篠原功治

大学・企業でキャリア教育、就職支援、研修の講師・執筆活動を行なっています。サインキャリ…

篠原功治

大学・企業でキャリア教育、就職支援、研修の講師・執筆活動を行なっています。サインキャリアデザイン研究所代表/広島工業大学、神戸大学、甲南大学、追手門学院大学、高知県立大学、京都先端科学大学、日本経済新聞社、公務員受験ジャーナル他/CDA/国家資格キャリアコンサルタント

最近の記事

志望動機の本質はそれを「志す理由」

企業への志望動機を考える際に、皆さんは何を考えるでしょうか? 多くは企業のどこに興味、関心を持ったのかを考えるのではないでしょうか? 実際に多くの志望動機では、そんな「御社(貴社)の〇〇に興味を持ちました」という志望動機が大半を占めています。 しかし一方で、少数派ですが、興味や関心の理由以上に、そこで働く目的や目標を取り上げた志望動機もあり、企業側の感心はそちらの方に向いているといえます。 志望動機とは何かを志し未来を望む動機だということ 本来の志望動機とは文字通り

    • その表情は相手に対する意思表示

      明けましておめでとうございます。 今年もよろしくお願いします。 さて、ニュースなどを見ていると、時々、国の首脳同士の会談報道がありますが、そこでよくその時の各首脳の表情に注目したコメントがされることがあります。 例えば「終始、厳しい表情を崩さなかった」「笑顔で握手を求めた」など。 実際、人と向き合う際の表情というのは「非言語コミュニケーション」ともいい、言葉を超える相手に対する意思表示であるといえます。 例えばとても悲しい表情で喜びの言葉を発している、あるいは逆にとて

      • 壁にぶつかるということ

        大晦日ですね。 皆さんはどんな年越しを過ごされますか? ぜひ良いお年をお迎えください。 さて、普段仕事をしていると、決して少なくない機会で難題ともいえる講義やワークショップの作成を依頼いただくことがあります。 例えばこれまでにないような自己分析の方法論であるとか、コロナ禍でも出来るだけ密を避けながら対面で出来るグループワークなど。 そんなこれまで自分が作ってきたものではない課題と向き合ったとき、いわゆる「壁にぶつかる」という状態になるのですが、それでもせっかくお声がけいた

        • 先に考えるか?先に知るか?どっち?

          今年、就任先の理系大学で建築系の学生が航空関連の企業を見つけて興味を持ったということがありました。 当初、本人は建築系ゆえにゼネコンや住宅メーカーなどに進むものだと思って、就職ナビの「業界検索」を中心に行いながらそれらの業界の企業を探していました。 そんななか、たまたまその就職ナビの「職種検索」の方から建設・土木技術者を募集している企業という視点で探したところ、空港の運営会社を見つけ、そこで初めて建築分野の技術職募集を知ったのです。 その募集は旅客ターミナルビルや貨物上屋

        志望動機の本質はそれを「志す理由」

          テクニックを凌駕する自信という就活の強さ

          こんばんは。 年末のいま、私は横浜に滞在し、WEBメディアや大学テキストの執筆をしながら過ごしています。いわゆるワーケーションというやつです。 都会の景色を眺めながら仕事をしていると、自分のちっぽけさを感じて、もっと頑張ろうとエンジンがかかってきます。 さて、長らく就活関連のtwitterもやっているなかで、近年特に目立つのがテクニックに関するツイートの数々です。 就職軸は業界別でこう話せば良い、逆質問はこんな内容が評価される、面接は深掘りさせるため具体例や肝心な部分は言い

          テクニックを凌駕する自信という就活の強さ

          他の誰でもない私だから

          志望動機は自分と企業との接点を見出すのが基本。 単に企業のどこに興味・関心を持ったのかということではなく、どこに(企業情報)、なぜ(自分情報)興味・関心を持ったのかということを示すのが志望動機の基本となります。 しかし例年、目立っているのは企業の強みや自分が感じた魅力を並べただけの「企業レビュー」のような志望動機。 これだと企業も「それらは全て私たちが一番よく知っていること」となるばかりで、なぜ多くの学生のなかでその学生が応募してくれたのかという学生自身のことを知ること

          他の誰でもない私だから

          どの志望動機にも使い回す就職軸はどう映るのか?

          久しぶりのnote更新になります。 これからまた時々更新していければと考えていますので、よろしければお付き合いください。 今回は志望動機に関して、近年、特に目立っていることをタイトルにしました。 志望動機とは基本的に企業のどこに(企業側の情報)、なぜ(自分側の情報)興味・関心を持ったのか?という、企業と自分との「接点」を明らかにしていきます。 そして企業は「だからこの学生こそが当社を選んでくれたのか?」という、それぞれの独自経緯に納得します。 そんな時に企業と自分との接

          どの志望動機にも使い回す就職軸はどう映るのか?

          当事者意識を持てているか?

          ~入社してやりたいことは何ですか?~     ~当社で何を実現したいですか?~ 面接での定番の質問です。 この質問にある真意というものを考えてみたことがあるでしょうか? 近年の就職活動では、このシンプルな質問に対する応募学生の回答が、選考最後の明暗を分ける一つのポイントにもなっているようです。 あくまで自分自身がやりたいことでいいのだろうか? この「入社してやりたいことは何か?」という質問に対して目立ってるのは、単に社会人としてこのように成長したいというものや、自

          当事者意識を持てているか?

