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サムアルトマンのもう1つの挑戦

OpenAIのCEOとして世界的に名をはせたサム・アルトマン。

元々はシリコンバレーでベンチャーインキュベーターとして著名なYコンビナート立ち上げにかかわっています。つまり、エンジニアというよりはビジネスのプロです。1つだけ経歴にふれたサイトを紹介しておきます。

イーロン・マスクと袂を分かったのは諸説ありますが、いずれにせよ投資家としての目利きと大局観からしかるべく手を打つ能力はメディアをみていても伝わります。

最近は、AI規制というOpenAIにとっても最大の壁に対して、FTCの調査に応じる動きを見せています。

ようは、
米国で商取引を取り締まる役所が、OpenAIが不当なデータ扱いまたは不正な商取引を行っていないかを審査しようとしている、
という話です。

以前にAIのハルシネーションについて触れましたが、AIの出力に間違いがあり、それが名誉棄損につながると訴えられたこともあります。
これはOpenAIに限らず生成系AI共通の課題かなと思います。

そんなアルトマンは投資家として他の企業にも目を付けており、その1つがIPO(株式公開)を迎えることで話題になっています。
しかも、日本で改めてエネルギー減として注目が高まる「原子力エネルギー」のベンチャーで、こちらもAIと同様に規制当局との共存が鍵になる業界です。

次世代原発として以前からメディアで見かけるのは、今回と同じ小型原子炉(SNR)です。

ビル・ゲイツもこの分野には以前より力を入れています。

アルトマンが関わるOklo(オクロ)については、こちらのサイトで分かりやすく解説されてたので参考にしています。詳細に知りたい方はぜひ訪れてみてください。

まず、Okloが次世代原子炉として差別化としているのは、下記3点です。

  1. 小型で安全(設計のシンプルさがその背景にありそうです)

  2. クリーン(特にリサイクル能力)

  3. 直接消費者に安定的な電力を販売するモデル

技術の肝はおそらく2のリサイクル能力だと思います。(本当のコア技術までは公開情報では深堀出来るほど見つからず)

いずれにしても、DOE(米国エネルギー省)からそれを評価する賞を獲得しているので実績としては素晴らしいです。

本当は上記の差別化にあげてもいいもう1つが規制当局とのお付き合いのうまさです。

規制当局に該当するのは米国原子力規制委員会(NRC)です。

NRCに対して、設計、建設、運転が一体となったカスタム・コンバインド・ライセンス申請(COLA)の提出に成功した唯一の企業です。(上記記事をそのまま引用)

このあたりの寝技が、OpenAIの展開にも生かされるのだろうと思います。

アルトマンは、ほかにもエネルギー系に投資をしていて、まだだいぶ先に花咲く「核融合エネルギー」もその1つです。具体的には、Helion Energy、UPower です。核融合については以前にもその原理についてふれたので引用にとどめておきます。

アルトマンは、AIによるエネルギー最適化についても言及しており、まさにその両方が正念場です。

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