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周りと「つながる力」倭姫命版ヒーローズジャーニー44 ことの葉綴り一〇一八

“倭姫命版ヒーローズジャーニー”44



こんにちは。十二月十三日(火)。朝の雨はあがりましたが、まだ曇っていて寒いです。
今日も、吉祥日の「一粒万倍日」です。
寒いですが、お元気でお過ごしくださいね。


さて、久しぶりに、“倭姫命版ヒーローズジャーニー”を綴ろうかと思います。
十二月十五日からは、伊勢の神宮では、もっとも大事なご神事「月次祭つきなみさい」が、執り行われると、紹介しました。

天照大御神さまを、伊勢の神宮にお祀りされた後も、倭姫命やまとひめのみことさまは、大活躍! 
天照大御神さまのためのご神饌を求めて、志摩へ、南伊勢へと旅をされます。
すごい行動力だな~と思います。
大きな大きなお役目を終えたら、フツーなら、そこで安堵して、「もうおしまい」となりそうなものですが、本当に身命を賭して、御杖代みつえしろ斎王いつきのみことして、また、神宮のご創建、そのご神饌、ご神事などの構築をされていく、“真のリーダー”としての存在感。
もちろん、具体的なことなどは、重臣の大若子命おおわくごのみこと五大夫ごたいふをはじめ、倭姫命やまとひめのみことさまをお支えして、お仕えする人々がいたでしょう。

でもきっと、倭姫命やまとひめのみことさまは、自ら、天照大御神さまのために、ご神饌を求めに、旅をされたり、大事なお祭りを定められたり、伊勢の神宮という組織の中心的存在、心の支柱としての圧倒的存在感を持たれていたのではないかな~と思います。

倭姫命やまとひめのみことさまが、定められたものには、以前もご紹介しましたが、鰒やお魚などの御贄処みにえどころや、その地名もあり、「熨斗あわび」「御塩」をはじめ、二千年以上の間、それがずっと、耐えることなく受け継がれているのがすごいです。

そこには、十二月と六月(十五~二十五日)に執り行われる「月次祭」と、十月の「|神嘗祭かんなめさい」(十五~二十五日)の一年の三つの節目の「三節祭」、さらに、一年のうちのいろいろな神事も、倭姫命やまとひめのみことさまが、さだめられたのです。

一人じゃない、周りの皆と共に「つながる力」

その様子が、『倭姫命世記』には、こうあります。

神さまへお供えものを献上するところに、神主たちが命を受けて赴き、お供えものの魚介類を探しもとけて、志摩の国崎の潜女(海女)が取るアワビ、また鵜倉・たしからの島からは、神戸(人々)が、鰹などのお供えものを献上し。
また国々や、あちらこちら(これまでのご巡幸地の)諸国からも、初物、海山のようにたくさんお供えをして。
神主たち、物忌み(ご神事に奉仕する子どもたち)らは、身を清めて慎んでから、天皇の健康、長寿が、永久に堅固な岩のごとくにと、天上界の祝詞を奏上して褒めたたえ申しあげて。
そして、その夜は、みなが一晩中、顔が赤くなるまでの酒宴を開き、歌い踊りながら、歌のことも太く細く、大きくと、寿ぎ、国の繁栄をお祝いするのです。

倭姫命やまとひめのみことさまは、天照大御神さまをお祀りする斎王として、また、それに関係する多くの人々にも視線を配られている気がします。
けっして、お一人で何かを成すということはなく、
この物語を読んでいると、必ず、みんなと共にという“つながり”を感じるのです。

関わったものたちが、みな、喜び楽しみ、舞い踊る。
天照大御神さまへのお仕えする、神さまへ向かうお心とともに、周りの重臣、家臣、物忌み、御贄処のものたち、ご巡幸先で出会われた人……そうした人々への眼差しも感じるのです。

柔らかな慈しみ
組織やするグループの中心に在ること
そして、支えてくれるものたちへの視点や感謝

皇女として、御杖代として、二千年前に、こんな女性のリーダーがいたって、素敵な気がしません(^^)
私には、やはり倭姫命さまは、“ヒーロー”に思えます。

―次回へ

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