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Starship打ち上げテスト実行!:SpaceXの強さは常識外れのカイゼン力

以前にも触れたStarshipフライトテストが実施されました。

私も公式チャンネルからLIVEで見ていましたが、X配信で同時接続数20万名と相変わらずの注目ぶりでした。

で、結果ですが、なかなか一言で総括しにくいので、重要な動作別に箇条書きにします。
1.宇宙船とエンジンの分離に成功(前回はその前に失敗)
2.宇宙船はカーマンライン(100km超)突破したが通信途絶(すでに自動爆破の可能性あり)
3.エンジン部(Super Heavy)が分離後に想定外の爆発

ということで、2.3については次の改善につなげたら、と期待します。

おそらくSpaceXからも正式な発表があるので、今回は見所シーンに注目してみます。

まずは、1の分離シーンです。イーロンのポストから。

Starshipは全長120mありますが、この史上最長のロケットをここまで制御するのは、冷静に見ると改めて素晴らしい偉業です。

全長120mの巨大さをイメージできないときによく例えるのが、茨城県にある牛久大仏と同じ大きさです。(ブロンズ仏像としては高さギネス記録)

あまり茶化しすぎたらいけませんが、ネットでは合成画像も見かけます。


次が、ロケットの肝であるクラスター型エンジンが全稼働した点です。

イーロンもリポストした素晴らしい写真(John KrausはSpaceflightに特化した有名なPhotographers)を引用しておきます。

1つ1つのエンジンが史上最強レベルで、いくつかが不具合でも稼働できるような仕様になっています。
このシーンは特にSpaceXのロケットエンジニアは感慨深いだろうと思います。(感情移入してうるっとしてしまいます ^^;)

SpaceX(というよりイーロン・マスクの方針)の凄いところは、この派手なショーではうかがい知れない「モノづくりのカイゼン力」だと個人的には考えています。

1例として、先日に和訳版含めて出版されたイーロンの伝記の話を紹介したいと思います。(他のエピソードも面白いのでぜひポチってください☺)

ラプターエンジンの素材(特に燃料室の壁部分)は、当初は牛久大仏のように銅の合金でしたが、「鋼鉄製」にトップダウン指示で切り替えました。
さらっと書きましたが、これだけでも当時の常識を覆したものです。単価の安さだけでなく、鉄だと溶接可能となり接合によるエラーをなくしたい、という設計思想です。
確かにどんなシステムでも得てして統合がコスト・リスクが高くなりがちです。(IT業界では特に知られています、特定はしませんが😎)

イーロンが手掛けるEV事業テスラではそれが発揮されていて、部分工程を極力減らして、今は史上最大のプレス機械でフレームを製造しています。「ギガプレス」とも呼ばれ、興味ある方のために1つだけサイトを紹介しておきます。


「モノ」だけでなく「ヒト」も常識外れで、なかなか思うように製造が進まなかったので、途中で生産責任者に設計エンジニアを据えます。

小さな組織や製品では設計と製造を兼任するのは珍しくないですが、人類史上最大レベルの構造物で、です。

責任者に任命されたジェイコブ・マッケンジーは見事に期待に応えます。(その過程での苦難も伝記に載ってます)
2021年ごろの話ですが、2022年には1日1基を製造できるまでに進化します。

最後に、イーロン自身が自慢のラプターエンジンについて解説している動画を貼っておきます。(CEOがここまでやる、というのもイーロン流がよく表れています☺)

また続報が流れてきたらこちらでも伝えたいともいますが、ショーの派手な裏にはこういった既存の常識を破壊しまくる最強のカイゼン力があることはぜひ心の隅においてください。

次回の常識外れのカイゼンを今から心待ちにしています☺

改めて、関係者の皆様のチャレンジに心からのエールを贈ります!

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