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元祖いじめられっ子 神様も失敗して成長した 大国主神① ことの葉綴り其の十五

元祖いじめられっ子の心優しき大国主神さま

「人生に失敗がないと 人生を失敗する」
人の痛みがわかる、心優しき、元祖“いじめられっ子”が経験した試練!
こんにちわ。更新復帰四日目。
“おこもり”から自立し再生し、太陽の大神に変容された天照大御神さま。
 甘えん坊のマザコン、傍若無人に暴力もふるった不良から、罪を背負い、困った人を救い愛する姫と出会った須佐之男命さま。
 そして、今日からは「因幡の白兎(稲羽の素兎)」の童話で知られる、大国主神(おおくにぬしのかみ)さまの、波乱に満ち、数々の試練の連続を乗り越えた物語です。
 出雲大社(いずもおおやしろ)にお祀りされている大国主神さまは、縁結びで有名。
大国主神というお名前になるまえは、大穴牟遅神(おほなむぢのかみ)と呼ばれていました。また大己貴神とも書きます。この大国主神さま、とにかくお名前もいっぱい持っていて。
そして、八十神(やそがみ)と呼ばれる多くの兄神に、いじめられていました。

みんな知ってる、因幡の白兎のお話


稲羽というところに、美しい姫さま、八上比売(やがみひめ)にプロポーズしにいくぞ~と兄神たち。大穴牟遅神さまは、従者として、多くの兄神たちの荷物をもたされて、それが重くて重くて……なかなか歩けず、兄神たちから遅れをとりました。

兄神たちから遅れて、ようやく稲浜の浜に到着してみると、うさぎが砂浜に転がって「えんえん痛い、痛い」と痛み苦しみ泣いています。
よくみると兎の毛はなくなり、素肌がまっ赤になってしまっています。
「どうしたの? なんで泣いているの?」と、たずねました。

 この白兎は、海にいるワニ鮫と、海を渡る競争をして、ずる賢くふるまい、ワニ鮫をだましたことで、かれらの怒りをかい、白い毛をむしりとられてしまっていました。
ようやく逃げ出した白兎が、痛みに苦しんでいるのを、大穴牟遅神よりに荷物をもたせて先に通りかかった八十神たちが見つけます。そして
「あれ? どうしたの? それなら海水を浴びて風にあたって寝てればいいよ~」と教えます。
 まさか「嘘」だとは知らずに、その通りにしたところ、傷に海の塩水がしみこみ、風がその痛みがひどくなって泣き苦しんでいたのです。

 そこに通りかたったのが、兄神たちの荷物を背負わされた大穴牟遅神さま。
心優しく、情け深く親切な神は、この白兎の話をゆっくりと聞いてあげます。そして
「それは大変だったね。かわいそうに。では私が助けてあげましょう。今すぐに、河口にいって真水で体を洗いながしなさい。そして蒲の花の花粉を取ってきて巻いて、そこにくるまって寝て休んでいれば治りますよ」
と、白兎の体が癒えるまで、ともに看護してあげたのでした。
この蒲の花の花粉は、薬草でもありました。
兄神たちからは、いじめられていても、この大穴牟遅神さまは、傷ついたものを受け止め傾聴し、そして医薬のスキルもあったのです。

 そして傷が癒えて元気になった白兎に、「もう嘘をついてはいけないよ」と諭します。

 助けられた白兎には、未来を見通す力がありました。
「ありがとうございます。大穴牟遅神さま、あの八十神のお兄さんたちは、八上比売と結婚することはできないでしょう。あなたがご結婚するでしょう」と、かわいらしい手を合わせて、大穴牟遅神さまを、見送りました。

 という困ったものがいるとその傷や、そのものの悲しみに寄り添える心優しくナイーブな青年神さま。そして癒せる知恵ももっていました。
自分も傷ついたことがあるからこそ、優秀なカウンセラーでもあったのですね。
 
 大穴牟遅神さまの、成長物語は、まだまだ続きます。

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