          他責と自責~就職活動は成長のステージ~

          日頃、多くの就活生の皆さんと話をしているなかで見えてくるのは、目の前の壁がなかなか越えられずに頭を抱える姿です。 もちろん壁が目の前に現れるということも、その壁を超えようと頑張っていることも、自分が前へ前へと前進している、前進しようとしている意思があるからこそ。 前に進もうとせずにその場に立ち止まっている人には壁さえも現れてこないですものね。 ただ、その壁をなかなか越えられないときに、ふと思うことがあるかもしれません。 ~自分が前に進めないのはこの壁のせい~   それは

          他責と自責~就職活動は成長のステージ~

          「初対面」の場は自分を知り、自分を磨く機会

          突然ですが、皆さんは初対面のコミュニケーションに自信ありですか? それともできるだけ気の知れた仲間だけでいたいですか? 以前、ある就職ナビが発行した冊子に大手商社の人事責任者の方のコラムが掲載されていて、その中で学生に期待するコミュニケーション能力とは「知らない人とのコミュニケーション能力」だと紹介されていました。 なぜなら、それこそが数多くの初対面の場で素早く良好な人間関係を築いていく社会人に必要とされるコミュニケーション能力だからだと。 逆に仲良しグループ、仲良しサ

          「初対面」の場は自分を知り、自分を磨く機会

          「やりたいこと」は向こうからやってこない

          就職活動はまず自己分析から・・・ よく聞く言葉ですね。 しかしここでいきなり立ち止まる人もいます。 そして出てくる言葉は「自己分析が上手くいかないから就活に入れない…」 何が上手くいかないのか聞くと「何がやりたいか分からないんです…」 いま夢がない、やりたいことがない、目標がない。 だから自己分析も進まないし、就職活動も上手くスタートできない… では、自己分析を行なう上で将来の「やりたいこと」の設定は必要なのか? これはあくまで私の個人的な意見ですが、答えはN

          「やりたいこと」は向こうからやってこない

          暗記ではなく「流れ」で掴む面接回答術

          面接は模擬面接などによる練習も大切になってきますが、それは言葉を覚えてスラスラ話せるようになることを目指すのではなく、言葉の引き出しを増やすことで質問に対する不安を無くし、気持ちを込めて本来の膝を交えた自然体での対話ができるようになることを目指します。 そうして面接は「覚えるのではなく、しっかり理解すること」「スラスラ話すのではなく、相手の理解を意識した対話にしていくこと」がキモになります。 答える流れ(手順)を掴んで丸暗記から卒業 しかし、自然体で話すほうが良いといっ

          暗記ではなく「流れ」で掴む面接回答術

          少しの間だけそこから離れてみても

          以前テレビである芸能人の方が、買い物で「あ!これ買いたい!」と衝動的に思ったとき、スグには買わずに一旦その場を離れて、また戻ってきてやっぱり買いたいと思ったら買うというお話をされていました。 それから私もそれを実践したところ、かなり衝動買いがなくなりました。 なぜさっきはあんなに欲しかったんだろう…良かったぁ、買わなくて…なんてことも多く(実際かなり多い)、とてもこのやり方は役立っています。 こういう感覚は恋愛でもあるかもしれませんよね。 例えばもう何年も好きな人がい

          少しの間だけそこから離れてみても

          机上の空論に陥るな。見て…会って…触れて…感じる…自己分析のススメ

          就職活動といえばよく聞く言葉「自己分析」。 その必要性は人それぞれだと思いますが、私が個人的に自己分析の必要性を感じる理由は3つあります。 ①後で「本当はそうじゃなかった…」とならない進路を選ぶこと。 ②自分のことを他人に言葉にして伝えられるようになること。 ③就職先としての選択肢を含めこれまで知らなかったものを知ること。 そんな自己分析を進める時によく見る光景は、とにかくじっと考えているという姿です。 その場で「私の志望業界は?」「私の能力は?」などと、いまの自分の

          机上の空論に陥るな。見て…会って…触れて…感じる…自己分析のススメ

          孫子の兵法に見る企業研究の差

          「彼(敵)を知り己を知れば百戦して殆(あや)うからず」 これは孫子の兵法(謀攻篇)からの一節ですが、敵の実力や現状をしっかりと把握し、自分自身のことをよくわきまえて戦えば、なんど戦っても勝つことができるという意味になります。 この孫子の兵法は、他の言葉も含め、現代のビジネス社会でも応用されていますが、就職活動における企業研究にも大切な視点としてそのまま当てはまるのではないかというのがこの一節です。 ここでは彼(敵)を競合企業、己を本命の志望企業と見てみましょう。 例え

          孫子の兵法に見る企業研究の差

          企業の新卒採用の目的から考えたいこと

          学生の皆さんにとっての就職活動は、逆の目線で見れば企業にとっての採用活動。 少子高齢化による若年層の減少などもあり、近年の企業の新卒採用への意欲は旺盛ですが、かといって数合わせの採用はせず、たとえ採用予定数が未達でもしっかり厳選して採用を行っていくのが新卒採用の特徴です。 このような厳選採用の背景には大卒新卒採用者の入社3年以内離職率が未だ30%を超えていることなども挙げられますが、もっと大きな背景にあるのは、新卒には未来の幹部として会社のこれからを担う基幹人材を採用する

          企業の新卒採用の目的から考えたいこと