国魂(くにたま)宿る神の島 伊邪那岐・伊邪那美さま⑩ことの葉綴り。其の六一
神さまの「いのち」流れる国土~
超サボり屋さんの私ですが、GWの朝もnoteに向かいます。
神話は、そこで生きる人々の心理に影響を与えています。
神様も失敗をして成長した物語……
それは私たち人間にもあてはまる。
だって“経験”は人の生きる力を養っていくものだから……。
漢字も多いですが、今日もおつきあいください。
(感謝です)
初のご夫婦神となられた伊邪那(いざな)岐(ぎ)・伊邪那(いざな)美(み)さま。
高天原の天つ神諸に、ご相談した結果、
地上に戻り、結婚のやりなおしをされました。
その結果、大小八つの島が誕生します。
「まあ、立派な島が誕生しましたね」
伊邪那岐・伊邪那美さまは、
たいそうお喜びになられました。
初めての赤ちゃんを失われていたこともあり、
よけいに嬉しかったでしょうね。
私たちが今も暮らしている、日本列島
そのものの、「いのち」が誕生したのです。
それぞれが、その国土の、
国魂(くにたま)という神さまなのです。
私たちが「生きる」この列島全体に、
神さまの「いのち」が流れているのです。
前回も綴ったのですが、もう一度、
誕生した島の神さまのお名前と、
その島の神さまがどんな神さまかを
ご紹介したいと思います。
名は体を表すといいますが、
漢字からも、どんな国魂さまなのか
イメージしてみてください。
国魂(くにたま)宿る神の島
一、 淡路島
淡路の穂の狭別島(あはぢのほのさわけのしま)は、
稲の穂がいち早く実る島でした。
二 四国 伊豫(いよ)の二名島(ふたなのしま)
愛媛こと伊豫国は愛比売(えひめ)は、
美しい女神さま、美人さを育むという意味だそうですよ。
香川こと讃岐国は、飯依比古(いひよりひこ)は、
国魂が、ご飯の男の神さまだそうです。
香川は讃岐うどんが有名ですよね。
徳島こそ、粟国(あはのくに)は、
大宜都比売(おほげつひめ)
こちらは粟=食が豊作であるという女神さま。
阿波踊りも、あわ、ですね。
高知こと、土佐国は、建依別(たけよりわけ)
猛々しく若々しい男神さまのことです。
二、 島根 隠岐の三つ子島は
天之忍許呂別(あめのおしころわけ)
天に向かって柱をつきたてている男神様。
四 九州 筑紫島(つくしのしま)
福岡(筑前・筑穂) 筑紫国は、白比別(しろひわけ)
白々とした陽ざしを受けた若々しい神さま。
大分北部・福岡北部(豊前・豊後)
豐国は豐日別(とよひわけ)
こちらも豊かに若々しい陽ざしをうける神さま。
熊本・佐賀・長崎(肥前肥後)
肥国は建日向豊久土比泥別(たけひむかひとよくじひねわけ)
火の国熊本と呼ばれる肥の国。
力強い日を受ける神様。阿蘇山の噴火のことをさしているそう。
宮崎・鹿児島 熊曾は、建日別(たけひわけ)
建け建けしい(猛々しい)神様。のちに、薩摩隼人といわれますが、隼人は、御所の警備を務めたそうで、それだけ剛いイメージなのでしょう。
五 壱岐の島 伊伎島(いきのしま)は、
天比登都柱(あめひとつばしら)は
天に柱を立てて登る男神様
六 対馬 対馬 天之狭手依比売(あめのさでよりひめ)
優しい姫神さま。
七 佐渡島
なぜか、こちらのお島だけ、別名がないのです。それも不思議ですね~。
八 本州 大倭豊秋津島(おほやまととよあきづしま)は、
天御虚空豊秋津根別(あまつみそらとよあきづねわけ)
長いお名前ですが、秋になると、穀物が豊かに実るという意味。
大八島の誕生
「ほんとうに大きな、大きな島が誕生しましたね」
これら「大八島(おおやしま)国」
をお産みになられた
伊邪那岐・伊邪那美さま。
一つ一つの島へとお渡りになり
お名前をお付けになられたのでした。
「大八島(おおやしま)」とは、
私たちが暮らす、日本の神話からの名前でした。
そして、お二人のお暮しになる「おのごろ島」へ
お戻になられます。
そのときにも、また国生みを続けられました。
岡山県の吉備の児島は、「建日方別(たけひかたわけ)」
瀬戸内海の小豆島、「大野手比売(おおのでひめ)」
山口県の今の屋代島といわれる、大島は、「大多麻流別(おおたまるわけ)」
大分県国東半島の姫島といわれる、女島(ひめじま)「天一根(あめひとつね)」
長崎県の五島列島の知訶島(ちかのしま)は、「天之忍男(あめのおしお)」
長崎県の列島、両児島(ふたごのしま)は、「天両屋(あめふたや)
こちら、六島をお産みに成られました。
島の一つ一つに、男神・女神にわかれて
お名前があるのが、おもしろいですよね。
古代、国土、島も
たんなる”土地“ということではなく
それぞれに、国魂(くにたま)の神さまが宿る。
そうして大切にその土地と
土地、大地、自然の「いのち」を
大切にしていたことがわかります。
神生み
おのころ島に戻られた伊邪那岐・伊邪那美さま。
お産みになった島々を
それは嬉しそうに眺めていらっしゃいました。
伊邪那岐さまは
「これほど、よい島々ができあがった。
でも何も住んでいないのは寂しいことだね。
いろいろなものを住ませてあげたい」
伊邪那美さまも、大きく頷かれました。
「ほんとうに、そのとおりですね。
それではわたくしは、これから
ここに生きる神々を生みましょう」
そして、ここから伊邪那美さまは
石、土、砂、屋根、家、
海、川、風、雨、田、畑……
愛する我が子の国土に暮らす
自然の神々を誕生させていく、
「神生み」をなさったのでした。
―次回へ
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