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【 瞑想の効果 】瞑想する人の体験から

瞑想の効果については多くの研究があり、ネット上でも情報が溢れ気味です。
また瞑想法の種類、やり方によっても効果に違いがあるとも考えられます。

サマタ瞑想、ヴィパッサナー瞑想、慈悲の瞑想などといった瞑想の方法によって、意識-脳・神経生理に違った状態が生じて、効果の違いもあるだろうとは経験的にもあり得ると感じています。


私は子どもの頃から瞑想に関心がありましたが、その頃はまだ方法がよく分からず、充実した瞑想体験を得ることはできませんでした。
それなりに安定した質の良い瞑想ができるようになったと感じているのが、2015年にうつ不安に襲われ、それがキッカケとなってからです。

瞑想が安定するようになってからは、それ以前よりも瞑想の効果についてよく考えるようになりました。

このnoteは瞑想の効果について私の実体験による考察です。長文です。


瞑想の質・時間

うつ不安になる前は、20分くらいの瞑想を1日1回もしくは2回でした。
20分以上は瞑想の集中が続かなかったです。

不思議なことに、うつ不安がキッカケとなり瞑想の質が向上しました。それによって1回あたりの瞑想時間も努力することなく自然に延びていきました。

後述するように就寝直前に瞑想すると、目が覚めてしまうことがあるのですが、そういった時はそのまま2時間でも3時間でも、眠くなるまで瞑想することが多いです。
(睡眠時間は短くなりますが、不思議なことに体調は良いことの方が多いです、けれども、やはり日中に眠くなることもあります)
ただその場合でも、座りっぱなしは健康に良くないと思うので、足がしびれたら崩し、1時間おきに中断して立ち上がって少し体を動かすことはしています。

こんな感じなので瞑想の質は今でも少しずつ向上しているという実感はあります。


瞑想をしたことが無い人や入門・初心者の中には「なんであんなに長くジッとしていられるんだ?」と疑問に思う人も多いと思います。
この疑問に対しては、瞑想体験のような「内的な体験」は言語化して他人に伝えるのが難しいのですが、質の良い瞑想の場合には「フロー」「ゾーン」といった意識の状態になるからだ、と答えられると感じてます。

いろいろな瞑想法の中でも特に「慈悲の瞑想」(私が好きなのはチベット仏教の「トンレン」なのですが)は、入門・初心者が集中・活性の効果が得られやすく、「フロー」「ゾーン」といった状態に入りやすいと感じています。

良質な瞑想を得るためのアドバイスは瞑想の書にもありますが、結局は自分でコツコツ続けていくしかないです。

あと私は、上述のように睡眠時間を削っても瞑想している変な人なので、1日の瞑想時間が2時間を超えることは、ざらにあります。
しかし一般的には長時間の瞑想はすすめられないと考えています。リスクがあるからです。こういったことも瞑想の書で触れています。


ちなみに瞑想とアロマテラピーは相性がとても良いと感じているのですが、慈悲の瞑想には控えめに用いるなら、ローズ(薔薇)の精油(アロマオイル)が合うかもしれないと感じています。
フランキンセンス(オリバナム、乳香)にローズを微量にブレンドするのです。

フラワー系の精油は、深い瞑想を得るには適さないことがあると感じているのですが、ローズに関しては、控えめなら良いのではとも思います。

ローズやフランキンセンスの精油は価格が高めですが。

関連note:【瞑想と精油】 瞑想に役立つ精油、アロマテラピー 【瞑想ブレンド紹介】

瞑想と健康(免疫力にとっても良い?)

瞑想は心身の健康に良い効果があるという研究は多いです。私自身も身をもって体験しているので確信しています。

うつ不安といったこと以外にも、免疫力にとっても良いのかな、と思うところです。
瞑想が免疫機能の調整に役立つことを示す研究はあります。

主観的にも風邪をひきにくくなったという実感があります。

子どもの時に喘息だと診断され、体質的に呼吸器が弱いところがあるためか、しばしば風邪を引いていました。
喘息は成長するにつれて自然に消失していったのですが、風邪を引きやすいところがあり、毎年秋冬には熱をだして丸一日以上寝込む程の症状が、しばしばありました。

以前から瞑想はしてましたが、その時はそれほどの効果を得られなかったようです。

しかし、うつ不安がキッカケとなり瞑想が以前より安定し深まってから、風邪をひくことがグッと減りました。
内なる意識の治癒力」を実感しています。このことからもやはり瞑想は質も大事だと思うところです。

関連:瞑想による癒やし――内なる意識の治癒力 [ 仏教の成立についても ]

