Transformer著者たちの華麗なる世界
前回、AI Scientistという科学論文を作成するAIを紹介しました。
文中で触れている通り、生成AIの躍進を支えたTransformer論文(こちらで公開)著者でもあります。
今回はその他の著者たちの足取りについて調べてみました。
まず、2022年にSakana AIを創立したのは、Llion Jones氏で、残りの共著者は下記のとおりです。
Illia Polosukhin
Aidan N. Gomez
Jakob Uszkoreit
Niki Parmar
Ashish Vaswani
Noam Shazeer
Łukasz Kaiser
彼らの足取りを追った記事を見つけました。
この図(元は中国メディアMeetより)は分かりやすいですね。
上図に載っていない、Łukasz Kaiserは、OpenAIで研究を行っています。
それ以外は、(Llion含めて)起業をしているようですね。
なかには既に有名になったCohere(コーヒア)もあります。この企業は、NVIDIAやOracle、Salesforceなどが出資しています。もしかしたら、企業名よりは、リリースしたローカル志向の生成AI「Command R+」のほうが話題になっていたかもしれません。1つだけ紹介記事を。
その他の方々が起業した内容を簡単に列挙しておきます。いずれも魅力的ですね。
Illia Polosukhin:ブロックチェーンを使って誰でも自由かつ安全にアプリを開発できる環境
Jakob Uszkoreit:深層学習を使ってRNA分子を設計して新薬の開発を行う
Niki Parmar&Ashish Vaswani:ソフトウェア開発を自動化するAI
Noam Shazeer:AIを擬人化してチャットができる
それぞれが多彩かつユニークな分野で、活躍している姿が目に浮かびます。
(元記事も触れている通り)どうしても連想してしまうのが、PayPalマフィアです。
ネット決済PayPal創業メンバー(または合併関係者)が、同じように巣立って今では著名となった企業を立ち上げており、その代表格がイーロン・マスクとピーター・ティールです。
過去にそれについて書いたので、詳細が気になる方はどうぞ。
逆に言えば、Transformer論文著者全員がGoogleを去った、という見方もできます。そもそもの第三次AIブーム(深層学習)を創ったジェフリー・ヒントンも2023年に退社したことで話題になっています。
そして今Googleは、巨大になりすぎたがゆえに事業分割の提案をされ、OpenAIなどの生成AIで「検索」という王座を脅かされようとしています。
その背景で躍動するヒトを中心としたストーリーを書いてみるのも面白そうです。
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