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辞める覚悟

ブラック企業で働いた8年は、決して無駄じゃなかった。
転職し、無職で楽しく暮らす友人とカラオケで00年代アニメソングメドレーを大声で歌う最高に無駄な時間を持てる今も、あの8年は決して無駄じゃなかったと、声を大にして言える。

一生一緒にいよう、支えよう、と思いながら大好きな彼と過ごした4年半も、決して無駄じゃなかった。
別れを決断し、どうしようもなく難しい恋愛に手を出して頭を抱えながら恋人(仮)に翻弄される今も、あの4年半が愛おしい。

でも、何よりも私を成長させたのは、その両方を辞める勇気だ。


一生懸命仕事して。
一生懸命愛して。
それを辞めてしまったら、大切なもの失い、二度と取り戻せなくなる気がしていた。一生懸命やりつづけることで、考えることから逃げてもいた。

でも今思えば、あの仕事や、彼に、一生懸命になりすぎて失ったものがたくさんあって、一生懸命にならなくたって偶然失っていた可能性だって全然あったんだよな。どっちも。

一生懸命続けることは悪いことじゃないし、周りが見えなくなるくらい何かに出会えるなんてとても幸運なことだ。

でも、今
「この仕事がなくなっても大丈夫」
「私が愛し愛される人は、この人以外にもきっといる」
と思いながら仕事をしたり恋愛をしたりすることで、手に入れられている幸運やチャンスが、あまりに多い。

「これが最後」
「この人しかいない」
「こうするしかない」
「もう他に道はない」
そういう決死の覚悟は自分を育てる一方で、もっと輝けるかもしれない可能性を遠ざけてしまうものだ。

いつ辞めたっていい。

そう思って続ける物事に降り注ぐチャンス多い。
自分の決断スピードが上がり、足が軽くなる。初めての挑戦にだって恐れず手を伸ばせるようになった。

いつ辞めたっていい。

あえて、そう思う覚悟で一生懸命にやってみるのも、ひとつの手なんだなと。
一生懸命働いて、一生懸命愛して、どっちも辞めてみたからこそ、今そう思えてる。

辞める覚悟は、私から何も奪っちゃいない。

辞める覚悟を持って、向き合う。
チャレンジャーで居続けるから、チャンスは降り注ぐのかもしれない。

いつだって辞めてやる。
いつだって、やってやるんだ。

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