以前、瞑想を重視する気功を習っていた時も、やはり風邪を引きにくくなったという声は、よく聞きました。
風邪以外では、女性で更年期障害が和らいだという声が多かったという印象があります。

65歳以上の高齢者も多くいたのですが、やはり心身両面の健康効果を得ていた人は多かった印象です。

内丹(仙道) 小周天 ―― 高藤聡一郎 氏の仙道など


瞑想は万能ではなく、医療にかわるものでもありませんが、しかし健康効果は実感しています。


秋冬の風邪、インフルエンザ、肺、喉、呼吸器官などの関連ですすめられている精油(アロマオイル)はいくつかあります。

ユーカリやローズマリー、ラヴィンサラ・シネオール(ラヴィンツァラ、 Cinnamomum camphora )、ベイ(ローレル、月桂樹)などのシネオール系の精油やティートゥリー(ティーツリー)、レモンといったものです。
よくブレンドされて用いられています。

これらは春の花粉症にも用いられています。

しかし過信は禁物で、例えばティートリーに多く含まれるテルピネン-4-オール(terpinen-4-ol)には抗菌・抗ウイルス作用がありインフルエンザウイルスに直接作用するとする主張をネット上ではよく見かけますが、実際のところは芳香浴として用いられる程度では、エビデンスには乏しいようです。

しかし心理的な効果は感じられ、それによって自律神経や免疫、呼吸器にとっては良いのかもしれません。
また上に紹介した精油は、森林浴系の他の精油とも相性が良く、瞑想向けのブレンドとしても良いと思います。

瞑想と運動による相乗効果!?脳由来神経栄養因子(BDNF)、マイオカイン、オステオカルシン

さらに、健康やアンチエイジングには瞑想だけでなくて運動(適度な筋トレと有酸素運動の両方。スロートレーニングHIITなども)もやれば相乗効果が得られるのではないでしょうか。

運動と聞くとダイエットや体型維持、筋肉増強、心肺機能、持久力維持、血行促進といったような分かりやすいフィジカルな効果ばかりが注目されがちですが、もっと繊細な効果、脳・神経生理に対する効果や心理面の効果もあります。

運動によってセロトニン、ドーパミン、エンドルフィン、成長ホルモン、アナンダミド、、、、などの生理活性物質が増加することが分かっています。
これらの中には脂肪燃焼効果や幸福感増強、抗うつ不安やアンチエイジング効果などが指摘されているのも含まれています。

また神経成長因子(NGF)脳由来神経栄養因子(BDNF)といったニューロトロフィンの増加も確認されています。
これらはその特有の神経生理活性から、アンチエイジング効果が期待され、脳機能の維持・向上、認知症予防、神経疾患やリハビリにおいても注目され研究され続けています。

さらにしばらく前から筋肉(骨格筋)は「内分泌器官としても重要」という意見を耳にすることが増えました。
筋肉からマイオカインと呼ばれる生理活性物質が分泌されているのです。
マイオカインは少なく20種類以上あると言われていて、脳由来神経栄養因子(BDNF)もその内の一つです。

マイオカインの効果は全身に及ぶようです。
ダイエット、脂肪燃焼、アンチエイジング、美容・美肌、骨の健康、骨粗鬆症予防、腎臓や肝臓などの各臓器の機能向上・保護作用、免疫機能への好影響、海馬の神経細胞増加などの脳機能に対する好影響、腫瘍増殖抑制、糖尿病予防、抗うつ不安、、、、などです。

筋肉からだけでなくて、実は骨からも生理活性物質が分泌されています。
現時点で注目されているのはオステオカルシンという物質です。巷では骨ホルモンなんて呼ばれています。
運動によって骨が刺激を受けるとこれが分泌されることが分かっています。

このオステオカルシンの効果もマイオカインと同様に、脳の機能を含めた全身に及ぶようです。

瞑想は神経生理や遺伝子の発現といった、ヒトとしての生物学的基盤にも影響があるということが示されており、運動によって相乗効果が得られるのではないでしょうか。

【瞑想でやせる?】ダイエットと瞑想(腹八分目、運動、瞑想)

瞑想との相乗効果といった観点では、他には適切に管理された方法でのファスティング(断食、カロリー制限)も興味深いと思います。

関連note:断食療法(ファスティング)の体験談。断食と瞑想


瞑想と睡眠

睡眠に関する瞑想の効果は、体験としてはまだよく分からないところがあります。

[ 睡眠の質・寝付き ]
睡眠の質が向上する可能性は実感しています。しかし私はハッキリとそうだとは言えません。
横になって瞑想に入るような感じで雑念を排除して眠りに入ると、質の良い睡眠がとれたと実感することは多いです。

