瞑想で性機能のメンテナンス?
私はこういったことをブログ他で言及するのは得意ではないのですが、そう言えば、と気づいたことがあり、瞑想に関して、まぁこういった話も役に立つ人もいるかも知れないと思いnoteに。
瞑想はしばしば仏教と関連づけられて話題にされます。マインドフルネス瞑想も仏教の瞑想をもとにジョン・カバット・ジンが提唱したものです。
仏教は禁欲的なイメージもありますが、瞑想の効果効能に関してはどうなのでしょうか?
えっ?瞑想で精力・衝動回復?
かなり前に私の知人から聞いた話です。
その知人に医者(勤務医の男性)の知り合いがいました。その医者から多忙で疲れが取れないと聞いたので、瞑想をすすめたことがあるそうです。
その頃はまだ今ほど瞑想が認知されておらず、その健康効果も社会には知られていなかった時期です。
私の知人は座禅や健康目的の呼吸法などの経験があり、その経験からすすめたそうです。
しばらくしてその医者から報告があったそうです。
その医者は多忙で短時間しか瞑想できないし、例え瞑想したとしても眠くなって寝てしまうことが多く、キチンと瞑想できないことが多かったそうです。
しかしそれでも瞑想するとスッキリすることが多かったので、瞑想自体は例え数分でも続けていたそうです。
疲労回復には、それなりには役立ったようです。
疲労回復だけではなく、さらに興味深いことも報告したそうです。
その医者(詳しい年齢は分かりませんが、30代後半以上であったはずです)が言うには瞑想するようになってから、年齢的なことだけでなく疲労、ストレスのせいで萎え気味だった衝動が戻ってきたそうです。
その医者は「元気になった」と知人は笑いながら話してました。
気功やヨガなどにおいても
瞑想によって精力、衝動が高まることがある、ということは気功においても言われています。
私は以前短期間ですが、気功を習っていたことがあります。
気功といっても色々あって、健康太極拳のようなものもあれば、スピリチュアル系の人が勝手に始めたようなものもあります。
私が習っていたのは中国人(気功老師)の教える「内丹派」の医家気功(中国伝統医学と関連が強い気功)でした。
内丹派は健康太極拳のような動功よりも瞑想(気功では静功などと呼ばれる)を重視することが多く、その気功においても瞑想が重視されていました。
気功(および中国の伝統的な養生法)の一般的な知識においては「精・気・神」というのが提唱されています。
精は精気や摂取した栄養素といったもので、気は精がもとになって生じる活動力、元気のようなもので、神は精神思惟を含めた心身全般の状態であるなどと説明されます。
「練精化気、練気化神」精を練って気となり、気を練って神となる、などと言われています。
伝統的な内丹派においては、こういった「精・気・神」をマニアックに追求するところがあります。
私の習っていた内丹派の気功においても、やはり重視されていました。
特に精と気が性活動と関連するものとされ「気功によって気の活動が高まり、それによって性欲が高まることがある。しかしそれで精や気を浪費してしまうのは良くない」みたいなことを言われました。
こういったことはヨガにおいても言われています。
ヨガにおいては呼吸法や瞑想によってシャクティ(性力)が高まることがあると言われています。
さらにこのシャクティに関してクンダリニー(クンダリーニ)という神秘的な生命エネルギーがあるなんてことも言われています。
瞑想と性に関する神経生理
私は酷いうつ不安になったことがあり、回復には瞑想が役立ったと考えています。
うつ不安症では性欲が減退することは、少し知識・経験のある人なら知っていることです。
私もそうでした。
症状が酷かったので性欲は焦土と化していました。
しかし瞑想によって回復するとすぐに戻ってきました。悩ましいことです。
他にもいろいろと見聞きし体験したことから考えると、疲労やストレスによる心因性の精力・衝動減退の場合には瞑想や瞑想のようなリラクゼーション法が有効なこともあるのでは、と思います。
そもそも体験的にも人体の生化学的にも長期に渡るストレス、疲労感、気分の落ち込みなどといったことと、性的な活動・衝動が拮抗するということは知られていることです。
瞑想や他のリラクゼーション法が有効かもしれないというように簡単に提案できそうです。
また瞑想とアロマテラピー・精油を扱った記事の「アロマ精油の脳・神経生理への影響と瞑想」のところで少し触れましたが、瞑想は本能的情動や自律神経、内分泌にとって重要な脳部位に影響するであろうことを考えると、性に関係する神経生理にも影響があるかもしれません。
例えば大脳辺縁系は本能的情動の中枢であり、オーガズムにも関わるとする知見があります。
視床下部は多くの重要な神経核からなり、自律神経系や内分泌系の中枢です。この視床下部には「性的二型核」という性的な活動・衝動の中枢があります。
自律神経に関して言えば、男性の場合は勃起(女性の湿潤も)が副交感神経で射精が交感神経の活動によるというわけで、つまり重要な活動がズバリ自律神経支配なわけです。
瞑想などによって重要な脳・神経生理に良い影響があれば、性的な面においても恩恵があるかもしれません。
アロマテラピーは既にそういったことを目的として用いられています。
