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オカルト? 「性エネルギー」について。性エネルギーの転換・昇華など

今回は密教(タントラ)に関する怪しさ満載の話題です。「性エネルギー」ネタです。学研のオカルト雑誌にありそうな話題です。

この「瞑想する人」noteにおいては、普通の瞑想の話題は、もう枯渇しつつあります。
瞑想のやり方、効果、精油(アロマテラピー)の活用、ヨガ、呼吸法、気功といった真面目な良い子向けの話から、宗教的体験・神秘体験、内丹(仙道)の小周天、ヴィム・ホフ・メソッドといったマニアックな話題まで記事にしてきました。

もう基礎的な話は尽きたようです。

今年からは密教(タントラ)などさらにマニアックかつdeepなことをnoteにできればと考えています。

用語解説:密教(タントラ)など

ただ正直に言いますと、密教についての思索はつまずきがちの状態で、十分ではなく整理もされていません。この性エネルギーについても思索がまとまっていません。
今年のnoteについては、おそらく更新ペースは随分と落ちていくだろうし、記事数も少ないと思います。


性エネルギーとは?

性、生殖およびその衝動・欲求に関して、特に密教、オカルトやスピリチュアル、ヨガ(ヨーガ)それに一部の自己啓発においては「性エネルギー」として注目されることがあります。

人体における神秘的な生命エネルギー、もしくはその源のような意味で、「性エネルギー」という言葉が用いられることが多いです。
語弊があるでしょうが、フロイトのリビドーのオカルト版みたいなものです。

これに関してシャクティ、クンダリニー(クンダリーニ)、蛇の力(サーペント・パワー)、チベット密教のツンモ(チャンダーリーの火)、気功・内丹(仙道)の「精」「気」、陽気、などといったものがあわせて言及されることがあります。
 関連:ヨガ、気功、呼吸法についてのnote ↓ ↓

密教ではこういった力を活用することによって、特殊な意識状態を得て修行に役立てたりするとされます。
オカルトなどにおいては「高次元の意識」を実現したり、潜在的・超常的な能力を開発したりすることができるんだ!と主張する人もいます。


著書『思考は現実化する』で有名なナポレオン・ヒル ――Wikipediaの説明を読むと、トンデモ系の胡散臭い人物なのかなと思ってしまいますが―― も性エネルギーに言及しています。

彼は「若い内は欲望で浪費してしまうが、だいたい40歳以降は落ち着いてきて、このエネルギーを上手く活用できるようになり、社会的成功のための原動力にすることもできるんだ」といったような内容のことを述べているようです。


また厨二病の症状の一つだと思われるのですが、笑、「 オナ禁 」なるものをする男子がいるようです。笑。
これも性エネルギーの話題なのかもしれません。

高須クリニック 高須幹弥氏が語る

ホントにあるの?なぜ「性」なの?

では本当にこのような神秘的な性エネルギーなるものがあるのでしょうか?それともトンデモネタなのでしょうか?

私は、少なくとも密教においては、性エネルギーに該当する体験はあるとしています。
上で述べたようにシャクティ、クンダリニー(クンダリーニ)、陽気などの「生命エネルギーの体験」が該当します。

ではなぜ「性」エネルギー、つまり「性」なのかですが、これはこの「瞑想する人」noteにおいては、このような生命エネルギーの人体における重要な起源の一つが性・生殖に関する神経生理システムにあるからだとしています。

さらにこのような生命エネルギーの体験においては、性を連想させるような精神的・感情的な、身体的な体験がともなうこともあります。

なのでこのような体験に関して、「性エネルギー」という表現を用いるのは理解できることではあります。

性エネルギーの転換・昇華? ―― 性欲の昇華?

心理学に関するであろう、ある種の領域では「性欲の昇華」というものを説く人もいるようです。

つまり性欲のような原始的・本能的な欲望・衝動を、社会活動や芸術、発明など、より人間的で高度な活動や目的、創造性のために振り向け昇華するというものです。

このような観点において「性エネルギーの転換、昇華」といったのも、やはり主張されます。

こういったことはあるのでしょうか?