一方で、就寝直前に瞑想して、その瞑想が質の良いそれなりに深く安定したものだった場合には、寝付きの悪さを感じる時があります。
瞑想によってリフレッシュされ、疲れがとれ、眠気もとれてしまうことがあるのです。

疲労感が強かったり寝不足が続いていたりする時には、瞑想中にコックリコックリとしてきてそのまま寝てしまうのですが、そうでない場合には逆に眠気が覚めてしまい、寝付きが悪くなる時があるのです。

以前はそうではなかったのですが、うつ不安をキッカケに瞑想の質が向上してからは、こういったことを経験するようになりました。
これに関しては、私の瞑想のやり方に問題があるのかなぁ?

[ 睡眠時間 ]
ネットでは20分30分の瞑想が2時間3時間の睡眠に匹敵する、といった意見を目にすることもありますが、これは極端な意見であって、私を含めてほとんどの人にとっては、そんなことはないと断言できます。

そうはいっても瞑想によって睡眠時間が減る、つまり、以前よりも短い睡眠で足りるようになる、という可能性については体験上あり得るのではないかと感じています。

ただこういったことは、それなりに深い安定した瞑想ができた場合に限ってです。

瞑想が完全に睡眠にかわることは無いと考えています。
しかし完全にはかわることはできないにしても、睡眠によって得られるものの中には、質の良い瞑想によっても得られるものもあり、その分だけは、部分的には瞑想が睡眠にかわることもできるのでは、とも感じています(あくまで主観的な印象としてですが)。

瞑想の種類にもよるのかもしれませんが、質の良い瞑想が日課となれば、睡眠時間は若干ですが短くなっても足りる可能性はあるのではと感じています。


アロマテラピーで睡眠(安眠、不眠)に関して用いられる精油には、ラベンダー、プチグレン、オレンジ・スイート、マンダリン、ベルガモット、クラリセージなどがあります。

集中力・記憶力

集中力や記憶力に関する効果についてはハッキリとは何とも言えないです。

個人的には仕事のパフォーマンスのために集中力を求めるのなら、瞑想ではなくて、普通に仕事に打ち込んだ方がいいと思いますし、記憶力に関しては記憶術を参考にした方がいいと思います。

瞑想によって集中力や記憶力が格段に向上した実例があるという話を全く聞かないわけではないのですが、やはり実際には仕事のパフォーマンスを左右する程に高めるのは難しいと感じています。

しかし全く効果が無いというわけでもなくて、疲労、ストレス、気分の落ち込みなどで集中力や記憶力が落ちている場合には、瞑想が良いこともあると思います。

他には集中状態が求められる状況にいる時に、質の良い瞑想時の状態を思い出すことが役立つことがあると感じています。
しかしこれは所詮は心理的な効果なわけですが。

関連:瞑想と人間性、創造性(クリエイティビティ)

ストレス耐性、自己客観視(冷静さ)

[ ストレス耐性 ]
瞑想は脳の構造自体、遺伝子の発現自体に作用し ――つまりヒトとしての生物学的基盤に属することにまでも作用し―― 心身の健康にとってポジティブな方向への好影響があるという研究があるので、ストレス耐性の効果は実際に期待ができると考えています。

繊細な人が瞑想によって神経が図太くなり、心臓に毛が生えるということまでは無いにしても、安定した瞑想が日課になれば誰もが大なり小なり効果は実感できるのではと思います。


私はどちらかというと内向的・神経質な人間で、少しばかしHSPの傾向があるのかな、と自他共に思われるところがあります。

そのためかストレス耐性は強い方ではないです(なので酷いうつ不安になったのでしょう)。
瞑想が日課となっている今でも、そうであって、しばしば落ち込んだり、他の人なら何とも思わない些細なことで思い悩んだりといったことはあります。

しかし以前と比べて、耐性ができてるという実感はあります。
瞑想が脳の構造・活動自体に影響を与える――例えば扁桃体や海馬や、ポジティブな感情に関係する神経回路などに影響を与える――と聞くと、「あぁ、なるほどな。自分の場合にも当てはまるのかな」と妙に納得できます。

あと顕著に感じているのが、ストレスの多い、悩むことの多い状況でも、自分の内なる意識を信頼して「また瞑想すれば良くなる」と思えるようになったことです。

酷いうつ不安に苦しんでいた時もそうだったのですが、瞑想すると何らかの意識-脳・神経生理のメカニズムが働いて、心身の状態が良くなると感じています。
また瞑想中の意識状態もゾーンのような状態で、リフレッシュの効果を強く感じています。