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瞑想が例えばソファーに座って眼を閉じてゆっくりするというようなリラクゼーション法とは、違ったところがあるだろうという私の主観的な意見は、初心者向けの瞑想のやり方を示した『瞑想の書』でも少し触れました(特に第3章【 瞑想態 】瞑想によって生じる心身の特殊な状態)。
私個人は瞑想は、瞑想の種類におよりますが、特に弛緩に偏る種類のリラクゼーション法とは同一のものではないと考えています。
適度にリラックスしないと上手く瞑想には入れないですが、一方で弛緩ばかりで適度な活性がないと集中状態が無くなってしまいます。
安定した瞑想状態に入り、その状態がある程度の時間続くような瞑想の場合には、それが睡眠を連想させるような弛緩に偏ったリラクゼーション法と同一であるとは、私には到底考えられないです。
この瞑想における弛緩と緊張(活性、集中)のあり方が、自律神経の働きにも影響を与え、さらに視床下部や辺縁系にも及ぶかもしれません。
ひょっとすると性的機能の強壮にも働くかもしれません。
禁欲的な宗教によっても実践されてきた、ということを考えると奇妙にも思えますが、瞑想は性機能のメンテナンスにも役立つかもしれないと思うところです。
ヨガと瞑想を用いた方法
疲労やストレスなどによる心因性の精力、衝動の減退には瞑想などを試してみるのも良いかもしれません。
他に原因があったり、過度な疲労やストレスの原因となる状況を少しでも変えなければ意味は無いかもしれませんが、上手くいけば上述の医者のように効果があるかもしれません。
精力減退にはしばしば精力剤、栄養剤が用いられたりします。またアロマテラピーでは性的な高揚を煽るとするイランイランの精油などがすすめられたりします。
しかし疲労・ストレスなどによる減退の場合には、まず精力や官能を刺激するよりも、心身の深いリラクゼーションによって、自律神経などの脳・神経生理の良い状態を取り戻すことに集中したほうが良いのではと思います。
刺激はその後で良いのではと思います。
リラクゼーションとして、ここでの提案は2つです。ヨガ(静的ストレッチ)と瞑想です。
【ヨガ】
ヨガの後に瞑想をします。もしくは最後のシャバアーサナを長めにして眠気が生じたら就寝でも良いです。
ヨガや瞑想にジックリと時間をかけられる人はそんなに多くないと思います。ポーズは少なくても良いです。
しかしリラクゼーションを重視するためにポーズの維持とシャバアーサナは大切にして下さい。
瞑想を省略する場合は、最後のシャバアーサナを少し長めに丁寧にします。
【瞑想】
ここでの瞑想はマインドフルネス瞑想でなくても良いです。
軽く呼吸に意識を向けてリラックスをするシンプルな瞑想をすすめます。私はこれを「基本的な瞑想」として日課としています。
瞑想の姿勢をとり、呼吸を緩やかにし、心を落ち着けて瞑想しましょう。
しばらくしていると瞑想特有の心地良さが生じるので、その状態のまま続けましょう。
雑念は受け流すように、とらわれないようにしていると自然に瞑想が深まっていきます。
15分~20分くらい瞑想できれば効果があると思います。初めのうちは数分でも良いです。途中で眠くなったらそのまま就寝で構いません。無理に瞑想しても意味はないです。
瞑想は禅や、気功でやるような丹田に意識を置いて瞑想するようものでも良いと思います。
初心者にはヴィパッサナー(観)よりサマタを勧めます。
この基本的な瞑想は上手くやると、リラクゼーションが得られるだけで無く、ひょっとしたら自律神経の強壮にもなるのではと個人的には考えています。
シンプルですが効果的な瞑想だと思っています。
アロマテラピーの利用も
好みにもよりますが、ヨガと瞑想によるリラクゼーション法にアロマテラピーを加えるとさらに効果的かもしれません。
私の体験上はアロマ単体では、つまり精油を香らせるだけという程度ではヨガや瞑想による方法よりも劣ると思います。
ヨガや瞑想と併用した方が良いです。
リラックスするにしても受動的だけで無く能動的でもあった方が良いと思います。
例えば自分の好きな明るめの音楽を聴けば、気分が良くなりウキウキします。その時には脳内でも快感物質が分泌されているかもしれません。
ストレスも解消され、自律神経も整い、健康にも良いかもしれません。
これは受動的な態度です。
さらにこの時に音楽を聴きながら自分でも歌ったり踊ったりすれば、もっとウキウキしませんか?その時には受動的な時よりも、もっと明確な脳・神経生理の状態があると思います。
これは能動的な働きかけも加わったものです。
このように楽しい気分であれリラックスであれ、心身に特定の状態、特定の脳・神経生理の状態を生じさせるためには、受動的な態度に加え能動的な働きかけもあった方が効果的だと思います。
香り・匂いは感情、情動、自律神経をつかさどる脳部位に働きかけるため、アロマテラピーはリラクゼーション法においても有効だと思います。
ヨガや瞑想にあわせると、さらに効果的なのではと思います。
どの精油を使うかは個人の好みもあるので、アロマテラピーの店舗で試して決めるのが良いと思います。
無難なのは森林浴系(フィトンチッド系)の香りです。リラックスにも瞑想の集中にも向きます。
ヒノキやサイプレスなどです。プチグレン、ヒバなどをブレンドするとリラックス効果が高まります。
代表的なリラックスの精油としてはラベンダーです。ローズマリー・シネオールをブレンドすると瞑想の集中にも適したものになります。
店舗でいろいろ試してみて下さい。
アロマテラピーを用いる場合は注意事項・禁忌についても知っておいた方が良いです。