰)が、沙庭で、神さまの命を請うたことが綴られています。

また、仲哀天皇の妻の神功皇后(じんぐうこうごう)が、神主となり神懸かりをされたとき、武内宿禰(たけしのうちすくね、建内宿禰)に命じて琴を弾かせたとあります。

こうしたことから、「審神者(さにわ)」として、ご神託を承る(うけたまわる)役割も担っていたとされています。

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蘇我氏、葛城氏はじめ二十八氏の祖先に

建内宿禰(たけしうちのすくね)こと、武内宿禰の九人の子ども、七人が男性、二人が女性という系譜も書いておきます。
漢字ばかりになりますが……ごめんなさいね。
もしや、あなたの祖になった方もいたりして……。

波多の八代宿禰(はたのやしろのすくね)は、
波多臣(はたおみ)、林臣、波美臣、星川臣、淡海臣、長谷部君の祖なり。

許勢(こせ)の小柄宿禰(をからのすくね)は
許勢臣、雀部臣、輕部臣の祖なり。

蘇我(そが)の石河宿禰(いしかわのすくね)は、
蘇我臣、川邊臣、田田臣、櫻井臣、岸田臣等の祖なり。

平群(へぐり)の都久宿禰(つくのすくね)は、
平群臣、佐和良臣、馬御樴(うまみくい)連らの祖。

木(紀)の角(きのつぬの)宿禰は、木臣(紀)、都奴臣、坂本臣の祖。
久米の摩伊刀比賣(まいとひめ)
怒能伊呂比賣(ののいろひめ)

葛城(かつらぎ)の長江曾都毘古(ながえのそつびこ)は、
玉手臣、的臣、生江臣、阿藝那臣(あきなのおみ)の祖なり。

若子(わくごの)宿禰は、江野在臣の祖。

ふう~長かったですね(苦笑)。この蘇我氏はじめ子孫たちが、勢力を、枝葉のように伸ばしていったってことですね。

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生誕地に武内神社が!


和歌山市の八幡神社の境内に、奥宮「武内神社」がご鎮座しており、ここは、武内宿禰(たけしのうちすくね、建内宿禰)が、産湯に使ったとされる、井戸や、誕生地の碑もあるそうです。


また八幡神社は、神功皇后(じんぐうこうごう)の御子で、応神天皇(おうじんてんのう)を、八幡神(はちまんのかみ)としてお祀りしている神社です。その母である、神功皇后(じんぐうこうごう)もお祀りされています。
総本社は、九州の大分県の宇佐神宮で、全国に四万社もありますよ。

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第八代 孝元天皇の御陵

そして、物語はこの、建内宿禰の祖父、第八代の孝元天皇に戻ります。孝元天皇は、五十七歳で身罷られ、御陵は、橿原市の南にある、石川池、こと剣池のほとりにあります。
孝元天皇 劔池嶋上陵(こうげんてんのう つるぎのいけのしまのえのみささぎ)です。
初代、神武天皇がお祀りされている橿原神宮や、御陵からも近く、歩いていける場所です。


次回は、いよいよ、“知られていない”天皇『欠史八代』の
最後、九代目開花天皇へと入っていきます。

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そして今年は、明治天皇と昭憲皇太后がお祀りされている明治神宮の創建100周年。昨日、天皇皇后両陛下が、参拝されていましたね。

神話は今も生きている!

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―次回へ

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