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古代の息吹 甘樫丘の奇跡 本牟智和気王7神話は今も生きている ことの葉綴り。三〇九

曙立王(あけたつのみこ)の「誓約(うけひ)」

お正月三が日、いかがおすごしでしょうか?
明日からお仕事の方も多いですよね。

私は、今日も神話の物語を早速、綴ります。
淡々とですが、日々少しずつ、多くの人が読まなくなった、忘れ去られていくかもしれない“神話の物語”を、神さまのことを綴り続けます。宜しくお願いします。

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第十一代、垂仁天皇(すいにんてんのう)の皇子、本牟智和氣(ほむちわけ)の物語。

皇子が、生まれたこのかた一度も、ものを言わぬのは、出雲の大神さまの祟りだと夢のお告げを受けた垂仁天皇。
眞のご神意かをうかがうために、「誓約(うけひ)」を行いました。

その役目を担った曙立王(あけたつのみこ)は、
優れた霊力で、鷺巣(さぎすの)池の畔に棲む鷺を、一度は命を亡くし、再び命を蘇りさせて、出雲の大神さまの夢のお告げを確かめたのです。

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甘樫丘(あまかしおか)の奇跡

さらに垂仁天皇は、曙立王(あけたつのみこ)を、甘樫丘(あまかしのおか)へと連れていきます。

この丘にある葉が大きく茂る立派な樫の木、「葉廣熊白檮(はびろくまかし)」でも、曙立王(あけたつのみこ)は、「誓約(うけひ)」をたてたのです。

神の誓約(うけひ)により、この大木よ、枯れよ~!!!

すると突風が吹き荒れて、すべての葉を落とし、一気に枯れてしまいます。

曙立王(あけたつのみこ)が、再び「蘇り、活きよ~~!」と、「誓約(うけひ)」をたてると
すぐさま、何事もなかったように、元の活き活きとした立派な葉の茂った樫の木の命が甦ったのです。

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垂仁天皇は、夢のお告げが、出雲の大神さまのご神意であることを、強く確信されました。

これは、我が皇子の本牟智和氣(ほむちわけ)を、出雲の大神さまへ遣わせねばならぬ……。

曙立王(あけたつのみこ)よ
素晴らしい「誓約(うけひ)」であった。
そなたの、霊力もたいしたものである。


同時に、曙立王(あけたつのみこ)の祈る力と、その霊力をたいそう驚かれて、その力を讃えて、次の名前をお与えになりました

倭者師木登美豐朝倉曙立王(やまとしきとみとよあさくらのあけたつのみこ)」

大和は師木の登美の豊朝倉の曙立王と、と名乗るがよい!

そして、曙立王(あけたつのみこ)よ、
我が皇子、本牟智和気(ほむちわけ)のことをよろしく頼む。
そなたの弟の菟上王(うなかみのみこ)と共に、
本牟智和気(ほむちわけ)に付き添い
出雲の大神さまへとお参り申し上げるのだ……。

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古代の息吹は今も 甘樫丘(あまかしのおか)


この「誓約(うけひ)」の舞台となった甘樫丘(あまかしのおか)。ここは、奈良県の飛鳥の中心になる、標高148mの丘です。
後の世でも、歴史の舞台として登場します。
その物語は、またいつか……。

甘樫丘(あまかしのおか)は、今も頂上からは大和三山の耳成山、畝傍山、天香久山や、明日香村が一望できます。

神様のご神意を問うために、曙立王(あけたつのみこ)が、全身全霊をかけて霊力を出した「誓約(うけひ)」
垂仁天皇の本牟智和気(ほむちわけ)への父としての愛情
そんな、“熱い”こころが、今も感じられそうですね。
神話は今も生きている、のです。

また、コロナが落ち着いたら、ゆっくりと飛鳥を散策して、甘樫丘(あまかしのおか)で、古代の息吹を体感してはいかがでしょう…

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―次回へ


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