見出し画像

神様も失敗して成長した 伊邪那岐命・伊邪那美命① ことのは綴り 其の四七


この世の始まりと神さまの誕生


おはようございます。更新復帰34回目。テレワークのおかげで日々綴っています。
神話の神さまも“失敗”されていた……神さまも神との出会いから成長されていく物語。
今日から、神話でも、初めてのご夫婦神となられた伊邪那岐命・伊邪那美命(いざなぎのみこと・いざなみのみこと)さまをご紹介します。


伊邪那岐命(いざなぎのみこと)と、伊邪那美命(いざなみみこと)さまは

神代七代(かみよななよ)と呼ばれる、性別をもって生まれた神々の一組なのです。そして、「国生み・神産み」をされていきます。

ではこの「神代七代」とは? なんでしょう。

この七代の前には、「別天つ神(ことあつ神)」とよばれる
五柱(いつはしら)の神さまがいらっしゃいます。

さらに、その前に、三柱(みはしら)の 
お身を隠されたままの神さまが

いらっしゃるのです。

「神代七代(かみよななよ)」の伊邪那岐命・伊邪那美命さままで連なる
「別天つ神(ことあまつかみ)」の五柱、
そして、三柱の神さま
最初に、この世に現れた神さま……


七、五、三、一

まずは、
この世の成り立ちから
お話ししたいと思います。

神話の『古事記』の冒頭にはこう。あります。

天地(あめつち)初めて發(ひら)けし時、
高天(たかま)の原に成れる神の名は、
天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)
次に高御産巣日神(たかみむすひのかみ)。
次に神産巣日神(かみむすひのかみ)
この三柱の神は、
みな獨神(ひとりがみ)と成りまして、
身を隠したまひき


天と地がまだ分かれていない状態
陰陽もわかれず
混沌(まろかれ)が
広がっっている。

そして、ようやく天と地とに分かれたとき
天界の
宇宙の
その真ん中に
高天原(たかまがはら)という天上界の
中心の主宰神である
天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)が
立ち現われました。

と、いうことです。

画像2


これって、宇宙のはじまり?!


キリスト教などの唯一神の世界の成り立ちでは
「神さまがこの世界を創造された」とありますよね。

一方、私たちの先人たちの記した神話によると
神さまが世界を「創った」のではないんです。

自然とこの世界が生成されたという
「自然生成」というのががあって、
そこに、天の真ん中に神さまが生まれたとあるのです。

お医師者さまから、神職になられたて、
奈良県の春日大社の宮司をおつとめになられた
故 葉室頼昭さんは、著書『神道見えないものの力』の中で、
こう述べています。

たったこれだけの文字で、百五十億年昔に
宇宙の中心に
天之御中主神という神さまがいらっしゃって、
その心によってすべてがスタートした。
(略)
すべて『古事記』というのは、神さまが造ったとは書いていないんです。
いろいろな神さまが生まれてこられたと書いてあります。
まさに、その通りであって、
最初に神さまから出てきたというのは
素粒子という波動でしょう。


と、物質の一番最小の単位で、一人神としてあり
「身を隠し」目に見えないと書いてあることはすごい! 
と、続けられているのです。

おもしろいとおもいませんか?

20200417空光IMG_2231

産霊(むすひ)のちから

そして次に現れたのは、
高御産巣日神(たかみむすひのかみ)さまと、
神産巣日神(かみむすひのかみ)さま。

これは、大国主神さまの命をお助けになった”恩師“として登場された
神産巣日神さまです。
そこで、少し紹介しましたが、

「産霊(むすひ)」のこと、覚えていますか?
産む
生成する
育てる
結ぶ

このどちらの神さまも、森羅万象の万物の誕生・生成を司られます。

この世のあらゆることが、この二柱の神さまの「むすび」により生み出されたもの。

例えば「むす」は、「生す」を意味します。
ムスコ ムスメ
おむすびは、お米一つ一つが結ばれて、おむすびに成る

先ほどの葉室頼昭さんは、こうおっしゃられています。

次に『古事記』では、高御産巣日神、神産巣日神という結びの神が現れて、
一人神を結びつける。
そして、ものができてくる。
いろいろな素粒子が結びついて原始の核というものができて
一つの原子というものができるでしょう。
(略)
この発想は本当にすごいと思います。
決してあれは架空の物語ではなく、
宇宙誕生の歴史を最初からやっているのが、
『古事記』の最初の神代篇なのです。
そして、最後に出てくるのが
伊邪那岐命、伊邪那美命ですね。
そこに至ってはじめて人間というものがでてくるわけです。

**

天地開闢(てんちかいびゃく)**

最初に、混沌jとした宇宙の真ん中に

天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)という神さまが現れて

次に、高天原という天上界を創造する
産霊(むすひ)の高御産巣日神(たかみむすひかみ)さまと、

葦原中つ国という地上を創造された、
産霊(むすひ)の神産巣日神(かみむすひのかみ)さまが、
いろいろなものを、産み生成されていったのです。

そして、この三柱の神さまは、
この後にでてられる、伊邪那岐命・伊邪那美命さまのように男女の二柱でご一緒なのではなく、
性別のない単独の「独神」(ひとりがみ)で、
お姿をあらわすことはなかったのでした。

天地開闢(てんちかいびゃく)とは、
天と地が分かれたときに初めて神さまが現れて、神代七代までのこと
をいいます。

今日は、初めの一、三の神さまをご紹介しました。

私たちの「いのち」の大元
この世の、成り立ちのはじめ。

なんと、宇宙にまで話がいくなんて思わなかったのでしょう?

これが、神話では、初めの三行で記されています。
三行です!! 三行で宇宙のはじまり!

自宅におこもりする中でも、
窓を開けて、宇宙の創生に思いをはせてみませんか?
イメージの羽を羽ばたかせませんか。

さて次は五の「別天つ神」(ことあまつかみ)のことをご紹介します。
日本初の伊邪那岐命さま伊邪那美命さままで、まだあるのです(^^)

―次回へ

20200417空海IMG_2052



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?