抗うつ不安やストレスマネジメントに関心がある人には、私は自らの体験からしても瞑想をすすめます。

[ 自己客観視(冷静さ) ]
瞑想は自己客観視にも影響はあると考えられます。やはり瞑想によって自分自身を客観視することに関わる脳部位の厚みが増したとする研究があります。

こういった効果ははサマタ(止)よりもヴィパッサナー(観)の方が顕著かもしれません。

サマタであっても瞑想中には雑念が生じたら、それを観察して気づき、それに巻き込まれないように集中を維持します。
自分の思考、意識を客観視するという訓練にはなると思います。


しかし瞑想が客観視の能力を向上させるのは、それを日常生活にも適用した場合に、特にそう言えると考えます。

つまり瞑想中は客観視するけども、それ以外の時は知らん、ではなくて、瞑想をしていない時にも、瞑想中の状態を思い出して客観視、冷静さを保とうと心がけるのです。

そうしないと瞑想による自己客観視、冷静さを保つ効果は、それほど顕著なものにはならないのではと考えています。

瞑想には親切になる効果もあるのか?

瞑想によって他人に優しくなったり、利他心が向上したりといった効果があるという意見もたまに見かけます。
これについて私が言えることは「影響があるかもしれないが、結局はその人次第だ」ということです。

「(ヴィパッサナー、マインドフルネス瞑想、禅など)瞑想は時代の先端を行くIT企業でも取り入れられている!スティーブ・ジョブズもやっていた!いろんな効果がある!人間性も向上する!他人に優しくなれる!」などと言う人もいます。

ではそういったことを言う人が、瞑想実践者として得意げに紹介するジョブズはどうだったのでしょうか?
才能は凄かったでしょう。では親切といったことでは?
例えばスティーブ・ウォズニアックは愛すべき人物像が伝わってきますが、ジョブズはどうでしょうか?

他者に親切な人間になるかとうかに関しては、瞑想の効果がどうのこうのよりも、その人次第の影響が大きいと考えます。機械的に人を親切にするといったことではないと思います。
慈悲の瞑想は親切心、利他心に関係しそうですが、こういったことも、瞑想している時以外の心がけの方が、結局は関わりが強いと思います。

関連:瞑想する人は仁者たれ?慈悲深くあれ?愛他性(利他性)や慈悲の瞑想(トンレン)の実践

瞑想の効果がないと感じる時

瞑想の効果がないと感じる場合には、まず、何らかの変化が心身に生じているけれども、単にそれを認知できないだけということが考えられます。

瞑想はアンチエイジングにも役立つという意見がありますが、1回1回の瞑想がどれだけ役立っているのかは、自分でも把握しようがありません。

心の安定にも良いという意見についても、プライベートも仕事も上手くいっていて安定しているのなら、効果に気づきにくいこともあると思います。


私自身も、酷いうつ不安が改善するという際だったものが無ければ「瞑想って凄い」と思うことがなかったかもしれません。

しかし例え効果が実感できなかったとしても、日々の瞑想に何かしら充実したもの、魅力的なものを感じているのなら、継続した方が間違いなく良いと思います。継続を強くすすめます。
おそらくいつの日にか、瞑想が自分自身にとってどのような価値を持つかについて気づくことになると思います。

きっとその時には今現在自分が考える以上の価値に気づくことでしょう。

他に瞑想の効果を感じられない理由として最もあり得るのが、瞑想の質に関することです。
ズバリ言うと瞑想の質が悪ければ、その分だけ効果も下がると考えています。

効果を実感するには ―― 瞑想の効果を最大限にする

瞑想の効果を最大限に得るには、ある程度は安定した瞑想ができるようになる必要があると思っています。

例えば雑念を静めることができないと、質が低下します。
最も重要なのが、安定した瞑想状態(瞑想態)が得られていないと、その分だけ質が低下し、よって効果もなくなると考えています。

この「瞑想する人」noteでは、瞑想を内なる意識の実践だとしています。

用語解説:「瞑想」「内なる意識」「瞑想態」など。

私は瞑想の効果効能の源が「内なる意識」「瞑想態」だと考えています。

効果の実感が無い場合には、瞑想態が得られておらず、内なる意識との交流が無いというのが最も大きな原因であるかもしれません。

ただ、うつの改善などで瞑想を試してみて効果が実感出来ない場合には、瞑想の実践が合わないこともあるので、その場合には一旦瞑想から離れた方が良いかも知れません。
特に瞑想の実践が負担になっている場合には、無理をせずに止めたほうが良いと思います。

この場合でも瞑想の種類、やり方次第では実践できることもあるでしょうが、無理をすると逆効果になるかもしれません。