ChatGPTの対抗馬Bardが地域限定で一般公開へ
GPT4リリースをうけて、さらにChatGPTが世界中で話題です。
それに一番危機感を持っているのは、検索エンジン大手のGoogleで、対抗馬のBardを前倒しでリリースに急いでいます。(タイトル画像はこちらから)
従来はDeveloper向け限定でしたが、ついに米英地域限定で一般向けにBardリリースに踏み切りました。
ChatGPTもBardも共通なのは大規模言語モデル(LLM:Large Language Model)から成ります。
今回のBardが採用したLLMはLaMDA((Language Model for Dialogue Applications)と呼ぶもので、2021年にリリースされました。
LaMDAは一時期話題を呼んだので覚えている人はいると思います。
AIが意識を持ったとGoogleエンジニアがメディアで発言したことです。
過去にも触れたので、そこでの基本的な経緯と問題点は委ねておきます。
上記記事投稿時点では休職処分でしたが、その後該当のエンジニアはGoogleを去っています。
このBardは、LaMDAをもとに(ChatGPT同様)ファインチューニングしたものです。しかも人間のフィードバックに基づく強化学習のため、手法としてもChatGPTと似ています。
この手法は既に名前がついており、RLHF (Reinforcement Learning from Human Feedback)と括られます。
技術的な解説として、ChatGPT(とBard)の対抗馬の1つHugging Face社の技術Blogを紹介しておきます。
ちなみに、もう1つChatGPTとBardには共通項があり、全く同じ言語学習エンジンTransformerをもとに構築されたモデルということです。
これは2017年にGoogleが提唱したもので、これが今の自然言語学習の変革を生んだ文字通り「変革者」と言っても過言ではないです。(これも深層学習の応用であるため、源流にこだわればそちらかもしれませんが)
ただ、今のところはChatGPTに話題が相当寄っており、これは技術的な優位性ではなく「見せ方」の問題かなと感じます。
有名な話で、Bardが2023年2月にリリースされた際、そのボットの回答がいまいちだったことで、時価総額が1000億USドル(円でなく!)下落した、といわれています。
触った方は分かると思いますが、(旧来よりマシになりましたが)ChatGPT最新版でも結構間違った回答はあります。
専門性のない回答であれば、あまりにも表現がなめらかであるため信じ込んでしまいそうです。
冒頭記事でも、Googleはそのあたり保守的で、今回はそれがゆえにうまくMicrosoftにマーケティングの差で一気に話題をさらわれた形になりました。
Bardは当初より前倒ししたため、今回も米英限定でかつ順番待ちだそうです。日本語対応もまだ時期未定とのことで、まだ日本内での評価を聞く日は先かもしれません。
「ググる」という言葉が日常化するぐらい、「検索」は定着の代名詞として定着しましたが、今回はその検索という行為が大きく変わっていくほどに影響をあたえるかもしれません。
少なくとも、どんなボットであれ、学習元は有象無象のビッグデータであることを忘れずに、常に疑いを持って使いこなすマインドとスキルが今後はさらに重要になりそうです。
くれぐれも騙されないようにしましょう。
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