#100文字の世界
弁当よりも嬉しいのは
敬老の日ということで昼食を松花堂弁当にさせていただく
いつもよりちょっぴり豪華なご飯に入居者の顔もほころぶ
おやつに紅白饅頭をお出しする
さらに顔がほころぶ
でも今日1番ほころんだのはお孫さんに会った瞬間だ
充電
知事が政府に対し緊急事態宣言を要請した
来週には適用になるだろう
その影響から今週末面会に来られるご家族が多い
宣言が逆効果だと言う人もいるが僕はこれで良いと思う
これからの長い戦いに備えて気持ちを充電しよう
誰でも良いわけではない
「頭をなでられて『お前は可愛いなぁ』って言われた!」
「後ろからお尻を触られた!」
セクハラチックな行動が目立つ利用者がいる
「私もされたら嫌だわ~!怖いわ~!」
そんな人ほど何もされず無事に帰ってくるもんだ
落とし物
食堂で考え事をしながらボーっと床を見つめていると
誰かが薬でも落としたのかと思ったのか、僕の目線の先を入居者たちが必死で探してくれる
何にも落としてはないけれど、その優しい姿に温かい気持ちを拾った気がした
天才
「エアコンから変な音がします!」
はいよー
「トイレが詰まっています!」
よしきた
「印刷がうまくいきません!」
任せといて
「コッシーさん何でもできますね!」
出来ない事は何もない、やっぱ天才だな
…グーグル先生は
コッシー、歳なのにお仕事で腰を酷使し星となる
パーキンソンの男性が新しく入居された
病気が嘘のように軽快に歩いていた
明くる日
その反動で動けなくなったと言う
固まった約70kgの入居者をベッドから車椅子へ移乗する
そして腰がご臨終した
ソロ~リ生活が始まる
ポムポム。
入居者がデイサービスから帰宅する
「今日はデイで何をしましたか?」
おかえりと一緒に今日の出来事を聞く
「今日はね、ポムポムを作ったんよ」
ポムポム?戸惑う僕に入居者が見せてくれたのは
想像以上のポムポムだった
訃報…でもありがたい
1年前に退去された方の娘さんが突然施設を訪問される
「母が先日、息を引き取りました」
入居者の訃報を教えてくれた
穏やかでとても優しい人を想い寂しくなる
ただ、わざわざ伝えにきてくれた家族の気持ちに嬉しくなる
似て非なるモノ
みんなでアマビエのマスコットを作っていた
「アマエビ可愛いね」
「アマビエね、アマエビとアマビエじゃ全然違うよ(笑)」
利用者のおとぼけに場が和む
「ウコンとうんこくらい違うね」
「…は?」
和んだ場をぶち壊す僕