見出し画像

倭姫命さま<一代記>?!「倭姫命世紀」ことの葉綴り 八九七回

お盆+一粒万倍日+神吉日

おはようございます。お盆の夏休みいかがお過ごしでしょうか? 私は先週少しお休みで今日からお仕事。その前に「ことの葉綴り」タイムです。
八月十五日(月)暦は、「赤口しゃっこう」で、お昼前後が吉。正午には、追悼、慰霊の時間をもちたいですね。十二直は「さだん」。物事の善悪が定まるとされる日。種まき、引越し、婚礼の取り決め、建築、開店、開業によし。二十八宿は、「ひつ」で、祭祀、お参り、建築工事のスタート、不動産の取得、葬儀に吉。そして、大吉日の「一粒万倍日」です。一粒の種をまけば万倍の稲穂が実吉祥日。何かを新しくはじめるのに良い日。
さらに、ご神事、お参り、お墓参り、ご先祖供養にいい「神吉日」です。
そして「終戦記念日」ですね。御霊に、ご先祖さまに静かに手を合わせたいですね。
皆さま、お一人お一人にとって心鎮まる一日でありますように!!


倭姫命さまの<一代記>

さて、今、こうして倭姫命やまとひめのみことさまが、伊勢の神宮を五十鈴川の川上に、天照大御神さまをお祀りされるまでのご巡幸の物語を、綴れるのも、「倭姫命世紀やまとひめのみことせいき」という、古典があるからこそです。
この教典の、成立の時代などについて、今では鎌倉時代のものとされています。
中には、史実ではないという研究者もいるようですが、一方、次のような研究者もいます。
国語学者・文学博士の中村幸弘氏の言葉です。 

ちょっと紹介します。

天照大神を奉戴して諸国を巡る、その旅は、時に、漫遊記のように読めてしまうこともあります。
これが神典かと思える楽しい読みものであって、そしてやがて、神道の哲学としての「清浄」や「正直せいちょく」なとが述べられていくことになるのです。
(略
神典『倭姫命世紀』は、読みものでもあり、神仏習合の過程を経たうえでの神道理論でもある、といえましょう。

中村幸弘著「『倭姫命世紀』研究―付訓と読解―」新典社研究叢書232 「序に代えてー『倭姫命世紀』作品紹介―より


中村氏は、この「世紀」という熟語も他に類を見ないとして、
さしあたって<一代記>ぐらいに解しておこうと思っています。ただ、その本文は、彼女が亡くなった後にまで及んでいきます」

とも続けています。


「ヒーローズジャーニー」として読んでみる

そうなのです。
難しい「神典」というよりも、私を始め、倭姫命さまのご巡幸が好きな人は、その旅が、いきいきと感じられるところに、とてもワクワクして魅力を感じるのだと思います。
<一代記>言い得て妙です。
神話学や神話心理学に「英雄の旅<ヒーローズジャーニー>」があります。英雄が困難な旅を成し遂げて成長するには、世界共通の「元型」がある、というもので、映画「スターウォーズ」や「ゲド戦記」をはじめ、多くの作品が、この「元型」にあたはまり、また、人の成長にもあてはまるとされています。

私は、この「ヒーローズジャーニー」として読み解き、感じることで、倭姫命やまとひめのみことさまの、ご苦労をされての艱難辛苦の旅を、共に歩む“相棒”や童女、また助っ人が現れ、悪い神を和まし、いく先々での出会い、喜び、不安、悲しみを感じ、そして、自分自身の人生の旅についても思いをはせることができると思うのです。

倭姫命さまについて知らないお友達にも、ご巡幸の話をすると、それは興味ある! 元伊勢お参りしたい! という人が多いです。

倭姫命さまがお祀りさせている倭姫宮やまとひめのみやは、ちょうどご鎮座百年です。
二千年の歴史ある伊勢の神宮をご創建されて、もっとも新しいお宮にお祀りされている倭姫命やまとひめのみことさまについて、知ってもらえたらうれしいです。

先行きが見えない時代だからこそ、迷い、不安を感じ、逃げ出したくなるときも、誰しもあります。
そんなとき、倭姫命やまとひめのみことさまの苦労されたご巡幸の旅の物語で、少しでも「なるほど~」ご自身の人生の旅と「同じだな~」なんて、また人生を歩む「ヒントになるかも」と、感じる点を発見してもらえたら、メチャクチャ嬉しい
です。

そして伊勢の神宮にお参りして、「倭姫宮やまとひめのみや」にもお参りされたり、ご紹介した「元伊勢」の神社にもお参りしてみよう! と思ってくださったら、とっても嬉しいです。

次回は、倭姫命やまとひめのみことさまと、初代の御杖代みつえしろ豊鋤入姫命とよすきいりひめのみことさまがお祀りされているところをご紹介します。

では、みなさま、終戦記念日、そしてお盆、佳き一日でありますように!



―次回へ。

この記事が参加している募集

一度は行きたいあの場所

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?