これに関しては私の思索は、まだ未熟な状態です。
そのような本能的な欲望を社会活動や創造的な活動のために昇華できるかどうかは、私は言及のしようがありません。
なのでこれについては今回のテーマではありません。

しかし密教においては、「性エネルギーの転換、昇華」に該当する体験はあるとされます。
密教における生命エネルギーの体験がまさにそれです。

本来ならば性欲として、いわば「淫精濁気」として下に流れるものを押しとどめ、逆流させ転換して生命エネルギーにするような感覚です。

個人差はあるとは思うのですが、生命エネルギーの体験者はしばしばこのような主観的感覚を実際に体験します。

関連note:第2チャクラ(セイクラルチャクラ、スワディスターナ)


トンデモオカルトな与太話――アドルフ・ヒトラーと性エネルギー?

ヒトラーおよびナチスドイツについては、どことなく神秘的な雰囲気があるためか、オカルトのネタになったりしています。
私も以前オカルト与太話のネタにしました。→→ 宗教的体験、神秘体験、無意識、内なる意識の影響


実際には、ナチスの中にはオカルト愛好者はいたようですが、ヒトラー自身はオカルティストではなかったようです。
ひょっとすると北欧ゲルマン神話に関連する独特な信仰めいたものか憧れくらいは持っていたのかもしれませんが、占星術を含めオカルト全般をバカにしていたようです。

ヒトラーとロンギヌスの槍に関するオカルト話も、トレヴァ・レヴンズクロフトという経歴詐称のエセ ジャーナリストなどオカルティストの戯れ言だとされています。

また日本には神秘的な秘密結社「緑龍会」というものがあり、ナチスと関係していたといったオカルト話がありますが、これはフィクションがネタになっています。

たしか戦後にフランスかどこかで出版されたフィクション小説が元ネタだったハズです。もちろん緑龍会もフィクションの創作です。
この緑龍会に関しては、オカルト界隈で今でも話が膨らんでいるようです。


ただヒトラーの雰囲気には神秘的なところもあったようで、上で紹介してリンクを貼った記事にもありますが、ユングは彼を「シャーマンのようだ」と言いましたし、同時代の人の中には彼を「政治家と言うよりかは神秘主義者だ」とか「催眠術師」「霊媒」と言った人もいます。

またオカルトや神秘的なことを完全否定ではなかったのではという見解もあります。
これに関しては例えばヒトラーの秘書だったトラウデル・ユンゲによる証言もあるようです。

“ トラウドル・ユンゲが亡くなる前年の夏、筆者は直接彼女から詳しく話を聞く機会を得た。......
  ヒトラーの蔵書を調べる過程で、筆者は超自然的現象を扱った数冊の本を発見した。......
   ...... ユンゲは、世界を動かす人知を超えた力にヒトラーはいつも変わらぬ関心を抱いていた、プライベートな時間はそれに没頭していた、と確信した。  ” 『ヒトラーの秘密図書館』 ティモシー・ライバック 著 赤根 洋子 訳 文藝春秋 注p.362

このヒトラーなんですが、もちろん与太話ですが、性エネルギー(性欲)を昇華していたんではないかなぁ、とも見えるところがあるようです。

ヒトラーと性に関しての逸話は、いろいろとあって、完全にノーマルといったものから漁色家だったというものもあります。

しかし一方で、禁欲的だったという当時の人の証言もあるのです。
これに関しては不能だったという説があります。ほかには性的マイノリティだったという見解もあります。

書籍『ヒトラーの秘密の生活』( ロータル・マハタン 著  赤根 洋子 訳 文藝春秋 2002)にはヒトラーの最後の恋人であり妻となったエヴァ・ブラウンのナチス通訳官に対する発言があります。

以下引用:『ヒトラーの秘密の生活』p.409~

“ 「彼は聖人よ」「肉体的な接触を考えるだけでも、彼にとっては自分の使命を汚したことになるの」”

“ 「私のただ1人の恋人はドイツだ。ほんの一瞬でもそれを忘れたら、私の使命の神秘的なエネルギーは破壊されてしまう」”(とヒトラーはエヴァ・ブラウンに語った)


さらにヒトラーの青年時代の親友とされるアウグスト・クビツェクの回想録『アドルフ・ヒトラーの青春 親友クビツェクの回想と証言』には「生命の炎」といった奇妙なものに言及されています。

クビツェクによると青年時代のヒトラーは女性に人気があったけれども、どうしたわけだかそれを拒んでいたようなのです。
ヒトラーは「生命の炎を純粋に保つ」というような奇妙な信念を持っていたようです。

以下引用:『アドルフ・ヒトラーの青春 親友クビツェクの回想と証言』(アウグスト・クビツェク 著  橘 正樹 訳  三交社 2005  p.337~ 第22章 女性に対するアドルフの態度)

“ ......「生命の炎」です! 愛であれ、結婚であれ、男女間の問題であれ、いつでもこの呪文のような文句が出てきました。「生命の炎」を純粋で無垢なままに保つことが、アドルフの思い描く理想国家の重要な使命なのです。......

