二千年前神宮に想いを馳せる 倭姫命版ヒーローズジャーニー40ことの葉綴り一〇一二
大雪「閉空成冬」冬の到来!
おはようございます。十二月七日(水)は、二十四節気「大雪」です。冬将軍が到来して冬本番ですね。
七十二候では「閉空成冬(空寒く冬となる)」で、……今朝は、晴れていますが、まさしく冬の曇り空って、寒さを感じますもんね。
六曜は、「赤口」で、お昼前後、正午が吉。
十二直は、二日連続「破」で、物事を突破する日。人の説得、訴訟、家の取り壊しに吉。
二十八宿は「参」とかいて“しん”で、婚礼や縁談はじめお祝いごと、旅行、物の仕入れ、取引を開始すること、設備の工事に吉です。
そして、ご神事やお参り、お墓参りにいい「神吉日」です。
「大雪」の運気の転換期、皆さま、今日も佳日でお元気でありますように!!
倭姫命版ヒーローズジャーニー40
世界中に伝わる神話には、法則があり、それを「ヒーローズ・ジャーニー」と呼びます。
神話だけではなく、この法則は、世界的名作『指輪物語』『ゲド戦記』もそうですし、映画シリーズ『スターウォーズ』は、この法則を元に制作されました。
日本の神話、「桃太郎」もそうですね。
① 「分離 旅立ち」
② 「試練 通過儀礼、移行」
ドラゴンや悪魔、敵が現れる。それは自らの恐れとの戦いでもある。幾多の試練を、仲間と共に乗り越えて、主人公は、成長し、変容し、課題を完了し旅を終える。
③ 「統合・帰還」
主人公は、“英雄”となり、帰還する。
今から二千年前、天照大御神さまが、永久にお鎮まりになる宮処を探し、各地を、八十年以上をかけてご巡幸されて、やがて伊勢の神宮にお祀りされた、二人の皇女の旅の物語も、この「神話の法則」だと思うのです。
そこで、このシリーズでは、『倭姫命世記』を、“倭姫命版ヒーローズ・ジャーニー”として読み解いてきました。
皇女二代にわたり続けられたご巡幸。
やがて、天照大御神さまが、天上界の高天原にいらっしゃるときに、地上をご覧になられ、天の逆太刀、逆鉾、金鈴などを降ろされたところ……それが伊勢の五十鈴川の川上でした。
倭姫命さまは、叔母の豊鋤入姫命さまより引き継いだ、尊く重要なお役目を果たされて、天照大御神さまのご神意のままに、伊勢の五十鈴川の川上にお祀りされました。
それが、私たちが今もお参りすることができる「伊勢の神宮」の内宮(皇大神宮)です。
ご巡幸の旅を終えられた倭姫命さまは、天照大御神さまのお側の「斎宮」で、さらに、天照大御神さまのために、尽力されていきます。
まずは、高天原の機織りのままに、機織りの神の孫に、天照大御神さまに奉るお召し物を折らせます。
また、倭姫命さまが、伊勢の国の宇治に入られたときに、お出迎えをしてくれた地元の神々、櫛玉命、大山津見の山神、朝熊の水門の神たちが、皇大神さまに、ご馳走をさしあげます。
そのところにも神社をお定めになり、皇大神さまに奉る宝物を留めておくところとされました……とあります。
二千年前の伊勢の神宮
二千年前の伊勢の神宮……
どんなだったのでしょうね?
叔母から受け継いだ重責、お役目、神さまの御心にそっているのか?
悪い神との出会い、それを和め鎮め、困難な旅を続けられて、やっと、やっと天照大御神さまのお気持ちのままに、お鎮まりになる宮処!!
旅を終えられて、天照大御神さまのお側でお仕えされながらも、倭姫命さまは、さらに、大神さまのために、ご神饌探しに旅をされるのですが……でも、“還る”のは、天照大御神さまのお側の「斎宮」があります。
二千年前の、倭姫命さまがいらしたころの伊勢の神宮……。
私達がお参りする、ご正殿など、大きく立派になったのは、倭姫命さまより、のちの、天武天皇さまと持統天皇さまの御代の頃だそうです。
この頃、今にも受け継がれている、二十年に一度のすべての社殿などを新しくする「式年遷宮」の制度をつくられました。
天照大御神さまのご神体とされる、八咫の鏡、八尺瓊勾玉、草薙の剣は、ずっとずっと宮中で、天皇ご自身がお祀りされていたのです。
それを、第十代、崇神天皇さまの御代に、疫病が流行し、人々が都から離れ、人の心も乱れたことから、天照大御神さまのご神勅により、皇居の外へとお出ましになられたのです。
天照大御神さまのご神意のままに、お仕えしお祭する宮処を探しもとめる……それが、どれほどの重責か。
初代の御杖代の豊鋤入姫命さま、そして倭姫命さまが、果たされた使命の大きさ、偉大さ!
でもそのことを知る人は少ないですよね。
二年年前、
倭姫命さまがいらした頃の神宮……自然の豊かさ、五十鈴川の清らかさはかわりないかもしれませんが、ご正殿はじめ、建物はもっと質素だったでしょうね。
けれど、ご神饌などは、倭姫命さまが、心を込めて選び抜かれ、今にも伝わっている……。
変わらぬものと変化したもの。
2023年、伊勢の神宮の「倭姫宮」が、ご鎮座百周年の記念年なのです。
倭姫命さまのことを、知ってもらいたい、と願いを込めて綴っているのです。
―次回へ
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?