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盛り上がるお祭り! 天照大御神様の復活を願ひ④ことの葉綴り。其の百五

天児屋命の祝福の祝詞

おはようございます。雨音と小鳥のさえずりが聞こえる朝、「ことの葉綴り。」に向かいます。
さて、“神様も失敗して成長した”物語。

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天の石屋戸にお隠れになった天照大御神さまに、お出ましいただき、太陽の姫神に復活していただこうと、
高天原の八百万の神さまは、思金神の出した知恵で
「お祭り」をすることになりました。

神さまそれぞれに役割分担をしての準備が終わり、静かに座り、心を落ち着かせて、お祭りのスタートを待っています。


布刀玉命(ふとだまのみこと)が天の石屋戸前に立ち
八尺の鏡、八尺の勾玉(やさかのまがたま)、白和幣・青和幣で飾られた、「太御幣」を、天照大御神さまに、お捧げしました

勾玉が揺れて清らかな音色を闇に響かせていきます。
八尺の鏡は、月や星灯りを煌めかせていきます

これまで、悪神がはびこり、災いが満ちていた、「闇」とは、
すでに、なにかが違っています。
神さまの焚いたかがり火も、夜を照らし出していきます。
闇夜が、浄夜へと変化して、空気も清らかになっています

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そこへ、天児屋命(あめのこやねのみこと)さまが、しずしずと
天の岩屋戸前に進まれました

そして、「天照大御神さまに岩屋戸からお出ましください」と
誠心誠意のまごころをこめて、朗々とした声で、
「太詔戸言禱」(ふとのりとごと)という、祝福の祝詞を奏上
いたしました。

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天宇受賣命の裸踊り


知恵の神・思金神は、たいそう力持ちの天手力男神(あめのたぢからをのかみ)に、天の石屋戸の、天照大御神さまが、固く閉ざした石の扉の入口横に、隠れてたっているようにお願いしました。

そして思金神は、
「さあ、天宇受賣命(あめのうすめのみこと)さん、どうぞ、あなたの出番です~どうぞ~思い切り踊ってください!!!」と、
一柱の女神の背中をおして、勢いよく送り出したのです。

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八百万の神さまたちの前に出た天宇受賣命(あめのうすめのみこと)さまは、天の香具山の日蔭のさがりごけというつる草を、たすきにかけて、
長い髪には、天のまさきの葛を髪飾りにしています。
束ね結んだ天の香具山の笹の葉を手にして、
天の岩屋戸前に、盥(たらい)を伏せて、
とんとん、とんと、とんとこ、とんとん
と、リズミカルにその底を、足拍子を取って踏み鳴らしながら踊りだしました。
体を揺らし、腰を振り、足を上げて踊っていきます。

トントントトン トントトトントン トトントトン、トントン

どんどん、天宇受賣命さまは、神さまが、体に乗り移り、神がかりしたように、トランス状態になって踊られています。

お着物がはだけて、乳房もあらわになって
さらには、腰に結んだ裳の紐が、どんどん下がっていき
なんと、陰部が見えるほど垂れていきました!!

おおお~っっ!!!!

八百万の神さまたちが、一斉に、驚き、どよめきます。

天宇受賣命さまの、神懸かりしての裸踊りに圧倒されています。

あまりの驚きに息を呑んでいましたが、天宇受賣命さまは、堂々と恥ずかしがることもなく、ただ狂喜乱舞で、その場を盛り上げていかれます。

あっはははは~
わっははは~

いいぞ~!!


神さまたちは、高天原の大地が揺れるほどに
大きな笑い声をあげられて、天宇受賣命さまに大声援を送ります。

お祭りの盛り上がりは、最高潮に達しました。


一方、天の石屋戸の中に、お隠れになっている天照大御神さま。

なぜだ? 私が、引きこもったことで、光が消えて世界は暗闇になっているのに、なにをみんなは、楽しそうに笑っているのだろう?と、不思議に思われたのでした。

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―次回へ

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