......「生命の炎」は人間の間に生まれた崇高な愛の象徴なのです。”

(ヒトラーは)“ 孤独でありつづけ、修道士のような禁欲生活の中で......神聖な「生命の炎」”(を純粋に保ち続けたのです)


さて、この性といったことに関して「生命の炎」という表現は奇妙なものではありますが、内丹(仙道)であれ、ヨーガであれ、チベット密教であれ、なんらかの方法で生命エネルギーの実体験のある人からすると、まぁ、むしろしっくりくる表現なのではないでしょうか?

以上ヒトラーに関するオカルト与太話でした~。

関連note:生命エネルギーのサイキックな現象!? アドルフ・ヒトラーの霊力!?

性エネルギー(生命エネルギー)とチャクラ、節制

ヨーガなどでは人体の神秘的な生命エネルギーの重要な中枢として「チャクラ」なるものが説かれています。関連note↓↓

しばしば脊椎基底部、会陰部付近のムーラダーラチャクラにそのようなエネルギー、クンダリニー(クンダリーニ)・シャクティが眠っていて瞑想や呼吸法などによって目覚めるなどと言われています。

そして密教的な意味における性エネルギーの転換・昇華、チャクラの活性には節制(性の節制つまり禁欲)が必要であるという見解があります。

これについては小周天のnoteでも触れました。

「内丹(仙道) 小周天。高藤聡一郎 氏の仙道など」>節制(禁欲)について

素質・体質、若さ、精力、個人差はあると思いますが、この見解はおおむね正しいと思われます。


さて、ムーラバンダのnoteで触れたアイアンガー ヨガの創始者、B.K.S.アイアンガー師の言葉を再び。

“ ......たとえ正しく行ったとしても、ムーラ・バンダにはそれなりに危険がある。性欲を増加するので濫用する危険がある。この誘惑に負けてしまうと、眠っているへびが棒でつつかれたように欲望が目覚め、致命的となる。 ”

引用:『ヨガ呼吸・瞑想百科   プラーナによる心身のバランス回復』B.K.S.アイアンガー 著 沖正弘 監訳  沖正弘, 後藤南海雄, 玉木瑞枝 訳  白揚社 2004 p.159

“ この三つのバンダを習得したときが、ヨギにとって自分の運命の分岐点であるといえる。ひとつの道は世俗的な楽しみへとつながり、他方はヨガつまり最高の精神(神)と結びつく道である。 ”  同上

“ ヨギは自らの創造主へ強くひかれるものであるが、凡人の場合は、感覚は外に向き物質にひかれ享楽の道を歩んでしまう。しかし、この方向は転換可能であり内に向かうとヨガの道を歩むことになる。ヨギの感覚はあらゆる創造の源に会うために内に向いている。”  同上  

心身の不調に苦しんだ有名な音楽家のユーディ・メニューインを助けた逸話のある優れたヨガの指導者のアイアンガー師ですが、生命エネルギーといったものを扱う密教のヨーガの指導者ではなかったように思われます。

上のコメントもおそらくプラーナ、シャクティ、クンダリニーに関する伝承的、文献的な知識によるものだと思われます。

一部の素質・体質のある人を除いては、機械的にバンダやこれをともなったプラーナヤーマを少しくらいした程度では、生命エネルギーに関する活動・現象はほとんど生じません。

上のアイアンガー師のコメントは少しばかし大げさな気もします。

しかし真実も含まれます。

生命エネルギーに関する実践においては、節制が必要とされることが多く、このことでも人によっては心理的、身体的なプレッシャーや混乱が強く生じることがあります。

さらに生命エネルギーに関する実践それ自体が、衝動を高めることがあります。

そのため「性欲が増加し」「棒でつつかれた蛇のように欲望が目覚める」といったことは、あり得ないことではないです。


しかし個人差はあるのかもしれませんが、スワディシュターナ以上の段階になると、精力、衝動自体が弱まったり無くなったりするわけではないのですが、節制がより容易になることがあるようです。

そのような衝動、活動力が生命エネルギーの方へ転換されるように感じられるからです。


関連note:歓喜の精神性


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