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ギックリ腰について

 冬場は冷え込みやそれに伴う活動性の低下により、筋肉や関節の柔軟性が低下し、不意な動作時に腰を傷めてしまう、いわゆるギックリ腰が増えます。程度の差はありますが、この時期に整体を受けられる理由では最も多いですね。

 多くは腰から仙骨部にかけての筋肉・筋膜を傷めます(トップの写真において赤く着色している部位)。スポーツ経験のある方は太ももやふくらはぎの肉離れをやったことがある方もいらっしゃると思いますが、そのようなことが腰部に起こるということです。腰部は文字通り身体の要の部分であり、ほとんどの体動時に力の入る部分なので、その度にズキッと痛む非常にやっかいな外傷です。

 ギックリ腰の治療をする際、腰部は傷めて炎症が起こっているため下手に触れるわけにはいきません。何気なくマッサージをしてしまうと傷めている筋肉にさらに傷をつけることになります。ですから損傷部に対しては専用の治療器具を用いて筋繊維をなめすように整えた後、氷水で冷却処置を施します。損傷した筋肉に対してやれることは限られていますが、生理学に則った適切な対処をすれば確実に状態は改善します。
 
 またギックリ腰の治療において特に大切になるのは筋膜(筋肉や内臓器を包んでいる膜)の繋がりに対する理解です。
筋肉というのは名前が付いているものが600種類ほどありますが、そのようにバラバラに切り分けて、一つ一つの名前やどこについているかといったことを知っていても、解剖学の試験で良い点が取れるだけで、臨床上はあまり役に立ちません。筋肉というのは同じ筋膜に包まれたグループ(経線)の動きや関節まわりのユニットとしての働きを理解していなければ治療というものはできません。

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                                       (参考写真/頭部から足底までの筋膜の繋がり)

外傷治療の際は特に損傷部に対してそれほどアプローチできませんので、それ以外の部位との連続性や関連性、全体としての働きに対する理解と意識が必須となります。

 ギックリ腰を起こしてしまった時に、ご自身でできる対処としては他の外傷と同様に安静、氷水での冷却、圧迫です。
 安静とは言ってもずっと寝ている方が良いというわけではなく、腰部の曲げ伸ばしや力の要る動作を極力避けて日常生活を送るということです。強い痛みが鎮まるまではコルセットやバンドなどのサポーターを利用しても良いと思います。
 腰痛が軽度の時は構いませんが、起き上がりや立ち座りも困難な時は入浴は控えてください。入浴時や入浴後に一時的に痛みが低下し楽になるのは、温熱刺激により痛みなどに対する感受性が低下するためです。患部の状態が改善しているわけではありませんし、熱を加えることで炎症症状が亢進することもあります。

 中腰や前に屈んでの動作時に負傷しやすいですから、低い位置の物を取る際はしっかりと腰を下す、靴下の着脱などは脚を曲げて行うなど、ほんの些細なことで負傷発生のリスクを軽減させることができます。特にこの時期はひとつひとつの動作を意識して行うようにして健やかにお過ごし頂ければと思います。

(※写真 トーマス・W・マイヤース「アナトミー・トレイン」より抜粋、一部加工)


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京都市北区上賀茂 古今整体室のつれづれです。 https://www.kokonseitai.com