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八咫鏡と八尺勾玉 天照大御神様の復活を願ひ③ことの葉綴り。其の百四

お賢木(おさかき)は、お榊


おはようございます。ネイビーブルーの夜明け前に目が覚めて、朝拝の後、仕事前に「ことの葉綴り。」のちょっとひととき、サボり屋です。
さて、“神様も失敗して成長した”物語。

天照大御神さまが天の石屋戸へお隠れになり、
真っ暗闇の世界になってしまいました。
高天原の八百万の神さまは“神さま会議”を開いて、
天照大御神さまのために、「お祭り」をすることになりました。

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「カケコー」と三回の鶏鳴三声(けいめいさんせい)で、
朝日が昇ってくるのを願います。
そして、ご神体になる「八尺鏡」と「八尺の勾玉(やさかのまがたま)」の御統(みすまる)の飾りを、おつくりになりました。

鹿の骨で「占い」で、天之御中主神さま(あめのみなかぬし)のご神意もうかがいました。

よし! 
智恵の神・思金神(おもひかねのかみ)をはじめ、
八百万の神々は、着々とそれぞれの役割を果たしていきます。

「思金神さま、このお賢木でよろしいでしょうか?」
「おお~なんと立派な!」
ある神さまは、天の香具山から
五百箇眞賢木(いほつまさかき)を一本、根っこから掘り出して、持ってきました。
これは、とても立派なお賢木(おさかき=お榊)のことです。
神社や神棚には、今もこの「お榊」を祭祀のときにご神前にお供えします。

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この「お榊」が、なぜ天照大御神さま復活を願うお祭りに、選ばれたのでしょうか?

理由は、お榊が常緑樹であること。
一年の四季を通して、枯れることがなく、瑞々しいからです。

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美しい「太御幣(ふとみてぐら)」完成!


この立派なお賢木の上の方の枝に、神さまが心をこめて手作りした美しく輝く「八尺の勾玉(やさかのまがたま)」の御統(みすまる)の飾りを吊るします。玉飾りが触れあう音が、清らかに鳴り響きます。

お賢木の中ほどには、これも神さまが丁寧につくった大きな「八尺鏡」を取りかけます。お鏡は、透き通るように輝いてピカピカです。
ちなみに、『日本書紀』では、『八咫鏡』と書かれています。

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そしてお賢木の下の枝には、木綿と麻の糸で織った白と青の布をつけて垂らします。これを、「幣(ぬさ)」と呼びます。神さまにお捧げするもののことです。
白と青の清らな布飾り。
白い布飾りを、白和幣(しろにきて)、
青の布飾りを、青和幣(あおにきて)といいます。

一本のお賢木は、天照大御神さまにお供えする
それは、それは立派な「太御幣」(ふとみてぐら)となりました。
写真がないので、絵でイメージしてみてくださいね。

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「あと、どなたか、たらいを持ってきておいてください」
「たらい? 何につかうのでしょう?」
「まあまあ、お祭りのおたのしみですよ」


これで、お祭りの準備が整いました。

いよいよ、お祭りの本番です。
支度を終えた八百万の神々が、集まっています。
神々は、静かに座り、心を落ち着かせていきます。

布刀玉命(ふとだまのみこと)は、八尺の勾玉(やさかのまがたま)、八尺の鏡、白和幣・青和幣で、たいそう美しく飾られた、
「太御幣」をしっかりと手にして、
天照大御神さまが、お隠れになっている、
天の石屋戸前に歩み寄られて、
美しく立派な「太御幣」を、岩戸屋にお捧げしました

その厳かな美しさ、玉の清らかな音色、御鏡の煌めき

八百万の神さまたちも、その美しさに大喜びです。

お祭りは、まだまだ続きます。

天照大御神さまが、早くお出ましになり、世界に光が戻りますように!!

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―次回へ


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