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AIが生物の新たなCRISPR(防衛機構)と機能を発見

ゲノム編集技術として普及に至ったCRISPR-CAS9。最近では、それに匹敵する機能の発見も話題になっています。過去投稿記事を1つ。

CRISPRは、いまでもそれ自体の進化を続けています。

元々CRISPR自身は、バクテリアの防衛機能を参考に人工的に設計したものですが、生物からもっとCRISPRに近い機能を持った遺伝子があるのではないか?という研究が進められています。

1つ記事を紹介します。

ようは、
新しいアルゴリズムを開発して、CRISPRに関連する約13万個の遺伝子を発見し、そのうち188個はこれまでに観察されたことがないものだった、
という話です。

興味深いのは、DNAを編集したという結果だけでなく、どのように生物が防衛機能をはたらかせているのか、そのさまざまな過程が明るみになったという点です。

なかには、異物を攻撃する情報を持ったCRISPRをさらに防衛しようとする抗CRISPRを示すDNA断片も特定したということです。

このあたりは、遺伝子工学の技術へ応用が期待されます。
まずは、医療への貢献が考えられます。以前から遺伝子探索とCRISPRを組み合わせた治療ができないか、という研究は進められています。

過去の関連記事を1つ紹介しておきます。

もう1つ、基礎科学として今後の発展性が期待できるのは、(DNAでなく)RNAをターゲットするVII型CRISPRと呼ばれる(今回の調査のなかではレアな)コードを発見した点です。

これがそもそも何のために存在するのか?

もちろん完全に偶発的な機能の可能性もありますが、生物である以上は過去の一時期何かの機能、つまり意味をもっていたとするのが自然です。(またはそう思い込みたいです☺)

初めに連想するのは、過去は(DNAでなく)RNA優位の時代があったのではないか?その攻防の名残が今回見つかったレアなコードだったのでは?という流れです。

今でも生物は、DNAでなく、RNAから進化していった、という説は残っています。過去何度もとりあげたので1つだけ載せておきます。

今回見つかったレアキャラ以外でも、そもそも今のDNAの内訳も、タンパク質の生成に貢献する個所(コーディングDNAで全体の数%程度)以外に、RNAから逆転して出来た痕跡も少なからず残っています。

そして、そこからタンパク質が作られた可能性も近年挙げられています。

今回の新しい発見も、アルゴリズムの貢献です。

何をもってAIと呼ぶのかは解釈によりますが、ある意味人間では現実的に実現できないロジック(かそれっぽいもの)を計算するのはAIと呼んでも差し支えないかなと個人的に思います。

今回のAI(アルゴリズム)は、今後も転用されるそうなので、生命の探索にも貢献するかもしれません。

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