CRISPRに匹敵する生物のDNAハサミが見つかる
遺伝子編集技術として普及したCRISPRは、元々は生物(細菌)が持っていた機能を応用したものです。1つだけ解説サイトを引用しておきます。
CRISPRの考案者はノーベル賞も受賞しています。
で、すっかりツールとしてお馴染みになったCRISPRに匹敵するかもしれない素敵な仕組みを発見しました。(元論文はこちら)
ようは、
生物の中に、CRISPRのようなDNAハサミ機能を発見し医療への応用が期待される、
という話です。
つまり、CRISPRが人工的であればより自然な遺伝子編集機能、というイメージです。
しかも興味深いのが、今回見つけた生物が(細菌でなく)「藻類」や「カタツムリ」といった「真核生物」です。
既に「Fanzor」という名前も付けられています。
もう少しだけ、何をやっているかを補足しておきます。
あらゆる生物は
DNA→RNA→タンパク質(アミノ酸を経て)
という過程を踏みます。
このRNAに結合して編集する自然の酵素みたいな役割だと思ってください。つまり、生命の基礎単位タンパク質の発現種類に影響を与えます。
CRISPR同様、医療を中心とした遺伝子編集ツールとしての期待が分かり安いですが、個人的にはDNAとはなんぞや?という生命進化の基礎研究への貢献に興味があります。
未だに、生命起源は決定打がなく、論点の1つに「一番初めの生命分子は?」という難題があります。
初めの分子候補は、DNA・RNA・タンパク質(かそれらの原型)あたりですが、今回新しく見つかったFanzorの研究が、その由来に何か進展を与えないかなと淡い期待を持っています。
以前に、思わぬところから生命が誕生した話をしました。
ようは、DNAのジャンクとすら言われた箇所(タンパク質変換に寄与しない領域)から生命が誕生した、という話です。
というように、まだまだ生命の謎は新しくそして驚きの現象が見つかっています。
今回の「Fanzor」という新しい分子の動向を注意深く見守っていきたいと思います。
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