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複雑な案件の支援について~支援窓口の一本化~

相談員です。
今まで見てきた事例を紹介してきましたが、せっかくなので支援方法などの
具体的な手法も紹介していきたいと思います。
例えばメンタル的な病気になったら、まずは精神科のある病院や心療内科を受診してお医者さんの診断を受けて、治療をする。
至ってシンプルです。
でもこういった案件が出てきたらどうしますか?

事例を見て考えよう「課題を複数抱えたケース」

Aさん30歳(女性)・子ども6歳(男子)

・母子家庭
・生活保護を受けている
・気分障害で精神の障害者手帳を持っている
・通院を続けている
・ハローワークに通っている
・本人は障害者手帳クローズで就労したい
・メンタルが優れないときに子どもに手を上げてしまう
・定期的に児童相談所で面談を行っている

例えばこんな状況のAさんがいたとしましょう。
関わる支援者はは恐らくこういう図式になります。

・生活保護を受けている
→自治体の生活保護を管轄する窓口 ※生活支援課とか(例)

・気分障害で精神の障害者手帳を持っている
→自治体の障害手帳を管轄する窓口 ※障害支援課とか(例)

・通院を続けている
→通院している医療機関

・ハローワークに通っている
→ハローワークの担当の方(就労の担当)

・定期的に児童相談所で面談を行っている
→児童相談所の担当の方

関わり方に強弱はありますが、これぐらいの人が支援に関わることになります。

支援者の属性によってゴールは一緒でもアプローチが違う、だから意見が割れる

支援の方針は何通りもあるし、どれが正解かもやってみないとわからない。それは支援者の経験や属性によっても変わります。その道のプロの意見だからどれも間違いではない。見据えているゴールは一緒だと思います。でもプロセスが違う。だから複数の支援者が関わると意見が割れる、割れるぐらいならいい、全員が違うことを言ったりすると、支援を受けている人も、各支援者も戸惑う。これは支援の世界ではよくある話。

仕事が先か?病気を治すのが先か?就労の方法は?

よくある話は仕事が先か?就労が先か?という話があります。

(例)福祉系の支援者
「仕事をするにはまず心身をしっかり整えないとダメ!まずは病気の治療!
病気を治してから仕事しないとせっかく就職できたのに意味無いよ」

(例)就労系の支援者
「病気も直すのは大事だけれど、病気っていつ治るの?お医者さんから就労許可出てるならその範囲で仕事をした方が本人のためだし。ブランクが空けば空くほど採用されるのが難しくなるよ。」

(例)医者
「障害手帳をクローズして普通就労するなら週3日。障害手帳をオープンにして障害者就労するなら週5日」

(例)本人
「私は病気でたまたま手帳を取っただけで治れば普通就労で働ける!障害者就労なんて嫌だ!」

このケース誰が、どうまとめます?
例えばの話なのですがありそうな話です。
治療が先か?就労が先か?これはどちらも間違いではないです。あとは本人の希望とお医者さんの見立てが微妙に違いますね。これもよくある話で障害者手帳を持っているけれど、持っていることを公開しないで就職(就活)を
する人がいます。これは相談員はまず勧めないです(このあたりも記事に出来ればと思っています)
課題を複数抱えた人の支援は、本当に本人の状況を見極めて適切なアドバイスができるかかなり難しいです。それにはメインで支援をしている人(関わり方・強)のハンドリングが求められます。一人の人の支援に関わる人が複数いることは心強いことです。ですが意見が割れるとアドバイスを受ける相談者は戸惑ってしまいます。とは言え支援プランが複数出た場合は最後は本人に決めてもらうしかないです。決めたプランで全力で支援する、うまくいかなければプランBに切り替える。相談者も支援者もできるだけ納得圏(70~80点ぐらい)でのゴールを目指したいですね。


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